第1-2話:少女と青年と王様と

「通行人Aって、俺のことかよ。」


「その他にいるんであれば、病院へLet’s go!な事案だけど。」


バチバチ度30%ですね。静電気には気をつけましょう。


「というか何故、無視した。」


「だって、敵ワンパチして歌を口ずさんでんのに話しかけてくるなんてさ〜。」


「関係ないだろ。」


だんだん沸いてきてませんか?ところでお偉そうな、見る限り王様っぽい人がやってきた。


「ほらほらそこ。落ち着けぇぃ。」


「へっ?どちらさまこのモフモフキングさんは。」


ちょっとそこの女子ぃ〜。オブラートに包まんかい!


「ちょいちょい〜。この国章が目に入らぬかって!」


このおじいちゃん(王様な。)、絶対還暦フルスロットルなのになんだろう肘で小突いて。歳の差を感じさせない。


「綺麗だね〜。」


だめだ。この女子、脳が皆無。


「お前。誰に口聞いてるか分かってるのか?」


「まあまあ、落ち着きなさいよ。消しゴム自治国、MONO区の者男ものおくん。」


おっしゃ!そこの男子の名前分かった!ほんと名前が分からないと困るのよねこれがこれが。


「何故?」


「いや〜。だってわし、泣く子も(いい意味で)だまる(というか笑う)、ステーショナリー123世じゃよ。」


「だからといって、国民の名前を全て?」


者男、問ふ。まさか、本当に全員分覚えたりして。


「おぉ!あったりまえっての!」


わ〜。すげ〜人ここに在り。


「で、お前も名乗れ。」


まあ、こういう流れになりますよね。


「言うとでも思った?」


言えよ!そこの女子!


「ほら、王様!さっき俺を当てたやつで!」


「お、おう。う〜ん。あぁ!」


「分かったか!」


「まだ。」


ふざけなくていいから!こっちだって知りたいんですよ。


「わしをピンチから救ってくれて、ありがとう。シャーペン自治国の綴芯ていしんさん。にしてもお主、いい名前じゃのう。」


おぉ!これは近そう。


「えっ。誰?その綴芯さんって。」


おじいちゃん違うってよ。


「うそん。わしなりに努力したのに。」


「いや、さっきこいつボールペン振り回してただろ。」


もう!言ってくださいよ名前!こうなったら!おりゃ!


燐無りむ。」


「は?」


聞こえないなら、もっかい。どりゃ!


燐無りむだってば!同じこと何度も言わせないで!」


ふう。これで大丈夫と。


「何でこうも自分の口って滑るのかな?」


ふっふっふ。


「じゃあ、全員の名前が割れたし、王室にでも行くかの。」


「え?王様、いいんですか?」


者男に同じく。そんな王室ってたやすく入れるところじゃないっしょ。


「まあ。いいじゃろ。この国、テロが起こるほど、治安悪くないしの。」


では、いってらっしゃーい!(うん?さっき、襲われてたよね。)


「あれ?どうやってここにきたんじゃっけのう。」


「ちょっ。王様。王室は、1時の方向です。」


「うん?者男くん。1時?」


「あぁ、もう!こっちです!」


「すまん。助かる。」


なんだこの茶番。


「わー。コミカルー。」


コミカルなのか?

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