第15話 俺とリンは訓練に励む その1

『がや、がや、―――』


『がや、がや、―――』


 市場に着いた俺とアスは、市場で買い物を始める。

 ちなみに、今日のメインメニューはアスが望んだ。鶏肉団子が入ったトマトスープで有る。


 副菜もトマトスープに合う、副菜をアスが希望した。


「このスープは、フウゴルも好きだったスープでしたの!♪」

「隠し味に蜂蜜を入れるのが、ミソですよスズヤさん!!」


 と、笑顔でアスは俺に言う。

 さり気なく、隠し味で蜂蜜をアスは言ったから、今日作るトマトスープにも蜂蜜を入れるべき何だろう。


 鶏肉団子入りトマトスープは、前厨房担当者が良く出していたスープらしい。

 子どもたちの人気メニューで有ったらしいが、フウゴルが好物な言葉で、フウゴルが強請ねだっていた可能性も高い?


 普段のメニューは、俺とリンだけで決めてしまうので、子どもたちの希望を聞く時は少ない。

 アスから以前。とある一週間のメニュー表を貰ったが、あの時献立を考えていたのはシスターで有ったから、前厨房担当者が出していたメニューとは異なる。


 子どもたちはみんな、俺の作る料理は美味しいと言ってくれるが、子どもたちが希望するメニューをもっと聞くべきかと感じた。


 ……


 アスとの市場への買い出し後。

 屋外のとある場所で、俺はアスをパートナーに王者の剣の完熟訓練を始める。


 アスは和やかな表情で、俺に話し始める。


「スズヤさん!」

「試しに、この細い木を切ってみましょう!!」


 アスは、とある木に指を差しながら話す。

 敵意の無い野生動物を切る訳には行けないし、アスとかなんてで有る!///


 俺は王者の剣を両手に持ちながら、アスが指を差した木に向って切り付けに掛かる!


『スパン!』


『ドサッ…!』


 切れ味の良い包丁ごとく、木は簡単に切れて、切られた木は重量で地面に落ちる。

 それを見ていたアスは、嬉しそうな表情で俺に話し始める。


「想像以上に、良く切れる剣ですね!」

「これならオーク等も、楽に切れそうですね!!」


「あぁ……鋼の剣より楽に切れるよ。アス!」

「やはり、名前だけの剣で有るよ!!」


 俺は剣を見ながら、感心した表情でアスに向けて話す。

 王者の剣は重いのが難点で有るが、両手で持てば問題は無いし、攻撃は最大の防御でも有るからな?


 剣の試し切りの後は『ブランド』の魔法を使って、魔法剣を作る。

 俺は魔法を唱える体勢を作って、魔法を唱え始める。


「モージスク・スバッド ブランド」


『ゴオォォーー』


 俺が剣に向って魔法を唱えると、炎を纏った魔法剣が出来る。

 アスは少しはしゃいだ表情で、俺に話し始める。


「魔法剣の方も問題ない感じですね♪」

「これを木で試し切りしますと……森林火災に繋がりますから、確認だけで終えましょう!」


「分かった。アス!」

「ラリィデラ」


 俺は澄ました表情でアスに返事をした後。魔法剣解除の魔法を唱える。

 剣から炎が消えて、普通の剣に戻る。


「…………」


 俺は剣に戻った剣を、まじまじと見始める。


「鋼の剣と比べて刃先も厚いし、タングステン合金で有るから、見た目の変化は殆ど無いな…」


 俺は剣を見ながら呟く。

 アスも俺の側に近付いて、剣を見ながら穏やかな表情で俺に話し始める。


「魔法剣の方も問題ない感じですね!」

「後は時と場合に沿った、戦い方の研究ですね!!」


「だね。アス!」

「動物系魔物には、ブランドで魔法剣を作り等の研究を重ねれば、戦い方が楽になるね♪」


 俺は笑顔でアスに話す。

 俺は夕食作りの時間まで、アスをパートナーに、王者の剣を使いこなす完熟訓練に励んだ。


 ……


 その頃のリン……


「ひぃーー(汗)」


「疲れる~~(汗)」


 私はコハルさんの指導下で、ホーリーフレアを習得する訓練を現在している。

 だが、魔法を覚える前に待っていたのは、王国城周辺を走るランニングからで有った。


 おまけに日差しが一番強い。午後の時間帯からだ。

 午前中は、オリエンテーションで気楽だったのに!///


 休憩時間は有るけど、私はマラソン選手に成る訳では無いから、こんなに走らなくても良いのに///


「リンちゃん! もっと、キビキビ走る!!」

「そんなのじゃ、体力は付かないよ!!」


 コハルさんは笑顔で、私にヤジを飛ばしてくる!

 コハルさんは私と一緒に走っているのでは無く、不思議な力で胴体を浮かせながら私の真横を付いている。←なので、コハルは殆ど疲れていない


 私は疲れた表情で、コハルさんに話し掛ける。


「はぁ、はぁ……コハルさん……私、そろそろ限界です///」

「このままじゃ、倒れちゃいます……はぁ、はぁ///」


「んっ♪」

「まだ十代なのに、何言っているのリンちゃん!♪」


「アスちゃんも、これを受けていたんだよ!」

「私が指導官から聞いた話しでは、弱音は吐かなかったそうだよ♪」


 コハルさんは困った笑顔で私に話す。

 訓練が辛いなどの愚痴を、アスちゃんは一切こぼしていなかったが、私が知らない事でこんな事をしていたんだ///


「……しょうがないな!」

「初日だから、今日はここまでにするか!!」


「あそこの中庭まで走れば、終わって良いよ!」

「リンちゃん!!」


 コハルさんは困った笑顔で私に言う。

 やった……これで長かったランニングが、やっと終われる……

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