第16話 俺とリンは訓練に励む その2

「ふぅーーー」


『ゴロン』


 私は王国城内の中庭に到着して、其処に設置して有る東屋あずまやに駆け込む様に入る。

 私は女の子だけど、ベンチに直ぐ寝転がる。


「あーー。疲れた~~///」

「ランニングがこんなに辛い物だったとは~~///」


 私は疲れた表情で、一人しゃべりをする。

 コハルさんは私の真横で、困った笑顔で話し始める。


「あら、あら……私しか居ないから良いけど、少しリンちゃん!」

「スズヤが見たら、きっと幻滅するよ(笑)」


「スズヤはリンちゃんを、名家めいかのお嬢様と見ているからね!」

「それにショーツも見えているよ(苦笑)」


「でっ、でも、でも……コハルさん///」

「こんなに走ったのは、産まれて初めてですから!///」


「今はスズヤが居ないから良いのです!///」


 私は困った表情でコハルさんに話す。

 白魔法使いへ為る時は、こんな訓練は無かった。


(スズヤが見たら幻滅するか……いや、多分しないだろう!)

(幻滅するのはアスちゃんの方だと思う……///)


(あの子は、私より気丈な子だから///)

(スズヤは、私の事をどう見ているのだろう?///)


 私が心の中で感じていると、コハルさんは和やかな表情で私に話し始める。


「リンちゃん!」

「今。使いの者に、冷たい物と甘い物を持って来させる様に手配したから、しばらくしたら姿勢を正してね!!」


「リンちゃんは女性なんだから(笑)」


 私の周囲に使いの者なんて居ないが、コハルさんはそう言う。

 コハルさんはこの王国城の守り神で有るし、不思議な力をたくさん持っている。


 なので、その不思議な力で、コハルさん誰かにメッセージを送ったのだろう?


『スッ…』


 私はだらしない姿から、普通にベンチに座り直して、その状態で体を休ませていると、メイド服を着た私ぐらいの少女がトレイを両手に手に持って、私とコハルさんが居る東屋に近付いて来る。


 その少女は東屋に入って、東屋に設置して有るテーブルにトレイを置きながら、穏やかな表情でコハルさんに話し始める。


「コハルさん!」

「言われた物をお持ちしました!!」


「ありがとう。ココアちゃん!」

「あぁ、ついでだから、リンちゃんにも紹介しておくね!!」


「私の世話係である、ココアちゃん!」

「年は……リンちゃんの一歳下かな?♪」


 コハルさんはココアちゃんに笑顔で話し終えた後。その表情で私に話す。

 メイド服を着たココアちゃんは、セミロングヘアーの少女である。


(私の一歳下か……でも、身長は私と同じぐらいだし、私より気が強そうに見える?)

(……そして、美人だな///)


 私が心の中で感じていると、ココアちゃんは和やかな表情で私に話し始める。


「初めまして。リンさん!」

「コハルさんの世話係をさせてもらっている、ココアです」


「どうか、お見知りおきください」


『ペコリ』


「あぁ、こちらこそ……初めまして///」

「白魔法使いで有る、リンです///」


 私はかしこまった表情で、ココアちゃんに挨拶をする。

 私の年下になるから、其処まで丁寧しなくても良いが、ココアちゃんの礼儀正しさで思わずそうしてしまった///


 ココアちゃんはコハルさんと私に向けて、穏やかな表情で話し始める。


「では、失礼します!」

「コハルさん、リンさん!」


 その言葉で、ココアちゃんは東屋から離れていく。

 コハルさんは和やかな表情で、私に話し始める。


「リンちゃん!」

「ティタイムを始めようか!♪」


「……はい///」


 私は控えめな笑顔で、コハルさんに返事をする。

 コハルさんが用意させた物は、氷が入ったアイスティに……これはもしや、カスタードプディングで有った!!


「うぁ……コハルさん……これって、カスタードプディングですよね!?」


 私は、歓喜の表情でコハルさんに話す。

 カスタードプディングは昔。一度だけ食べた事が有る。


 それは……お父さんが師団長に就いた時。王国からプレゼントされた菓子で有った。

 牛乳や卵を原材料で作るらしいが、王国民が気軽に食べられる菓子では無い。


 コハルさんは嬉しそうな表情で、私に話し始める。


「そうだよ♪」

「リンちゃんはホーリーフレアを習得する、特別訓練を受講しているのだから、ティータイムに出すお菓子も特別にしたよ!♪」


「まぁ、後は食べながら話そうか!♪」


「はい♪」


 私は笑顔でコハルさんに返事をする。

 まさか、こんな所でカスタードプディングが食べられるとは、夢にも思っていなかった♪


 私とコハルさんは食事前の挨拶の後。

 私はスプーンを使って、カスタードプディングをすくって口に含む。


「うーん///」

「美味しい~~///」


「口の中でとろける~~♪///」


 私は至福の表情で呟く!

 前回食べた時よりも、今回のは更に美味しく感じる!!


 コハルさんも不思議な力でスプーンを操作して、カスタードプディングを食べている。

 コハルさんは笑顔で私に話し始める。


「リンちゃん!」

「このカスタードプディングは、ココアちゃんのお手製なんだよ♪」


「凄いですね。コハルさん!」

「ココアちゃんが、こんな美味しいカスタードプディングを作れるなんて!♪」


 私は感心した表情でコハルさんに話す。

 ココアちゃんは只の世話係では無く、スイーツも作れる世話係で有ったとは……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る