第18話 家事の分業
「源さんのところは凄いよね。旦那さんが家事を手伝ってくれるんでしょ?ウチの旦那なんて朝のゴミ捨てすら渋い顔するのよ。」
ママ友の中で一番の仲良しの白石さんが、カフェでのランチ中にそんなことを言い出した。へぇ、他の家ではそうなんだ。
「ウチは割かし何でも手伝ってくれますね。私が料理したら皿を洗ってくれますし、私が手が空いてない時は娘の相手もしてくれますし。」
「えぇ良いなぁ。他には?他には何かしてくれたりするの?」
「そうですねぇ。風呂掃除もしてくれますし、洗濯もたたむのを手伝ってくれます。彼、私の服だけたたんでくれるんです。」
「えぇ良い・・・ん?」
白石さんの顔が曇った。一体どうしたというのだろう?私何か変なことを言ったかしら。
「旦那さん、アナタの服をたたんでくれるの。」
「はい、私の服を。」
「もしかして、下着も?」
ぷっ、私は少し笑ってしまった。だってあまりにも白石さんがおかしなことを言うものだから。
「もちろんですよ。下着なんか真っ先にたたみます。」
「真っ先⁉真っ先なの⁉」
「えぇ、それはもう鼻息荒く、結構気合入った感じで。」
「・・・そ、そうなんだ。」
明らかに引きつった笑顔の白石さん。どうしたのかな体調が悪いのかな?
「大丈夫ですか白石さん?」
「え、えぇ・・・大丈夫よ。まぁ夫婦色々あるわよね。」
そうだ、洗濯物をたたむ話のついでに、あのことを相談しようかな。
「白石さん、旦那さんが嫁さんの下着被るのどう思います?伸びるからやめて欲しいですよね。」
「・・・へっ?源さんの旦那さん、アナタの下着被るの?」
「はい、勝負下着まで被るので大変なんです。でも彼、『世の中の旦那はみんなこうなんだ』って言ってて、でも勝負下着まで被るのはやめて欲しいですよね。」
「い、いや、流石に被るのは嘘でしょ。またまたぁ、源さんやめてよ。冗談にしてはちょっとヘビーだよ。」
「えっ?」
白石さんは何を言ってるんだろう?
私はスマホの画像から一枚の写真を白石さんに見せた。それは家族団らんの私の自撮りの写真。私と娘、そして私の黒のビキニタイプの下着を頭に被った、笑顔の旦那の姿が写っている。
「・・・。」
何故だか開いた口が塞がらない状態の白石さん。
私はどうして白石さんがこんなリアクションを取るのか意味が分からず、首を傾げた。
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