第5-1話:者男家

「ほー。ここが、消しゴム自治国の中心部?」


「そうだ。ここからMONO区役所の辺りまで歩く。」


また歩くんです?


「そんなに遠くない。」


各自治国の省庁の所在地が(ブランド)無所属だからってことですか。


「物分かりが良くて助かる。」

             ・・・

「とーちゃく!て、どこ?君ん家。」

「ここだ。」


と者男はしゃきーんとそびえ立つ建物を指差す。


「高っ!」


えー、手元の情報によりますと、者男家は区役所前にたたずむ高層マンション『MONOアーク』の最上階住み。しかも、このマンションの持ち主。


「なんか凄そう。」


ということで住居侵入します。


「犯罪みたいな言い方するな。」


ピッ


ほー。オートロックですか。(そりゃそうだろうけども。)


「セキュリティーはだいたい動脈認証システムが使われている。」


すげー。エントランス広いし、エレベータが3つも!?ここ高級ホテルの域なんだけど。


「乗るぞ。」


へーい。


ピンポン


「おかえり。今日は早かったわね。」


わ~、者男の母登場~。天然でした。


「あぁ、ちょっと、いろいろあってな。」


「何?いろいろって。」


「王室外周をしていたら、王様に会って、敵に襲われたのを、こいつに助けらre

て、王室に行くことになって、時間が進んで、タイマンで負けて、今日帰ってきた。」


「なるほど。ちょっとよく分かったけど、ちょっとよく分からなかったわ。」


「そうか。」


「まぁ、MONOの責任者として、おもてなしするわ。」


ゆっくりしていってね!(⑨⑨⑨)


「あら~。おたんこなすな精霊さんがいらっしゃったのね~。」


えぇ~。そちらこそ、野生の養殖だったりして~。


「まさか~。うふふふ~。」


あははははー。


「って、あいつは?」


どっか行ったんでしょ。


「じゃあ、今のうちにお菓子でも用意しておくわ。」


者男、まさか、毎日こんなよい暮らしを・・・。


「あぁ。何か問題でも?」


マンションの一室を買ってローンが終わらない庶民の気持ち考えろや!


「あのなぁ、文具連合王国は昔から持続可能な社会づくりをしてきたんだぞ。」


世界一貧しい大統領って知らないの?


「文具連合王国一貧しい王様は121世のことだ。月にy」


だから、そういうことじゃなくて。


「どういう事だ。」


君のお父さんとお母さんは、そういった問題に対して、真剣に向き合ってる。君は何かしてるの?


「俺はまだ未成年だ。まだ出来ることがない。」


あっそ。君は、ただ何かが起こるまで何もせずに座っとくんだね。


「チッ。」


「は~い、MONO区のお菓子、MONOマシュマロよ。白い方は、いつもの味。黒い方はチョコ味よ。って、あら?」


マ、マシュマロが消えている・・・。

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