王者の剣と魔法剣

第11話 王者の剣が完成する!

 ……


 遂に、王者の剣が完成した。

 王者の剣は、タングステンを原材料で作られた剣で有る。


 但し、タングステン100%では無く、タングステン合金で有る。

 また、タングステンは衝撃に弱い物で有るが、耐衝撃性も克服しているそうだ!?


 タングステンは熱に強い金属で有るので『ブランド』の魔法をに掛けて、魔法剣化してもその熱量に十分には耐えられるし、電気抵抗も有るので『オスキャ』をに掛けて、帯電性を持たせた魔法剣を作る事も可能だ。←スズヤはオスキャをまだ未習得


 水にも強いので『イス』を王者の剣に掛けて、剣に吹雪をまとわせた魔法剣も作れるが……これは現実的に有効なんだろうか?

『ブランド』は炎の剣なので、相手を切りながら大火傷を負わしたり、焼く事が出来るし『オスキャ』も帯電性が有るので、相手を切りながら電気ショックを与える事が出来る。


 だが、俺はまだ『オスキャ』を習得していない。

『オスキャ』は『イス』と同じ様に自然を操る魔法で有るが『オスキャ』は難易度が高く、雷雲を呼び寄せてもいかずちを出すのはかなり難しい。


 これに関しては訓練では無く、黒魔法レベルが上がると使用可に成るらしい←アスからの話し

 リンやアスが高度な魔法を扱えるのは、素質も大事で有るが、やはり経験や実績が物を言う←二人とも数年以上の実務経験が有る///


 俺は、灰魔法使いに成ってから数ヶ月のレベルで有るし、訓練だけで覚えられる魔法なんて知れている上、高度な魔法は扱えないので魔法使いとしては微妙な立場だ///


 なので、王者の剣と言われる位の剣で有るのだが、この剣は凄く重たいらしい///

 鉄二倍以上の質量が有るから、片手では長時間は持てないし、重量の関係でより一回り小さくなる。


 だが重さは有るので、斧のように剣の重みで、魔物を押し切りやすくなるし、硬度も有るから鋼の剣では切りにくい、硬いうろこも王者の剣では理論上では切れるはずだ!

 そう言う事を含めて……王者の剣と、名が付いたのだろう?


 その王者の剣を今日。

 俺はリンとアスを連れて、コハルの元に受け取りへ行く……


 ☆


 俺たち三人は冒険に出る服装で、王国城に徒歩へ向う。

 俺は戦士の姿。リンは白魔法使いの姿。アスは黒魔法使いの姿で有る。


 もし、本格的な冒険に出る時は、RPGの様に馬車が欲しい物だ!


「これでやっと、スズヤは本当の灰魔法使いに為れますね♪」

「私は凄く嬉しいです!♪」


 道中。リンが嬉しそうな表情で俺に話し掛けてくる。

 俺は和やかな表情で、リンに話し始める。


「うん!」

「これで、俺は……正式な勇者に為れるのかな?♪」


「勇者ですか!♪ 良い響きですね。スズヤ!!♪」

「これで一気に、魔王退治が現実味を帯びてきましたね♪♪」


 リンは表情で俺に話す。 

 アスも立ち直り、魔王軍がパプテトロンの侵攻を再度計画しているそうだが、あの大型コウモリ以降は動きを全く見せていない。


 だが、リンは困った表情でリンに話し始める。


「リンさん……浮かれるの分かりますが、これから剣に慣れるのですし、それに王者の剣を使ってでの訓練をとしなくては成りません」

「また、魔法剣が常用出来る代わりに、魔物に合わした魔法剣の作り方や、スズヤさんの魔力限界値も調べる必要が有りますよ…」


(流石……この三人の中では一番秀才なアス!)

(アスは事前に調べていたのだろう……そうで無ければ、こんなにペラペラは喋れない)


「……アスちゃんは凄いです///」

「王者の剣をもらう前から、そんな先の事を考えていましたとは……」


 リンは、意表を突かれた表情でアスに話す。

 リンとアスは年齢が近いが、頭脳に関してはアスが上で有る。


 逆を言えば、リンが年齢のわりに幼い事に成ってしまうが///


 ☆


 俺たち三人は王国城に付いて、コハルの部屋は知っているので、俺たち三人は城内を歩いてコハルの部屋に向う。


「こんにちは! マユさん!!」


 コハルの部屋手前に有る、適正診断室の受付に座っているマユに、俺は笑顔で挨拶をする。

 マユも営業スマイルで、俺たち三人に話し始める。


「スズヤさん達、こんにちは! コハル様からお話は伺っております!!」

「コハル様は部屋でお待ちに成られていますので、そのまま部屋にお進み下さい!!」


「ありがとう。マユさん!」


 マユの言葉の後。俺はマユに笑顔で返事をして、後の二人はマユに会釈をして、コハルの部屋に向う。

 部屋のドア前に到着をして、俺が代表でドアをノックする。


『コン、コン』


「はーい♪」

「スズヤ達だね。どうぞ~~♪」


 声だけを聞いていれば、コハルの声は幼い少女声なのだが……これで大蛇で有るから本当にで有る。

 コハルの声が低音や深みの有る声なら、また認識が変わっただろう。


「…では、入ります。コハルさん!」


『ガチャ!』


 俺は落ち着いた口調で、部屋の中に居るコハルに向けて言った後。ドアを開けて室内に入る。

 俺の後をリン・アスが続いて入る。


『バタン!』


 アスが入ったタイミングで、ドアはコハルの不思議な力で勝手に閉まる。

 俺たち三人は、コハルの前に横並ぶと、コハルは何時も通りの笑顔で俺たち三人に向けて話し始めた。

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