第58話 パイタッチ
俺の名前は
だが、ただの高校二年生ではない。ある特殊能力がある。
それは半径一キロ以内にあるGカップのオッパイが分かるという、パイセンサーというものだ。
今のところこの能力の恩恵はあまり無い。だって仮にGカップ以上のオッパイが分かったところで、そのパイを揉める手段は無いし、揉めたとしても下手すれば少年院行き、せいぜいGカップのオッパイを拝みに行って悶々とするぐらいである。
しかし、下校中に不思議なことが起こった。
いつもの様にパイセンサーが反応したので、とりあえずその場所に行ってみると、そこは人気も無い路地裏で、パイセンサーが反応している場所は何も無い虚空であった。パイセンサーが狂ってしまったのだろうか?が、俺は一応パイセンサーの反応があるところに手を伸ばしてみた。
“ムニュ”
「えっ?ムニュ?」
何だこの柔らかい物体は?頭の中でこれに似た感覚を調べてみたが検索結果は何も出て来ず、ただただ困惑するばかりである。
“ムニュ”
「あ、あぁん」
揉んでいる方向から官能的な声が聞こえたかと思えば、何も無い虚空であった場所から、黒いレオタードのボンキュボンの口元を隠した美女が現れた。
背中に刀を背負っているので、ぶっちゃけ退魔忍みたいな外見である。
「き、貴様、どうして私の居る場所が分かった⁉」
俺の手を払いのけてキッと俺を睨め付ける。
「任務を終えて帰還するとこだったが、まさか貴様の様な輩に私の隠れ身の術が破られるとはな……さぁ、どうやって見破った?返答次第によっては斬る‼」
マジか、退魔忍に殺されちゃうのか……それもなんか悪く無いが、ここは生き残るために一芝居打つか。
「分かる、俺には貴様の居るところが手に取るように分かる。見たところ忍者のようだが大したこと無いな」
厳密に言えばオッパイの場所が分かるだけなのだが、それだとカッコ悪いので黙っておこう。
「な、なにを~、この雲隠れの里ナンバー1の実力を持つアサギリに向かって大したことないだと?……貴様殺されたいのか⁉」
煽り耐性ないし、名前まで退魔忍みたいじゃないか。
とアサギリが刀に手を掛けようとしたので、俺は再び煽ることにした。
「まぁ待て、ここでお前と殺し合いをするのも良いが、ここはかくれんぼで勝敗を決めないか?ここの周囲……そうだなぁ、広すぎると探すのが面倒だから半径一キロ圏内でお前が隠れる、そして俺が見つける、ルールはそんなもんだ」
「そんなまどろっこしいことしないでも、貴様を斬れば良いだけの話だ‼」
不味い不味い。オシッコちびりそうだが、ここは毅然とした態度で煽らなくては。
「あれ~?もしかして負けるのが怖いのか?アサギリちゃんは自信が無いから勝負出来ないのかなぁ~?」
これで勝負に乗って来なければ万事休すだが、どうだ?
「ムキ―‼調子に乗るな‼その勝負乗ったぞ‼」
チョロいじゃねぇか。あと現実でムキ―とか言う奴始めて見た。可愛いかよ。
怒ってアサギリのお胸がブルンブルン揺れたので、俺の相棒が反応。少し前屈みにならざるをえない。
「どうした?前傾姿勢になって?」
「い、いやなんでもない、それより勝負を始めよう」
「ふん、吠え面かくなよ」
一瞬にして姿が見えなくなったアサギリ。流石は忍者といったところだろうか?しかし俺のこのパイセンサーからは逃げられない。
“ムニュ”
「あん♪」
何度も何度も俺はパイセンサーを頼りにアサギリの胸を揉んだ。草むら、高架下、灯台、引きこもりの部屋、色んな所にアサギリは隠れたが、俺のパイセンサーからは逃れられない。
”ムニュ、ムニュ”
「あぁん♪……なぜ二回⁉」
十回目ともなると、アサギリの顔も紅潮し息も荒げていた。
俺も完全に前屈みになり股間を抑えるしかない。性に敏感な高校生だから仕方ないのである。
「はぁはぁ……おのれ、何故私の場所が分かるんだぁ……はぁはぁ」
「な、なぁ、もう良いだろ?まだやるにしても日を改めないか?」
「はぁはぁ……嫌だと言いたいところだが……こちらも事情が変わった……こんなに胸を揉まれてはな」
官能的な表情のアサギリ。なるほどこんなところまで退魔忍なワケか。理由はあえて聞くまい。
「はぁはぁ、だが覚えておけ‼次に会う時が貴様の最後だ‼ではサラバ‼」
再び一瞬にして消えてしまうアサギリ。すぐにパイセンサーからも反応がしなくなったので、一体どんなスピードで動いているのだろうか?やはりあの推定Jカップのロケットオッパイが推進力を出しているのだろうか?考えれば考える程にロマンがある。
また来ると言っていたが、俺にパイセンサーがある限り負けることは無いだろう。
さて、家まで持ちそうにない。俺は急いで公園のトイレに駆け込んだ。
仕方ないだろ?男の子なんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます