新しい冒険仲間?

第21話 俺も養護施設の一員 その1

 ……


 リンとアスが王国城で、補講や訓練を受けている中。

 俺は養護施設に入って、施設の食堂で室内遊びをしている、子どもたちの見守りを始める。


 本来なら、俺も自主鍛錬をするべき何だが、それをしてしまうと養護施設の運営に支障が出るので、俺は鍛錬より養護施設の運営を優先する。

 だが立って見守るの疲れるので、俺は食堂の椅子に座って、子どもたちの見守りをする。


「~~~♪」


「~~~」


「~~~///」


「きゃっ、きゃっ、―――」


「きゃっ、きゃっ、―――」


 子どもたちは絵本を読んだり、ボードゲームをしたり、子どもらしい会話をしている。

 ある子どもたちと遊んでも良いが、子どもたち全体を見守らなくては成らない。←なので、メルコのやり方は余り良くない///


(何か……保母さんの気分だな!)

(リンやアスも、こうやって見守りをしているのかな?)


 俺のメインは厨房業務で有るので、子どもたちの見守りは積極的にはしない。

 また、この施設は女子の割合が多いので、がこの様な事をしない方が良い?///


 前世界で有ったなら、勝手に大事へされるだろう!?///


(……そう言えば。魔王軍がパプテトロンに再侵攻を計画してるという割りには、全然攻めてくる気配が無いな……)

(先日。強硬偵察に来た大型コウモリを倒した以降……全くの動きが無い)


 俺は心の中で感じる。

 これは良い事で有るのだが、コハルの予想が外れたのだろうか?


(……だけど、その所為でまだ、その手当キランを貰っていないな!///)

(これだけ平穏なら、そろそろ終結宣言をナポレン王は出すべきだろう?///)


(と言っても、実績が大型コウモリ一羽では知れているか!///)


 俺が心の中で感じていると……前世界で言う。小学校低学年ぐらいの二人の女子が俺の側にやって来て、和やかな表情で話し始める。


「スズヤ先生!」

「私たちに絵本を読んで!!」


「……絵本?」

「うん、良いよ!」


 俺は和やかな表情で、二人の女子に向けて話す。

 子どもたちに絵本を読ませる……完全に保育の世界だな!///


「むかし、むかし、ある所に―――」


 俺は食堂のフローリングに移動して、二人の女子+@に絵本の読み聞かせを始める。

 絵本タイトルは割愛させて貰うが……正義のヒーローが出て来る絵本である!


 夕食作りの時間まで、俺は施設の食堂で子どもたちの見守りをしながら、絵本を読んだり、時にはトランプゲームに参加させられての……少しの非日常を楽しんだ。


 ☆


 夕食作りの時間が来たので、俺は施設の食堂から、教会側に備わっている厨房に移動をする。

 普段なら、リンが夕食作りの手伝いをしてくれるのだが、リンたちが王国城に行っている間は、リンの代わりにメルコが俺の補佐をする。


 子どもたち見守りの方はシスターがしてくれるので、メルコが厨房補佐をしても問題は無いし、俺たち三人が冒険に出ている間は、メルコに必ず厨房業務が付いて来るので、その慣熟訓練も兼ねている。


「スズヤ君~~♪」

「卵の方は溶けたよ~~♪」


 メルコが和やかな表情で、俺に話し掛ける。

 メルコにはポークピカタで使う。卵を溶いてもらった。


 俺も和やかな表情で、メルコに話し始める。


「なら、メルコ!」

「今度は豚肉ポークの方に下味と、軽く小麦粉を振っておいてくれ!!」


「うん。分かった~~♪」

「スズヤ君~~♪」


 メルコは笑顔で返事をする。

 メルコも料理は出来るそうなので、細かい事を言わなくても理解してくれる。


 メルコは豚肉に下味を付けながら、陽気な口調で俺に話し掛けてくる。


「スズヤ君!」

「私ね。スズヤ君とお料理をしている時が、一番楽しいと感じるんだ!!」


「? ……そうなの?」

「メルコ……」


 俺はメルコの言葉で、きょとんとした表情に成って、少し澄ました表情でメルコに尋ねる。

 けど、メルコは嬉しそうな表情で俺に話し始める。


「うん!」

「だって、お料理の時間なら、スズヤ君と一緒に居られるし、私もお料理は好きだから!!」


「へぇ~~」

「メルコも料理が好きなんだ……」


 俺は『知らなかった』の表情でメルコに話す。

 だって、そんな事をシスターやアスは、俺に一言も言わなかったからだ。

 

 メルコが料理好きなら、リンの代わりにメルコを使っても問題は無いし、リンの仕事は養護施設責任者に当たるから、その責任者に調理補助をさせるのは本来好ましくは無い?

 メルコは楽しそうな表情で、俺に言葉を続ける。


「だからね。スズヤ君が子ども食堂を開いた時は……是非の僕を、スタッフとして雇ってね!♪」

「僕を雇えば、商売繁盛間違い無しだよ!!♪」


「……」


(メルコは客じゃ無くて、スタッフで雇って欲しいのか?)

(メルコは大きい子どもの様な者だから(!?)、集客効果は抜群だろうが!?)


『ガチャ!』


 俺がそんな事を考えていると……厨房のドアがノック無しに開く。

 その後直ぐに、聞き慣れた二人の少女声が俺の耳に入ってくる。


「ただいま。スズヤ!」


「ただいま戻りました。スズヤさん!!」


「…………」


 リンとアスが王国城から帰って来た。

 だがその時。メルコは少し拗ねた表情を見せる!


 まさかだと思うが……メルコ。

 メルコも俺に気が有るのか!??

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