第17話 俺とリンは訓練に励む その3

 早々とカスタードプディングを食べ終えたコハルさんは、アイスティーを飲みながら、私に笑顔で話し始める。


「リンちゃん!」

「リンちゃんも……養護施設のお仕事が有るだろうから、このティータイムが終わったら今日の訓練は終了するけど良いかな?♪」


「はい……これで、本日は終了にしてくれますと、私は嬉しいです///」


 私は、恥ずかしい表情でコハルさんに話す。

 午後からのランニングは確かにキツかったが、時間で言えば実質一時間位しか走っていない。


 だけど、今日はこれぐらいで勘弁して欲しい///

 コハルさんは笑顔で、私に言葉を続ける。


「基本的に前半の一週間は体力作りが主だから、その辺は理解しておいてね♪」

「その代わりに、ココアちゃんの手作りお菓子を用意させるからさ!♪」


「わぁ!」

「ココアちゃんのお菓子の為なら、私は頑張ります!♪」


 私は期待を持った表情で、コハルさんに話す。

 体力作りは辛いけどが有るなら、何とか頑張る事が出来るからだ!


 その後は、コハルさんとティータイムを楽しみ、更にはお土産のお菓子も貰って、私は王国城から養護施設への帰路に就いた。


 ☆


 ……


 その日の夜……


 俺たち三人は、本日の業務終了後。

 厨房に集まって、俺とリンの訓練状況を報告し合う。


 その時にリンがコハルから、お土産で貰ったお菓子も開ける。

 ビスケットを油で揚げた菓子だそうだ。


 リンは確か……フライドビスケットとか、言っていた様な。

 飲み物に関しては、俺のポケットマネーで買った紅茶で有る。


「先ずは……俺から話そうか!」

「まず最初は、剣の試し切りから始まり、―――」


 俺は穏やかな表情でリンに話し始め、アスと一緒に王者の剣、完熟訓練の内容を話す。

 俺の話を聞き終えたリンは、和やかな表情で俺に話し始める。


「やっぱり、王者の剣は凄いですね!」

「早く、実戦で試してみたいですね!!♪」


 俺の報告の後は、リンが和やかな表情で報告し始める。

 俺とアスは、リンの報告を澄ました表情で聞き始めるが……


「―――ランニングは確かにキツかったですが、その後のティータイムでは、カスタードプディングが出まして、それがなんと―――」


「…………(汗)」


「…………///(汗)」


『……ゴクッ』


 リンは和やかな表情で、訓練内容を報告しているが、どうでも良い事まで報告してくれる。

 俺とアスは呆れた表情でリンの報告を聞いているが、カスタードプディングの部分では、アスが唾を飲み込んでいた!///


「―――そんな感じでした!」


 リンが和やかな表情で報告を終える。

 俺が話し出す前に、アスが呆れた表情でリンに話し始め出す。


「……リンさんの報告は分かりました」

「けど……余分な情報も多かったです///」


「でも、アスちゃん!」

「カスタードプディングは凄く美味しかったよ!!」


「はぁーー」


 アスの言葉の後。リンはアスの言葉を理解していないのか、嬉しそうな表情でアスに話す。

 その言葉で、アスは疲れた溜息を吐く。


(気持ちは分かるぞ……アス!)

(リンはホーリーフレアの習得訓練に行ったので有り、カスタードプディングを食べに行ったのでは無いからな///)


(でもカスタードプティングか……作ろうと思えば作れるよな!)

(あんなの混ぜて、器に入れて蒸せば、なんちゃてカスタードプディングは作れる!!)


 俺は心の中で感じる。

 俺も久しくカスタードプティングは食べていないが、カスタードプディングの話し部分を、アスが凄く羨ましそうに聞いていたのを見ている。


 アスは『やれやれ』の表情で、俺に話し始める。


「スズヤさんも聞いていました筈ですが、どう思います?」

「リンさんはどちらが真の目的で、王国城に行ったのでしょう…?」


「まぁ、まぁ……アス///」

「掻い摘まんで言えば、初日は問題なかっただ!」


「だろ。リン?」


 俺はなだめる表情でアスに話した後。リンに理解を求める表情で話す。

 リンは嬉しそうな表情で、俺に話し始める。


「はい、そうです。スズヤ!」


「もう……スズヤさんは、リンさんに甘いですね……///」


 アスは拗ねた表情で、俺に向けて呟く。

 俺は和やかな表情で、アスに話し始める。


「リンはそれだけ、プリンが食べられたのが嬉しかったのだよ!」


「スズヤ!」

「プリンでは無く、カスタードプディングです!!」


 リンが指摘する表情で俺に言う!

 リンは細かい少女だな!///


 俺は和やかな表情で、アスに言葉を続ける。


「それでな……アス!」

「俺も最近はプリンでは無く、カスタードプディングは食べていなくてな、オレ流ので良ければ今度食べて見ないか?」


「!!///」

「スズヤさんは、カスタードプディングを作れるのですか!?///」


 アスは非常に驚いた表情で俺に話す。

 この世界から見れば、驚かれて当然だろう。


 俺は和やかな表情でアスに話し始める。


「リンが食べたのと比べれば、足下にも及ばないと思うが、カスタードプディングに似た物は作れるぞ!」


「凄いです……スズヤさん!」

「灰魔法使いの上。料理は出来て、お菓子まで作れますとは……///」


 アスは羨望の眼差しで、俺を見ながら話す。

 リンは笑顔で、俺とアスの会話に入って来る。


「スズヤの作る、カスタードプディングですか♪」

「期待しちゃいます~~♪」


 俺がカスタードプティングを作る宣言をした事で、アスはリンへの敵意を無くして、リンはまたカスタードプティングが食べられる事で喜びを示す。

 やっぱり、食べ物の力は強いな……///

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