第6話 最悪な事態 その1

 ……その頃のメルコ達


 僕はメルコ!

 僕は現在。養護施設の屋外広場でサツキちゃん達と遊んでいる。


 かけっこをしたり、かくれんぼをしたり、僕を含めて四人で遊んでいる。

 今日もお天気が良いから、外でと遊ばないとね♪


 スズヤ先生とリン先生はお城に行っていて、神父やシスターも商業地域に買い物へ出掛けている。

 アス先生は自室に居るけど……あっ、さっき教会に向って行くのを見たな。


 僕は、この子どもたちを纏める、副纏め役をもらった!

 本当の纏め役で有る、アス先生が教会に居るけど……アス先生は現在心の病気中だから、短い時間だけど僕が一番偉い人となる♪


 神父やシスターは、僕に留守番を任せるのを心配したけど、僕は『大丈夫!』と言い切って、神父やシスターを買い物に行かせた!

 僕だってアス先生の様に、子どもたちの面倒が見られるからね!!


 僕はサツキちゃん、ミクちゃん、ナツちゃんと楽しく遊んでいる。

 他の子どもたちは自室でお昼寝をしていたり、食堂でトランプ遊びや絵本を読んでいる。


 そして、僕は副纏め役で有るから、室内の状況も監視しないと行けない。


「じゃあ、僕は一旦。施設に戻るね!」

「後は三人で仲良く遊んでね♪」


『はーい。メルコ先生!』


 僕が和やかな表情で三人の子達に言うと、三人は笑顔で返してくれる。

 本当はもう少し、サツキちゃん達と遊びたかったけど、僕はその場から離れて……施設の正面ドアに手を掴んだ時……


「キャアァァーーー」


『バサ、バサ、―――』

『バサ、バサ、―――』


「キッキッキッ~~~」←コウモリの鳴き声


 ナツちゃんが、突然の悲鳴を上げる。

 僕は急いで振り返ると……大きなコウモリが突然。ナツちゃんに襲い掛かろうとしている。


「あれって……もしかして魔物!?」

「大変。直ぐに助けなくちゃ!///」


 僕は驚いた表情で一人しゃべりをしながら、養護施設の壁に立て掛けて有った、竹ぼうきを手に持って、大きなコウモリに向けて走りながら、威勢の良い表情で追い払い始める。


「じゃまだ~~。コウモリ!」

「あっち、いけ~~~!!」


『バサ、バサ、―――』


『ひょい』←竹ぼうきを避けるコウモリ


「キッキッキッ~~~」

「キッキッキッ~~~」


 だけど、大きなコウモリは僕の攻撃をたやすくかわす!

 しかし、僕は負けない。


『ばっ!』←ナツの前に立つメルコ


 僕はナツちゃんの前に立って、ナツちゃんを守ると同時に、大きなコウモリと対峙をする。


「私!///」

「アス先生を呼んでくる!//////」


『ダッ、―――』


 大きなコウモリから、一番遠くに離れていたミクちゃんが、険しい表情をしながら教会に走って行く。

 ミクちゃんも、アス先生が教会に行くのを見ていたようだ。


 サツキちゃんも無事に逃げられていて、ミクちゃんの後を追いかけて行った。

 アス先生が頼りになるかは分からないけど、それまでは僕が頑張らなくては……


「キキッ、キキッ、―――」


『ババッ、ババッ、―――』

『ババッ、ババッ、―――』


 大きなコウモリは一瞬僕を見た後。僕に目掛けて飛んで来た!!///

 僕に再度攻撃をする気か!


「この、この、―――///」


「キキッ、キキッ、―――」

「キキッ、キキッ、―――」


 僕は竹ぼうきを縦にして、大きなコウモリと応戦するが、大きなコウモリは諦める気配を見せない。

 僕なら勝てるとでも思っているのか、大きなコウモリ!(怒)


「えい!///」


『バチン』←ほうきがコウモリの羽の当たる音


「キッ!///」


 僕が振りかざした竹ぼうきが、大きなコウモリの羽に当たって、コウモリは驚きの声を上げる。


『ババッ、ババッ、―――』

『ババッ、ババッ、―――』


 大きなコウモリは一旦。僕達からの距離を開けるが……大きなコウモリは助走を付けた様に再度襲って来た!

 さっきより、スピードが速い!///


『ババッ、ババッ、―――』

『ババッ、ババッ、―――』


「キキッ、キキッ、―――」


「ガブッ……!」

「……ブチッ!!」


「うああぁぁぁ~~~!///」

「痛い~~~///(泣)」


『バタン!』


 大きなコウモリは僕の左太ももに噛み付き、引き千切るようにして、僕の肉をえぐる!///

 僕はその激痛と、抉られた部分から吹き出す血と、恐怖から一気に地面にしゃがみ込む。


「やっ、止めろ、……//////(泣)」

「もう、止めて……///(大泣)」


『バサ、バサ、―――』


「キキッ、キキッ、―――」

「キキッ、キキッ、―――」


『ガツ、ガツ、―――』

『ガリ、ガリ、―――』


 しゃがみ込んだ僕に、大きなコウモリは容赦無しに、僕に噛み付き攻撃をしたり、爪で引っ掻いてくる。

 僕は泣き顔で必死に攻撃へ耐えるが、大きなコウモリは攻撃を止めない。


 そして、さっき大きなコウモリに抉られた部分が凄く熱い……まじまじとは見られ無いけど、多分凄い事に成っているのだろう……


「~~~(泣)」


 ナツちゃんは恐怖の表情で、僕にしがみついている。

 僕がナツちゃんの盾に成っているから、ナツちゃんはまだ無傷だけど……このまま僕とナツちゃんは殺されてしまう……


 でも、僕はちゃんと……副纏め役のお仕事を守るよ。

 例え僕が死んでも……ナツちゃんだけは僕が守り切る!///


 だけど、僕のファーストキスを、スズヤ先生に上げたかったな……///

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