第9話:魔女はどこでも眠くなるの巻。

カオスが休みの時、観音カノンさんはプティを連れて積極的に街に出た。

映画を観に行ったり・・・。

どんな映画を観に行くかって言うと、さぞかしラブロマンスかと思ったら

もっぱらアニメ。

観音さんがアニメ好きだからね。


プティはそうでもないから観音さんと一緒ならなんでもいいわけで、

映画がはじまると観音さんの肩に頭をもたげて寝てしまう始末。

映画なんてのはプティにしてみたら寝るためにあるようなもの。


水族館なんかは魚が回遊してるのを見て寝てしまうしクラゲが水槽の中で

プカプカ浮かんでるのを見て寝てしまう。


誰かのコンサートとか、ましてやクラシックオーケストラなんてプティにして

みたらただの子守唄にしかならない。

めちゃうるさくても、耳に栓してるんじゃないかってくらい平気で寝てしまう。

どんなイベントも施設もプティにとっては寝るためにあるようなもの。


たぶんだけどプラネタリウムなんか連れて行ったら即バタンキュ〜だって

思うね。


仕事してる時とご飯食べてる時と外に出て歩いてる時くらいかな。

プティが起きてるのは・・・。

だから理容美容学校でも授業中に寝てるんじゃないかと観音さんは思った。


おまけに毎日お客さん相手に魔法を使って髪をカットしてるから魔法を使いすぎ

たりするとさらに眠くなるらしい。


プティは眠ることによってエネルギーをチャージしてるんだね。

まるで猫みたいに。


その点アミューズメントパークはプティでも寝る暇がないから観音さんは

面倒みなくていいからちょうどよかった。

観音さんは地味なアトラクションを楽しんで、プティは当然絶叫系。


プティは観音さんと楽しみたかったけど絶叫系が苦手な漢音さんはプティの

誘いでも首を横に振った。

漢音さんはたぶん絶叫系なんかに乗ったら歩いて帰れないくらいダメージ喰らう

だろうって思っていた。

以前ディズニーランドでスペースサンダーマウンテンに乗って酷い目にあってる

ので、それ以来絶叫系は乗らなくなった。


アトラクションはそれぞれの性格を象徴しているみたいだ。


ま、そんなこともあって観音さんはプティを連れて映画も観に行かなくなったし

誰かのコンサートも観に行かなくなった。

あと水族館も・・・。


動物園はプティが喜ぶから時々連れて行った。

イ◯ンとかに連れて行くとプティは品物に目移りするから寝るってことはなかった。


そうそう動物園でこんなことがあった。


プティはウサギとかモルモットとかハムスターとか小動物を見て美味しそう

って言った。

だから観音さんは小動物は食べ物じゃないからって言ったんだけどプティは


「え?食べちゃダメなの???だってみんな一緒でしょ?」


「あのねプティ、こんな小さい動物食べちゃったら可哀想でしょ?」


「カノンちゃんだって食べてるじゃん、お魚とか、牛や豚や鶏とか

美味い美味いって食べてるじゃん」


「まあ、そう言われるとそうだけど・・・」

「たしかに理屈ではそうだけどウサギやモルモットは愛玩用だか食べちゃ

ダメなの」


「なんで?」


「なんでも・・・食べちゃいけないものは食べちゃダメなの」


この場合は観音さんの言い分が正しいのか、プティの言い分が正しいのか?

どちらも正しいのかもしれない。

小動物を食する文化の国もあるわけで・・・。


そもそも生き物を食べるって行為は人間が生きていくための手段だし、それも

厳密には食物連鎖・・・。

残酷か残酷じゃないかってことはそれぞれの主観だから。

だけど小動物を愛でるって感情も人間にはあってそれは必要。


まあプティは美味しそうって言っただけで本気で食べるつもりはなかった

みたいだけどね。

プティは考え方としては魔女よりなんだろうな。

魔女の考えてることは極端だったりするから人間には理解できないところ

があるみたいだね。


だから、その昔魔女を理解できない人たちによって魔女狩りなんてひど目に

あった歴史があるのかも・・・。


プティの観音さんに対する愛情も人間の女性が持つ感情より深いもの強いもの

かもしれない。

観音さんが気にいっちゃったってだけでプティはいきなり観音さんの彼女に

なったくらいだから・・・。


魔女は好きになった相手に心を許すと一生尽くすらしいしね。


とぅ〜び〜こんて乳。








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