第30話 バリックペペンに到着する
……
俺たち三人はバリックペペンに到着する。
バリックペペンは、パプテトロンに次ぐ大きい町で有り、王国軍の駐屯地も有る。
その為。バリックペペンにもゲートが有って、市街地に入るにはゲートを通る必要が有る。
定番の衛兵に身分証を見せる訳だが、此処は俺の名前より、リンの方が影響力が大きいのでリンを先頭にしてゲートに入る。
「其処の三人。停まりなさい!」
「……装備品からしてあなた達は、王国軍の者かな?」
衛兵の一人が澄ました表情で、リンに顔を向けて話し掛ける。
リンが先頭なので、衛兵は男性の俺では無くリンに話し掛けた。
リンは穏やかな表情で、衛兵に話し始める。
「はい。私は、王国軍白魔法使いで有る。ブルーレイ・リンです!」
「この町に有る、ペットショップに所用が有って来訪しました!!」
「……ブルーレイ・リン!」
「……もしかして……あの、ブルーレイ師団長の娘さんですか!?」
リン父親の知名度は抜群らしく、リンが名前を言うと、衛兵は偉そうな態度から態度を柔和させる!
今度からゲートを通る時はもう、リンを先頭で行こうと俺は素直に思った!///
リンは穏やかな表情で、衛兵に話し始める。
「はい…。私はブルーレイの娘です!」
「私も王国軍の兵士と成る道に進み……無事。白魔法使いと成りました」
「……そうですか……亡き師団長の娘さんは、立派な白魔法使いに為られましたか!」
「天国に居る師団長もさぞかしお喜びでしょう……///」
衛兵はしみじみした表情でリンに話す。
リンの父親は人望も有ったのだな!
前世界。何処かの国の総理なんて、人望は疎か政治力も無いからな!///
その癖。執着心と増税だけは人の倍以上有る!!
衛兵は頭を下げながら、リンに落ち着いた口調で話す。
「師団長の娘さん及び……そのお連れさんなら、尋問は不要です!」
「お通り下さい…!」
(何か……凄く悔しいな!///)
(身分の違いを、見せ付けられた感じだ!!///)
俺は心の中で思わず感じるが……これは前世界でも同じで有る。
権力の頂点者が一番偉く……平民でも、無職や子どもが一番低い地位と成る。
「~~~」
「……」
「……」
リンは和やかな表情。俺は少し不満顔。アスは澄ました表情でゲートを通り抜ける。
ゲートを通り抜けると、リンはその表情で俺に話し始める。
「スズヤ!」
「問題なく通れましたね!!」
「……うん。そうだね///」
俺は困った微笑み表情でリンに話す。
すると、アスが『やれやれ』の表情で一人しゃべりを始める。
「身分的にはスズヤさんの方が偉い筈ですのに、現実はリンさんの方が立場が上ですね…」←アスの中では
「やはり……リンさんのお父さんの影響力が、大きいのでしょうね…」
アスは、少し嫌みを含ませた口調で一人しゃべりをする。
アスの両親も王国軍の兵士だったと思うが、リンの父親程。知名度は高くないのだろう?
だが、リンはアスの嫌みを気にする事無く(?)、和やかな表情で俺に話し始める。
「スズヤ! ペットショップに入る前に、何処かで休憩でもしませんか?♪」
「少し椅子に座って、体を休めたいです!」
「……休憩か」
「うん……俺も小腹が空いているし、この町に飲食店でも有ると良いな!」
「………!」
俺も和やかな表情でリンに話す。
だが、アスは呆れた表情を見せる!
俺とリンは冒険をしている自覚が無いと、アスは思っているのだろう。
アスは真面目ちゃんだからな(汗)
……
バリックペペン市街地に入り、俺とリンを中心に飲食店を探しながら歩く。
アスも疲れている筈だろうが、意地を見せているのだろう?
パプテトロンの場合は、商業地域に飲食店が有る。
なので、バリックペペンの商業地域に向って、俺とリンが中心で飲食店を探す。
「うーん……王国二番目に大きい町の割りに、飲食店が中々見付かりませんね?」
「そんな訳は無いのですが……」
リンは不思議そうな表情をしながら、歩きながら一人しゃべりをする。
雑貨屋や衣料品店は有るが、飲食店は面白いほど無い?
リンの言葉の後。
アスは小馬鹿にした表情で、俺とリンに向けて話し始める。
「バリックペペンは大きい町ですが、この町には工業地域が有りませんし、メイン産業も一次産業が中心の町です」
「なので、飲食店が無いのも当然ですよ…!」
(地方都市だから、飲食店は無いとアスは言いたいのかな?)
(だけど、1~2件位の飲食店は有るだろう!)
俺は心の中で感じながらリンと一緒に飲食店を探す……すると、商業地域の外れに定食屋を感じさせる建物が目に飛び込んでくる!
俺は嬉しそうな表情で、リンに話し始める!!
「リン! あの店……飲食店では無いかな?」
「何故か異世界の癖に『お食事処』ののれんが出ているし!?」
「えっ……あれが飲食店なのですか。スズヤ?」
「『お食事処』の文字が、飲食店に成るのですか??」
けど、リンは怪訝な表情で俺に話す?
リンはお食事処の意味を知らないのか……
言われて見れば『お食事処』の言葉なんて、前世界の日本が中心だからな///
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