第22話 ~乱闘其の弐~

皇帝エンペラーからは精鋭部隊何人出せる?」

俺が聞くと竹内が答える。


「喧嘩に特化してるのは向井を含め10人程度だ。皇帝エンペラーは規模がデカイ分それだけ戦争は起こしてこなかった。いつの間にか仲良しグループになっていったんだよ」


「相手は戦闘のプロなんだろ?他の部隊は大丈夫なのか?」

再び俺が問いかけると竹内が答える。


「正直辛いところもあるだろう。個々の喧嘩だけでいえば鬼没の方が上だ。神鬼没になっても武闘派で通してる位だから神鬼没と蒼龍会そうりゅうかいに期待したい。皇帝エンペラーは走りがメインだ。喧嘩に突出してるわけではない。みんなで仲良く走れればそれでいいと思ってる」


「いつから腑抜けになったんだよオメーは。昔はもっとイケイケだっただろう」

神埼が挑発する。しかし竹内も言う。


「俺は攻めるより守る立場の人間になったんだ。今は皇帝エンペラーを守れればいいと思ってる」


「昔のお前なら真っ先に戦場へ飛び込んで行ってたじゃねえか。総長って型にハマッちまったお前はもう戦えねぇし走れねぇ。俺は常に最前線に身を置いてきた。それは今でも同じだ。尾崎さんに拾ってもらってからも俺は変わらない。シャブを止めた位だ」

神埼が言う。


「まぁまぁ落ち着け。今は言い争ってる場合じゃないだろう。まずは悪魔サタンをどうするかだ」

俺は2人をなだめた。


「柏ぁお前は弱いけどカリスマ性だけはあるからな。せいぜい後方でキャンキャン吼えてろ」

神埼が柏を挑発した。


「神埼の言うとおりだ。ここにいるお前等に比べたら弱いかもしれない。しかしザコ相手に負ける気はしねえ。これでも神鬼没の頭だからな。メンバーの中じゃ神埼を除いて1番強いと思ってるよ。それは鬼没時代からかわらねえ」


「誰が強いかなんて今はいいじゃねえか。多分俺が最強だ!」

俺は言い放った。


「前回の戦いのときもお前は怯まなかった。それは強者だけが持つ自信なのかもしれん。万が一の時に動くって事はそういう事なんだろ?」

竹内が言った。


「あぁそうだ。正確に言えば俺は族じゃない。単なる一般人だ。ただ困ってる人間を無視する事はできないんだよ」


「さすが尾崎さん。弱いものも見放さないのは立派だと思います」

柏が俺を持ち上げる。


「お前はもう立派な暴走族の一員だよ。だからこの場に立って頂上会議にも参加してる。一般人なんかじゃない。本物の族だよ」

竹内がそう言った。


「たしかに神鬼没は俺の配下だ。だが矢面に立とうとは思わない。基本的に神鬼没の頭は柏だ」

俺がそういうと神埼が言った。


「俺は尾崎さんがいるから神鬼没に参加してるんだぜ。俺たちの間では尾崎さんはもうカリスマなんだよ」


「俺たちが引退する来年には引っ張ってく人がいない。尾崎さんこそ族の象徴みたいなもんなんですよ」

柏が言った。続けて神埼もこう言う。


「俺は引退なんてしねーぜ。スピードに魅せられちまってるからな。この先も俺は1人になるまで走り続ける。幽霊スペクターも若者ばかりじゃない。走り続ける意思があるから幽霊スペクターに残っててくれてるんだ。神鬼没になってもその精神は変わらねえよ」


「先の事なんてどうでもいい。今は土曜日に向けて俺たちが何を出来るかを話し合ってる場だろう?」

俺は言った。


「まずは目の前の壁を取り除かなくちゃいけないな。先の話はその後でも十分にできる。まずは悪魔サタンに勝つことだ」

竹内がそう言った。


「俺1人でも頭は取れるぜ。暴力団50人はやってみなくちゃわからんがな」

神埼は続ける。


「お前等は黙って見とくといい。常に最前列を走ってきた強さってやつを。強さでも走りでも負ける気はしねえ」


「柏ぁ。不本意かもしれんが今回は俺と竹内さんの護衛に回ってくれ。基本竹内さんの側にいるだけでいい」


「わかりました。今回護衛の任務引き受けましょう」


「神埼は前みたいに相手を殺そうとするまでやるなよ」


「ハイ。わかりました。気をつけます」


「戦力的にはこっちに分があるが質は向こうが上だと思え。日常的に喧嘩してる連中と仲良しグループでは戦力差があるから。今回は短期決戦だ。長引くと負ける可能性がある」

俺が言う。


「そうだな。一気に頭と暴力団を殲滅できるかにかかってるな」

竹内が言った。すると神埼が言い返す。


「頭なんぞ俺がすぐに取ってやる。やっかいなのは暴力団だ。頭がいないってのは殲滅させなきゃならんって事だからな」


「そこは蒼龍会そうりゅうかいに任せる。蒼龍会そうりゅうかいもプロだからな。簡単に負ける事は無いだろう。縄張りもかかってるしな」

俺がそういうと竹内が親衛隊を集める。柏も親衛隊を集めた。


「今度の決戦誰一人として俺たちに近づけさせるな!親衛隊の意地を見せろ!」

竹内がそう言うと、「「オッス!!」」と皇帝エンペラーのメンバーから帰ってきた。

柏も親衛隊に誰一人近づけさせるなというと「「オッス」」と神鬼没のメンバーから声が上がった。


「もう輪に戻っていいぞ」

そう竹内が言うと皆輪の中に入って行った。

柏が高橋と近藤を呼びに行く。

高橋と近藤が来ると一礼した。そして俺が言った。


「今回高橋と近藤は敵の頭を取りにいってもらうが、多分神埼が頭と勝負するから周囲の親衛隊排除が主な役割だ」

すると2人共「わかりました」と言う。


「輪に戻っていいぞ」

俺がそう言うと皇帝エンペラーと神鬼没の輪に中に戻って行った。


「作戦は以上だ、異論がある奴はいるか?」

俺がそう問いかけると皆異論はないと言った。


「親睦を深めるために走りに行くのはどうだ?」

俺は提案した。


「いい考えですね。一緒に走ればもっと仲良くなれますよ」

柏が言った。続けて竹内も言う。


「それはいいな。皆で走りに行くか」


「俺は好き放題走らせてもらいますよ」

神埼がそういうと俺が答えた。


「好きに走ってもらっていい。今日は敵味方関係無しだ」

竹内と柏がメンバーを集めると一気に大所帯になった。

これから走りにいく事を伝えたら皆大盛り上がりだった。


「土曜日に向けて気合いれろよお前等!」

竹内がそういうと皇帝エンペラーと神鬼没からも「「ウッス」」という声が聞こえてきた。

そして走り出す。これまでに無い規模で。

竹内は先頭を走っていた。

俺達リンカーンマークVは中番手に位置していた。

途中警察が出てきたが後方部隊が活躍してくれた。

そして国道を大所帯で走った。

幽霊スペクターはもの凄いスピードで駆け抜けて行った。

そして折り返して元幽霊スペクターに合流すると柏がホーンを鳴らした。

そして埠頭に戻る。


俺が竹内に話し合いの続きをさせろと指示すると、竹内が話し合いするように言った。

そしてまた話合いが行われた。


「基本竹内さんと柏はその場待機で抜けてきた奴がいたら柏が相手しろ。竹内さんはなるべく戦闘に参加しないように。そして神埼はまっすぐ頭の元へ向かって速やかに処分しろ。暴力団は基本蒼龍会そうりゅうかいに相手してもらう。」

各自頷く。


「心配しなくてもすぐに頭取ってみせますよ。どこから来ようがザコ相手に負ける気はしないんで」

神埼がそう言った。


「日常的に喧嘩してるような武闘派だ。悪魔サタンの総長もかなり強いはずだ。気を抜くなよ」

俺が言うと神埼が返す。


「前にも言いましたよね。数にモノを言わせてる奴等なんかに絶対ゼッテー負けないって。相手の総長がどんなもんか今から楽しみですよ」

神埼はワクワクしていた。強い者と戦えるという事で。

この男は定期的にストレス発散させないとヤバイな~とこの時思った。


「竹内さんも柏も頼むぞ」

俺がそう言うと竹内が言った。


「俺の元まで辿り着けるやつが居たら相手してやらんでもないがな」


「その前に俺が方付けるから心配すんなって」

柏が自信満々にそう言った。


柏はザコ丸出しだが俺が現れるまではこの街で3本の指に入ると言われた強さだ。

過剰に期待はできないが出来る限り応援してやりたいところだ。

竹内にタメ口で喋れるとはある程度の強さがないと出来ない事だ。

その時俺のPHSが鳴った。


相手は蒼龍会そうりゅうかいの若頭武本だった。


「さっきの話だが兵隊100名揃える事が出来た。時間は何時に何処へいけばいい?」


「今週の土曜21時30分に埠頭にお願いします。その頃には暴走族も集まっているので。」


「相手の暴力団は50名と言ったな」


「はい。そのように聞いています」


「我々が勝ったらその暴力団を傘下にしてもいいという条件で参戦してやる」


「構いませんよ。相手の暴力団は全て差し上げます」


「こっちも喧嘩のプロだ。暴走族共に負けないように伝えてくれ」


「はい。わかりました。ありがとうございます」


「俺も行くからな」


「心強いです。ありがとうございます」


「じゃあまた連絡するわ」


「はい。わかりました」

俺はPHSを切る。

蒼龍会そうりゅうかい100人用意出来たって、その代わり相手の暴力団をくれと言ってる。それで異論は無いな?」


「相手の暴力団になんて興味は無い。蒼龍会そうりゅうかいの好きに使ってもらって構わない」

竹内がそう答える。


「暴走族負けないように頑張れだってさ」

伝言を行った。


「必ず勝ってみせるさ。蒼龍会そうりゅうかいの顔に泥を塗るわけにはいかないからな。それに俺達もこの街を守りたいしな。悪魔サタンにもこちらが暴力団を用意してるということを伝えるぞ」

竹内が言った。続けて柏が言う。


「他の県からの喧嘩ならいつでも協力するぜ。いつまでも舐められっぱなしじゃ示しがつかんからな」

威勢だけはいいように感じた。次回も柏はボコボコにされると予想してみた。


「じゃあ今日はこれで解散だな」

竹内が言う。

柏が神鬼没のメンバーを集める。


「土曜日よろしく頼むぞ尾崎」

竹内に言われたが返す言葉はこれしかなかった。


「基本的に俺は何もしませんよ。よほどのピンチにならない限り動きません」


「お前のカリスマ性で皆の士気を高めてくれ」

竹内にそう言われた。


「カリスマ性なんて持ち合わせてないですよ」

俺は笑いながら言った。


「神埼も頼むぞ。頭を取ってくれ」

竹内がそういうと神埼が自信満々に言う。


悪魔サタンの頭が強かったらいいんだけどな~。どうせ相手にならんだろう」

この自信はどこからでてくるのか本当に謎な奴である。


「問題は親衛隊がどのくらいいるかだな」

神埼は言った。


「親衛隊の数はさほど多くないだろう。その分切り込み隊と特攻隊が多いはずだ。なんせ武闘派だからな」

竹内は言った。


「ならこちらの精鋭隊でなんとかなるだろう」

柏が言う。


「そうだな。こちらの精鋭隊もなるべく人数を集めるようにしよう。頭対策の為に」

竹内が言う。


「親衛隊もろとも全員ぶっ潰してやんぜ」

神埼が言った。


「少しは仲間を頼れ。個人で戦争するわけじゃねえんだ」

俺が神埼にそう言った。

神埼はニヤリと笑う。


「そんなもんわかってますよ。精々他のみんなには親衛隊除去の為頑張ってもらいますよ」

神埼はジェイソンに跨ると手を上げてから、猛スピードで走り去っていった。

柏と共にリンカーンマークVに乗ると竹内が近づいてきてこう言った。


「協力感謝する。尾崎が居なかったら先週も確実に皇帝エンペラーは負けていただろう。今回も礼を言いたい。」


「いいって。同じ街に住む者同士仲良くしようぜ」

俺はそう言った。


そしてリンカーンマークVは走り出し後ろに神鬼没がついて来た。

公園に戻るとすでに神埼が居た。


「よぅ遅かったな。タバコ2本も吸っちまったぜ」

どれだけ飛ばしてきたのだろう。気が狂ってるとしか思えない。

公園に戻ると神鬼没のメンバーはまだ興奮しているようだった。


レディース達も初めて皇帝エンペラーのメンバーと話せて楽しかったという会話が聞こえてくる。

俺は神鬼没の中心に立ちこういった。


「いつかは皇帝エンペラーと戦う事になるかもしれない。そこんとこ覚悟しとけよ」

メンバーからは「「ウッス」」という声が聞こえた。

柏に缶コーヒーを買ってこさせると輪の中に戻るよう指示した。

ブランコで時間潰ししてると綾が来た。


「今回もレディースはお留守番なのね。戦えるのに」


「人質にでも取られたら大変だ。だから今回も公園で俺達が帰ってくるのを待っててくれ」


「うん。わかった。怪我しないようにね」


「俺は基本的に参戦しない事になってるから怪我は多分しないよ。精鋭隊に高橋を任命したから高橋の心配をしてやって欲しい」


「でも日曜日のデート忘れないでね」


「あぁわかってる。必ず勝ってデートするよ。だから高橋の所に行ってあげな」

そう言って綾を送り出した。

そして裕子が来る。

「初めて皇帝エンペラーの人と話たけどいい人ばかりでビックリしたわ」


「仲良しグループって竹内が言ってたからな、みんな仲いいんだろ」


「今度2人でお食事でもいきましょ」


「あぁいいよ」


「土曜日怪我しないでね」


「俺は大丈夫だから柏の心配してやってくれ。重大な任務を与えたから」


「重大な任務?4人でヒソヒソ話してた時に?」


「まぁそうかな。とにかく柏を勇気付けてやれ」


「うん。わかった。またね」



そして俺は1人ブランコでコーヒーを飲んでいた。

今度は高橋と近藤がやってきた。


「お疲れ様です。頭取りに行くのうちらだけでいいんですか?」


「あぁ心配ない。神埼が多分頭倒してくれると思うから周りの親衛隊の処理を任せたい」


「わかりました。親衛隊共は処理します」

高橋が言った。


「頭取れそうなら取っちゃっていいですよね?」

自信有り気に近藤が言う。

「倒せるんだったら倒してもらいたい」


「わかりました。できるだけ頑張ります」

そう近藤が言ってきた。


「2人も輪の中に入って来い。高橋ぃ綾を頼むな」


「わかりました」

そう高橋がいって2人とも輪の中に入っていく。

今度は神埼が来た。


「本当に頭取っちゃいますよ? 尾崎さんの出番なくなっちゃいますよ?」


「俺の出番は必要ない。あくまで族同士の戦いだ。俺は族に入ったとは思ってない」


「もう神鬼没は尾崎さん無しじゃ成り立たないとこまできてるんですよ。自覚持って下さい」


「俺は影でいいよ。表の柏に全て任せてるから」


「尾崎さんを慕ってる奴がたくさんいるんですよ。元幽霊スペクターの連中なんてみんなそうですよ」


「褒めても何も出さないぞ。その言葉ありがたく受け取っておこう。土曜日は神埼にかかってるんだからな。そこんとこ忘れるなよ」


「わかってますって。頭なんて簡単に取ってみせますよ。問題は50人の暴力団相手にどう戦うかですが・・・・・・」


「そこは蒼龍会そうりゅうかいに全部任せようと思ってる。相手50人に対してこっちは100人用意してるからな」


「負けなければいいんですがちょっと不安が残りますね」


「相手もプロだ。そう簡単にやられはしないさ」


蒼龍会そうりゅうかいと顔合わせできればいいんですが」


「土曜日に顔合わせできるよ。心配する事は無い。俺も信頼してるから」


「尾崎さんがそう言うなら大丈夫ですね」


「神埼も輪の中に戻れレディースがお待ちかねだぞ」


「はい。わかりました」

そう言って神埼を送り出した。

次はレディース達が来た。


「次の戦争必ず勝って戻ってきて下さいね。あたし達待ってるんで」


「あぁ。それなら神鬼没の連中に言ってやってくれ。俺はほぼ部外者だからな」


「応援してます。頑張って下さい」

そういうとレディース達は戻って行った。

そしてコーヒーを飲んでると柏が迎えに来た。


「お待たせしました。さぁ帰りましょう」


「あぁ。帰ろうか」

そうしてリンカーンマークVの助手席に乗る。



「今度の相手強そうですね。勝てますかね」


「お前が弱気でどうする! 神鬼没の頭なんだからしっかりしろよ!」


「すみません。ちょっとビビッてる自分がいたもので」


「お前は今回護衛役だ戦う必要はほとんどない。包囲網を突破してきた奴等だけ方付ければそれでお前の仕事は終りだ」


「わかりました。竹内に近づけさせなければいいんですね?」


「そういう事だ。そう簡単に親衛隊も崩れないだろう」


皇帝エンペラーの親衛隊も居ますもんね」


「そういう事だから気を楽にしていいぞ」


「はい。わかりました」

そんな雑談をしていた。

そして家に着くと柏は帰って行った。



家に着くと原と真也が入ってきた。


「今度の戦争大丈夫かな」

原が言った。


「何でお前等俺と同じ時間に帰ってきてんの?」


「帰りは送ってもらえるんよ」

真也が言った。


「今度もお前達には活躍してもらうぞ」


「総長にもそう言われた」

真也が言う。


「切り込み隊長がやられたらシャレにならんぞ。気合入れて行けよ」


「うん。わかった」


「俺は総長達を守りきればいいんだよね?」

原が聞いてきた。


「お前等が盾になってる間にうちの神埼が頭を潰す。それまで耐えててくれ」


「わかったよ。誰一人近づけさせないようにするよ」


「俺は基本的に何もしないけどヤバくなったら前に出る予定だから」


「真吾に何かさせるわけにいかないからな。頭は皇帝エンペラーで取るよ」

真也が自信満々に言った。


「そうしてくれると助かる。基本的に相手の総長は神埼がやるから親衛隊をどうにかしてくれ」


「わかったよ親衛隊片付けたら頭狙いに行くね」

真也がそう答える。


「相手は武闘派だ。簡単に抜けられると思うなよ」


「総長から聞いた。個々が強いんだってね」

真也がそう問う。


「まぁ強さはやってみなくちゃ分からないけどな」


「真吾はなぜ表に出てこないの?」

原から質問が来た。


「俺は神鬼没の影だ。基本的に表には出ない」


「真吾が前に出たら戦力も格段に上がるのに」

真也が言った。


「俺は自分が族だとは思っていない。力は貸すがな」


「真吾はもう族長会議にも出席してるし、族のトップの一員だよ」

原が言った。


「仕方なく参加してるだけだ。俺の意思はそこにはない。まぁ2人共、夜遅いからもう帰れ」

そういって原と真也を窓から追い出した。

そしてシャワーを浴びて寝た。



翌日学校で戦争になるという話はもう広がっていた。


「ねえ。また県外からの暴走族と喧嘩するの?危ないからもう止めなよ」

あゆが心配そうに言ってくる。


「俺は戦争に行くが、参加するつもりはない。ピンチになったら別だけどな」


「問題起こさないでよね。真吾がいなくなったら委員長いなくなっちゃうじゃない」


「俺はいつでもここにいるよ。どこへも行ったりしない」


「今度の相手は強いってみんな噂してるわ。勝てるの?」


「相手は暴力団も出してくるみたいだからな。正直やってみなくちゃわからん」


「これでも心配してるんだからね」


「あぁ、その気持ちだけはありがたく受け取っておく。んが、逃げるわけにはいかねえんだ」


「暴走族なんてほっといて普通に高校生活楽しみなさいよ」


「それも有りだな。でも俺はもう戻れないんだ」

そしてホームルームのチャイムが鳴る。

出席を取ると俺はクッションを抱いて寝た。

そして昼休みになるとあゆにノートを借りて見た。

午後の授業は真面目に受けた。

授業が終わるとジムに行きトレーニングをして帰った。

その日、原と真也はこなかったので何事もなく過ごして寝た。



翌日柏が教室に入ってきて俺の前まで来た。



この後の展開などまだ俺は知らなかった。


Coming soon!!

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