第23話 ~乱闘其の参~

「竹内が皇帝エンペラー集めて緊急集会を開くと言ってます」


「じゃあ神鬼没も集めて埠頭に行くぞ」


「今日も族長で集まりたいと竹内が言ってます。どうしますか?」


「いいだろう。今日も行ってやる。何時だ?」


皇帝エンペラーは21時からの予定なんで、神鬼没には20時に集合をかけるんで、尾崎さんの家には19時30分に行きます。」


「おぅ! わかった」


「神埼には俺から連絡しておきます」


「わかったよ」

そうして俺はまた族長の集まりに出ることになった。


「もうそういうのやめなって。普通に高校生活送ればいいでしょ?」

あゆが言ってくる。


「そうはいかないよ。もう神鬼没とも皇帝エンペラーとも親しくなってしまったからな」


「まだ戻れるよ。危ない事はもうよしてよね」


「危ない事に首を突っ込むつもりは無い。今度の戦争だって俺は前に出ないからな」


「そうじゃなくて、暴走族とつるむのやめなよってこと」


「お前も子ギャル止めろと言っても続けるだろう?それと同じだ」

あゆは黙った。

そしてホームルームのチャイムが鳴る。

出席を取ると俺はクッションを抱いて爆睡した。

昼休み前に目が覚めてボーッとしていた。

昼休みにあゆにノートを借りて授業内容を覚える。

そしてあゆにノートをかえしてありがとうと言った。

午後からは普通に授業を受け、授業が全部終わる。

俺は学校帰りにジムに行き体を動かした。

そして日が暮れるとジムから帰った。



家に着くと原と真也が特攻服で待っていた。


「今日緊急集会があるんだって。何かなあ」

原が聞いてきた。


皇帝エンペラーと神鬼没の交流会だろう」


「明日戦争だからそれまでに仲良くなっておこうって事か」

真也が言った。


「お前等飯食ってくだろう?母さんに言っておいてやるよ」


「やった~」

原と真也が言う。

母さんに3人分の晩飯を注文した。

原と真也はゲームをしている。

しばらくするとご飯が出来たと言われた。

3人でリビングに行くと晩飯を食べた。

2人は無言でご飯を食べている。今日はハンバーグだ。


「ご馳走様でした」

原と真也がそういうと母親が言った。


「またいつでも食べにいらっしゃい。暴走族だからって危ない事しちゃだめよ」


「は~い」

原と真也が答える。

そして部屋に戻った。

部屋に戻ると原と真也はまたゲームを始めた。


よく飽きないな。そう思って大学受験のテキストを解いてた。


「俺は19時30分に家を出て行くがお前等は20時まで家にいていいぞ」

そう伝える。


「わかったよ。甘えさせてもらう」

原がそう言った。

しばらくして19時30分になった。

外からV8サウンドが聞こえる。柏が来た。


「俺もう出るからまた後でな」

そういって部屋を後にした。

外にでてリンカーンマークVに乗り込む。


「お疲れ様です。今日もよろしくお願いします」


「おぅ! 大丈夫だ」

そういうと公園に向かった。

俺は柏に缶コーヒーを買ってこさせると、1人ブランコに揺られていた。

すると綾がやってきた。


「今日は緊急集会なんだってね。何があるのかしら」


「ん~、分からないな。とりあえず行ってみないと」


「出発するまでお話しましょ。日曜日のデートの件忘れないでね」


そして時間になるまで綾と話していた。

20時40分になると柏が叫んだ。


「埠頭に移動だ~!」

そして柏が近づいてくる。


「お待たせしました。行きましょう。」

リンカーンマークVの助手席に乗る。

柏と雑談しつつ埠頭に着いた。

皇帝エンペラーも集まってるようだった。

竹内に皇帝エンペラーと神鬼没のグループを作るように言った。

竹内は各隊長に何かを渡してるようだった。

そして竹内に呼び出された。


また竹内、柏、神埼、俺の4人になった。

竹内が口を開く。


「ご注文の黄色い鉢巻は今渡してきた。これで敵味方区別が付くだろう」


「ありがとう。感謝するよ」

俺がそう言うと柏が口を開いた。


悪魔サタンが来るのついに明日なんだよな。」


「それまでに出来るだけ皇帝エンペラーと神鬼没の親交を深めたい」

竹内がそう言った。

神埼がタバコに火をつけ言った。


「何をビビッてるんだ。数だけだろう?」

竹内が重く口を開く。


「明日こっちが暴力団100名を用意したことを相手方に知らせたんだが、相手も暴力団100名と頭を用意すると言ってきた。戦力的には不利だ」


蒼龍会そうりゅうかいだってきっと強い奴等がウジャウジャ来る。若頭も参戦してくれるそうだ。会った感じ若頭は強そうだったぞ」


「暴力団は暴力団に任せて俺たちは族だけ相手してりゃいい。頭が来るんだったら逆に良かったじゃねえか」

神埼がそう言った。


「そうだな、頭さえ取ってしまえば楽になるだろう」

柏が言った。


「明日はいかに早く敵の頭を取れるかにかかっている。短期決戦だ、神埼頼むぞ」

俺はそう神埼に言った。


「多分5分もかからねえうちに頭取ってやんぜ」

神埼は自信満々にそう言った。


「頭取られた時点で負けだ。竹内さんも用心しといてくれ」

俺は竹内にそう言った。


「今回も親衛隊を分厚く展開している。敵の頭取る精鋭隊も用意した。準備に抜かりは無い。

竹内がそう言った。


「では今日は皇帝エンペラーと神鬼没の交流会って事でいいな?」

俺は聞いた。


「あぁ、そのつもりで今日は緊急集会を開いた。尾崎ぃ、お前なら神鬼没を引き連れてくると思ったぜ」

竹内が見透かしたようにそう言った。

竹内がタバコに火をつける。


皇帝エンペラーの精鋭隊はどんな構成だ?

俺が聞くと竹内が答える。


「切り込み隊から7名、特攻隊から3名、喧嘩の強い奴等を集めて構成してみた」


「神鬼没からは高橋、近藤、神埼の3名だから合計13人か。13人で親衛隊を相手できるか?」

俺はそう問うた。

すると竹内が言った。


「乱闘には基本特攻隊を出す。親衛隊崩しには積極的に切り込み隊を当てるようにしてる」


「わかった。それでいこう。んで明日は何時集合にする?」

俺が言った。


「明日は21時に埠頭に集まってもらいたい。」

竹内がそういうと柏が続けて言った。


「じゃあうちらは20時に公園に集まるか」

そうして神鬼没を集め、会議の結果を柏は伝えた。


「尾崎さんの家には19時30分に行きます」

そしてしばらく会議が続いた。


「明日は頼むぞ」

竹内が言う。


「全部俺に任せとけばいいんだよ。お前等は見てろ」

神埼がそう言った。


「じゃあ、今日はこれで解散な。睡眠も大事だし明日に備えてゆっくり眠ろう」

俺はそう言った。


「それもそうだな。たまにはゆっくり休む事も必要だ」

竹内が言う。

柏は神鬼没連中に声をかけた。

すると神鬼没が集まった。


「今日はここで解散だ。公園には戻らない」

そう柏が言った。

皆から返事が来た。



「「ウッス」」



「明日はお互い頑張ろう」

竹内が言うと神埼が答えた。

「勝負は一瞬でつくぜ。楽しみにしてろ」


そしてリンカーンマークVの元へ歩いていった。

神埼はジェイソンに乗りもの凄いスピードで帰って行った。

リンカーンマークVの助手席に乗り込むと柏が話しかけてきた。


「明日はよろしく頼みますよ」


「俺は基本的に何もしない。柏こそちゃんと士気を高めるんだぞ」


「わかっています。明日は頑張ります」

そして雑談しながら家の前に着いた。


「明日はよろしくお願いします」

そういって柏は帰って行った。

家に着くとシャワーに入りパジャマに着替えた。

すると原と真也がやってきた。


「明日はどうなるかドキドキするよ。相手は相当強いんだろ?」

原が言った。


黒鴉ブラッククロウとは比較にならないと思え。全員がうちらの隊長クラスだと思っていい」


「そんな奴等に勝てるのかな?」

真也が弱音を吐く。


「真也、お前が攻撃のかなめだ。切り込み隊長の意地を見せて貰うぞ」


「おぅ、わかったよ。明日は何が何でも頭を取りに行ってやる」

真也がそう言った。


「明日のために今日は早く寝ておけ。睡眠も大事だぞ。寝不足じゃ戦えないしな」

そういって2人を窓から追い出した。

俺の出番あるかな?そう思いつつベッドで爆睡した。



翌日10時頃に原と真也が来た。

もう特攻服だ。


「今日は何か嫌な予感がしたから少しでも気を紛らわせようかと思って」

原が言う。


「せっかくの土曜日だ。彼女とデートでもすればいいのに」


「今日はそういう気分じゃないんだよ。真吾と会って気合いれなきゃと思ってね」

真也が言った。


「気合入れるってどうせゲームするだけだろう?」


「まぁいつも通りの日常が送れればそれで安心する」

原が言う。


「コンビニ行って昼飯買ってきてやるよ。ちょっと待ってろ」

そういって俺は近くのローソンに行った。

そして3人分の弁当とデザートでアイスを買った。

家に戻ると、原と真也は熱心にゲームをやっていた。

その光景を眺めてると12時になった。


「昼飯食うぞ」

俺がそう言うと2人共弁当を食べた。


「お前等全然彼女とデートしてないだろう? 振られるぞ?」


「先週戦争でボコボコだったからね。彼女に会わす顔がないよ」

原がそう言った。


「そういう時こそ彼女を頼ればいいんじゃないか? 彼女ってそういうもんだろう?」


「俺は毎日学校で会ってたけどね」

真也が答える。


「真也はいいよ。同じ学校に彼女がいるんだから。俺なんて別々だからね」

原が悔しそうにそう言った。

そしてまたゲームに没頭した。

俺はその光景を眺めるしかなかった。


「真吾もたまにはゲームやろうよ」

原が誘ってくる。


「いや俺はゲームはもういいよ。お前等に勝てる気がしないし」

そう答えた。

そうこうしてる間に18時になった。


「お前等お腹減っただろ? 母さんに言ってやるから飯食えよ。腹が減っては戦は出来ぬというしな」

そして母さんに晩飯を3人前頼んだ。

そして30分後オムライスを母さんが持ってきてくれた。

2人ともペロリとたいらげると、ご馳走様と言った。

俺は食器をキッチンに持って行った。

原はゲーム、真也は漫画を読んでいた。

そうしてる間に19時30分になった。


「お前等はゆっくりしてていいぞ」

そういうと外からV8サウンドが聞こえてきた。


「今日は気合入れて行くよ」

真也がそう言った。


「俺も総長と真吾を守る」

原が意気込んでいた。


「じゃあ、また後でな」

そう言って俺は家を後にした。

リンカーンマークVに乗り込むと柏が言ってきた。


「今日もよろしくお願いします」


「おぅ! 心配ない。ってゆうかお前は陣頭指揮なんだからちゃんとやれよ」


「はい! わかってます」

そうして公園に着いた。

柏にコーラを買ってこさせると俺は1人ブランコに揺られていた。

20時が過ぎて神鬼没が集まってきた。

神埼が俺の前に来た。


「今日は頭取らせてもらいますよ。一瞬でケリをつけますんで見てて下さい」


「おぅ!神埼の働きには期待してるぞ」


「失礼します」


そういって神埼は神鬼没の輪の中に入っていった。

レディースは皆心配そうに神鬼没のメンバーに付き添っている。

今度は裕子が来た。


「今日の戦い怪我しないでね。正樹を守ってあげて」


「柏は陣頭指揮だから俺の側にいるはず。前みたいにボコボコにはならないさ」

そうして裕子と雑談してると20時40分になった。


柏が大声で叫ぶ。

「埠頭に移動だ!気合入れていけよ!」



「「ウッス」」



そう神鬼没のメンバーが返事をする。

柏が近づいてくる。


「お待たせしました。行きましょう」

そして俺はリンカーンマークVの助手席に乗り込む。

しばらく雑談してると埠頭に着いた。

竹内に皇帝エンペラーと神鬼没のグループを作るように指示した。

皇帝エンペラーのメンバーは全員特攻服に黄色い鉢巻をしていた。

これで敵味方が区別つくだろう。

竹内に呼ばれる。


竹内、柏、神埼、俺の4人になった。


「今日は来てくれて礼を言う」

竹内が言った。


「これから蒼龍会そうりゅうかいも来ますよ」

俺が言うと神埼も言った。


「族も暴力団も纏めて俺が取ってやるぜ」

神埼のテンションは高かった。

こういう時はヤバイような気がしてきた。


「神埼ぃ、相手を殺すなよ」


「ハイ!わかってます。そこそこに痛めつけて敗北宣言させます」


「頼んだぞ」

俺は神埼と会話した。


「俺と柏は陣頭指揮でいいんだよな?」

竹内が聞いてくる。


「あぁ、みんなの士気を高めてくれ。柏は竹内さんの護衛な」

俺がそう言うと柏が言った。


「任せて下さいよ。突破してきた奴等全員ボコボコにしてやりますよ」

そうこう話してる間に黒塗りのベンツとバンが入ってきた。

俺は黒塗りのベンツの所に駆け寄った。

中から武本が出てくる。


「武本さんお疲れ様です。今日はありがとうございます」

ジャケットを脱ぎベンツに放り投げると、スラックスにベストという服装になった。

そこに竹内が近寄ってきた。


「初めまして皇帝エンペラーの総長やってる竹内といいます。今日はありがとうございます」


「おぅ、お前が皇帝エンペラーの総長か。勝ったら相手の暴力団は貰うけどいいんだな」


「はい、相手の暴力団には興味ないんで、それとコレ使って下さい。敵味方を区別するための物です。」

そういうと竹内は黄色い鉢巻を渡した。


武本が若い衆に声をかけると鉢巻を配り始めた。

武本が若い衆に言った。


蒼龍会そうりゅうかいの名にかけて今日は負ける事は許さねえぞ! 気合入れろよ!」

若い衆は集まって黄色い鉢巻をする。



「「ウッス」」



と、若い衆から返事が来た。

武本に柏と神埼も紹介した。

柏はビビッてるようだった。


「柏正樹といいます。今日は宜しくお願いします」


「神埼だ、せいぜい足を引っ張らないようにしてくれ」

神埼は武本の前でも強気だった。


「武本竜也だ。今日はお前等の戦いを見せてもらうぞ。俺も前に出て相手の暴力団を潰す」

武本はそう言った。


「武本さん前に出なくても大丈夫じゃないですか?」

俺は言った。

「俺が真っ先に気合を見せることによって若い衆の士気が高まるんだよ。それに俺の周りには若い衆を集めてるしな」

そういってると埠頭にもの凄いバイクと車が来た。

悪魔サタンが来たのだ。

悪魔サタンの総長らしき男と暴力団の頭と思われる人物が前に出てきた。

「俺は悪魔サタンの総長だ。お前等は目障りなので今日をもって潰させてもらう」


「上等だ! 返り討ちにしてやんぜ!」

竹内がいう。

相手の暴力団の頭と思われる人物が口を開く。


「これはこれは蒼龍会そうりゅうかいではないか。この戦争で蒼龍会そうりゅうかいはうちの傘下に入ってもらうぞ」

武本が言う。


「それはこっちの台詞だ。これで蒼龍会そうりゅうかいはまた1つ大きくなれる」


総長と暴力団の頭が人混みに入っていくと、そっと手を上げた。

すると悪魔サタンが一斉に襲い掛かってきた。

竹内と柏が一斉に言った。


「行けぇ~!悪魔サタンを潰せ~!」

すると皇帝エンペラー、神鬼没共に一斉に動き出した。

そして武本も一喝する。



「行くぞ!相手の暴力団を全員潰すぞ!」

蒼龍会そうりゅうかいも一気に動き出した。

高橋、近藤、神埼と皇帝エンペラーの精鋭部隊が真っ直ぐ悪魔サタンの頭をめがけて行く。

蒼龍会そうりゅうかいの喧嘩も始まっていた。

武本は一瞬で数人を薙倒してゆく。

悪魔サタンの精鋭部隊もあっという間に竹内のもとへ辿り着いた。

悪魔サタンの精鋭部隊は俺の方にも来た。

柏が戦っている。でも押され気味だ。

俺の方に来た奴等は原が戻ってきて相手した。

しかし原は数人に取り囲まれあっという間にボコボコにされた。

俺の方に悪魔サタンの精鋭部隊が来る。



俺の前に3人の男が来た。

「ここで終りだな。余裕だぜ!」

そういうと3人が襲い掛かってきた。

俺は一瞬で3人をボコボコにした。

全然弱い。それが感想だった。

柏が押されていると竹内が助けに入った。

一瞬で5人を倒す竹内。

神崎達も周囲の敵を薙倒しながら悪魔サタンの頭の元へ向かっていく。



悪魔サタンの親衛隊にまで辿り着いた。神埼は圧倒的な強さで悪魔サタンの頭のもとへ辿り着く。

高橋と近藤は、親衛隊と戦っている。

皇帝エンペラーの精鋭部隊も悪魔サタンの親衛隊に苦戦している。

悪魔サタンの親衛隊もなかなか強かった。


一足先に蒼龍会そうりゅうかいの武本が相手の暴力団の頭のもとへ辿り着いた。


「こんなもんかよ。全然相手にならね~よ」

武本が相手に挑発して殴りかかる。

勝負は一瞬でついた。武本が圧勝した。

その頃、神埼も悪魔サタンの頭の元へ辿り着いた。


竹内の元へは続々と悪魔サタンの兵隊が辿り着いていた。


俺も竹内の側に寄り悪魔サタンの兵隊を蹴散らしていった。

神埼、頼むぞ。そう思った。


悪魔サタンの包囲網をかいくぐった神埼が総長の元へと辿り着いた。


「お前は今から終わる。俺を相手にしてひれ伏さない奴はいない」

悪魔サタンの総長がそういった。


「お前の方が終わるさ。所詮数に物を言わせる奴に俺は倒せねえよ」

そして悪魔サタンの総長と神埼の一騎打ちが始まった。

神埼は悪魔サタンの総長を一方的に蹂躙していく。

悪魔サタンの総長はハイになった神埼にボコボコにされてゆく。

迫り来る親衛隊も神埼の敵ではなかった。

悪魔サタンの総長は神埼にやられ地に伏した。

それでも神埼は攻撃をやめようとしない。


「俺達が悪かったもう許してくれ」

悪魔サタンの総長がそう言うが、ハイになった神埼の耳には届かなかった。

起こしては殴り、倒れたら蹴りを入れ続ける。

そんな場面が俺の目に飛び込み俺は戦争の中を駆け抜け、悪魔サタンの兵隊を薙倒しながら神崎のもとへと向かった。


「神埼そこまでだ!」

俺が神埼を止める。

するとボロボロになった悪魔サタンの総長への攻撃を止めた。


「それ以上やったら殺してしまうぞ」


「面目ないです」

神埼は言った。


「敗北宣言させますね」

神埼がそういうと悪魔サタンの総長の耳元で何か言った。

そして悪魔サタンの総長を立たせる。


「戦い止め!」

悪魔サタンの総長がそう叫んだ。

暴力団の方は蒼龍会そうりゅうかいが圧勝だった。

竹内も柏も言った。


「戦いは終わりだ!」

すると悪魔サタン達は戻って行った。

竹内が悪魔サタンの総長の前まできた。


「二度と喧嘩吹っかけて来るんじゃねえ! 次はこんなもんじゃ済まねえぞ!」

そして竹内は悪魔サタンの総長を殴った。

武本は暴力団を並べて頭と話し合いしてるようだ。

悪魔サタンの総長はこう言った。


「二度と喧嘩は売りません。今日の所は勘弁してください。すみませんでした」

俺は悪魔サタンの総長の電話番号を聞いた。

これで俺の配下がまた1つ増えた。

武本が話し終わったのかこちらに近づいてくる。


「こっちの話し合いは終わった。暴力団は蒼龍会そうりゅうかいの傘下に入る事となった。ありがとな、尾崎」

武本は傷1つ無くピンピンしていた。

相当強いのだろう。

蒼龍会そうりゅうかいのメンバーはボコボコになってるものもいたが、半数は無傷だった。

そして悪魔サタン達は逃げるように去って行った。


「相手にならんな。あれで暴力団を名乗ってるなど到底思えん。まぁ、これで蒼龍会そうりゅうかいもまた1つ大きくなれたわけだが」

武本がそう言う。


「今回はご協力ありがとうございました。この戦いに勝てたのは蒼龍会そうりゅうかいのおかげです」

竹内がそういう。


「お前達もボロボロになりながらよく頑張ったな。皇帝エンペラーの頭よ、竹内とかいったな。お前なかなか見所がある。就職先がなかったら蒼龍会そうりゅうかいに入るといい。歓迎するぞ」

武本がそういうと竹内が返す。


「俺があの蒼龍会そうりゅうかいに入れるなんて夢にも思ってません。冗談でも嬉しいです」


「それと神埼とか言ったな。お前は強い。お前も就職先が無かったら蒼龍会そうりゅうかいに入るといい。歓迎するぞ」

武本がそう言うと神埼が答えた。


「俺は走り屋です。暴力団に入る気はねえ。お言葉は嬉しいが断らせてもらう」


「そうか、残念だな。お前みたいな強い奴はいつでも大歓迎なんだがな。根性もありそうなのに」

武本が言った。

そして俺が口を開く。


「武本さん、今日はご協力感謝します。会長にもよろしくお伝え下さい」


「尾崎、お前は強いな。会長に報告させてもらおう」


そうして武本はベンツに戻りジャケットを着た。


「今日はこの辺で失礼するよ。またな、尾崎」

武本がそう言った。


「こちらこそお手数かけてすみませんでした。また何かあったらよろしくお願いします」

俺はお礼を言った。

そして武本は黒塗りのベンツに乗って帰って行った。兵隊を乗せたバンも後ろについて帰ってゆく。

蒼龍会そうりゅうかいを皆で見送ると竹内が口を開いた。



「勝利だ!よくやったお前達!」



「「うぉ~」」



そう歓喜した。

よく見るとみんなボコボコになっている。

またしても無傷だったのは竹内、神埼、俺だけだった。

原と真也が近づいてくる。

2人共ボコボコだ。

「守りきれなくてゴメン」

原がそう言ってきた。


「あんなザコ相手にやられるなんてまだまだだな。これから強くなるといい」


「うん、俺も鍛えて直して強くなるよ」


「相手の親衛隊が親衛隊とは思えない程強かった。俺も数人相手するのが精一杯だったよ」

真也がそう言ってきた。


「相手の親衛隊まで辿りついただけで十分だ」

俺は真也にそう声をかけた。


「ありがとうな尾崎、助かったよ。まさかあんなに抜けてくるとは思わなかった」

竹内がそう言う。


「まぁ、それだけ相手も強かったって事でしょう」

俺がそういうと神埼が言った。


「大したことねえな。全然相手にならない。普段から喧嘩してるならもっと強いと思ってたぜ」

神埼は頭1つ飛びぬけて強かった。

今回も神埼のおかげで勝利できたといっても過言ではないだろう。

俺が前に出ても勝てたとは思うが、やはり俺は裏方に徹するべきだろう。そう思った。


「公園に戻るぞ~!」

柏が叫んだ。

すると続々と移動を開始する神鬼没達。

神埼もジェイソンでもの凄いスピードで走り去って行った。

リンカーンマークVに乗ると竹内が近づいてきてこう言った。


「これからもこういう事があるかもしれない。その時は頼んだぞ」


「協力が必要な時は是非頼って下さい。同じ街に住んでるんですから」

そういうとリンカーンマークVが動き出した。

帰りの車内で俺はこう言った。


「神鬼没の頭やり続けるならもっと強くないと」


「面目ありません。返す言葉がないです」


「今度俺が直に鍛えてやるよ」


「お願いします」

そう雑談してると公園に着いた。

公園ではレディース達が待っていた。

そして神鬼没のメンバーに歩み寄るレディース達。

神鬼没もボコボコになっていた。

俺は柏に缶コーヒーを買ってこさせると1人でブランコに乗った。

神埼が近寄ってくる。


「今日も余裕でしたね。あの程度の奴、俺じゃなくても倒せますよ」


「いやいや、お前が強すぎるだけだから。あと加減しろっていったろ?」


「すみませんスイッチが入っちゃって止まらなくなっちゃいました」


「俺が止めなかったら相手を殺すまでやってただろう?」


「気をつけます」


「レディース達が待ってるぞ。行ってやれ」


「はい。行ってきます」

そうして神埼は神鬼没の輪に入りレディース達に囲まれていた。

そうして皆勝利の余韻に浸っていた。

時間が経ち柏が近寄ってくる。


「お送りします」


「おぅ! 頼むわ」

そして雑談を交えつつ家まで送ってもらった。

そしてシャワーを浴びてベッドに入った。

まだ嫌な予感は続いていた。




その予感が現実の物になろうとは思っていなかった。



Coming soon!!

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