第22話
その剣は破滅の剣であった。
いかに大剣である破滅の剣といえど斬れない武器に初めて出会い、再び大剣を振ることに。
何度も振ってもナギナタで受け止める。
冷のナギナタは神物想像で作られた特殊な武器であり絶対に折れないという効果つきであったのは、オークは知る由もない。
大剣での攻撃から変える策に出た。
「剣が効かぬなら、これはどうかな。フレイムバーン!!」
猛烈な炎が手から発せられた。
冷は見たこともない攻撃に戸惑った。
火を使った修行は経験があるが、この炎の量と爆風はあり得ないし、とっさにナギナタで防ぐしかなかった。
「うわあああ!」
ナギナタを回転させ炎から身を守る動きで全身が焼けるのは逃れたが、かなりの火傷は負わされ、爆風で吹き飛ばされて壁に激突した。
しかし回転させた技は冷の直感でしたのだが、それが助けたわけで、冷の天才的な武術の成せることであった。
「ほう、これもしのぐか。褒めてやろう」
「ううううう……」
ここまでのダメージを追った戦いは初めての経験であった。
(ヤバイな、魔人って強いなあ)
壁に激突して動けなくなった冷に近寄ると、破滅の剣を刺しに行く。
苦しい状況に追いつめられた冷に、どこからか声が聞こえた気がした。
((冷よ、聞こえるか。わしはお前の先祖だ))
(先祖! ジイさんの遠いジイさんてことか?)
((ジイさんではない! 女だ。柳生家の血を引く者に勝てない相手はいないのだ。わしを信じろ))
(俺を応援しに来たんだな。わかったさ、俺は負けないさ、バアさん)
((バアさん、でもない!! とにかくお前なら勝てるとだけ言っておこう))
オークが直ぐ目の前まで接近していたところで、冷は脚力だけで飛び起きて蹴りを繰り出す。
「何! まだこんな力があったとは!」
蹴りを不意打ちでくらい、今度はオークが吹き飛ばされて壁に激突した。
(俺の蹴りが通用したぞ)
蹴りとはいえ、普通の蹴りではないのはオークが一番わかっていたて、死を感じる程の蹴りであった。
しかしオークはそこで起死回生で反撃する。
「ドラゴンブリザード!!」
熟練の冒険者しか使えない大技である。
会得すのに膨大な時間を要する。
人族では寿命に制限がかかりレベルを上げるのも限度があるが、魔人は寿命が長く数百年生きるのも珍しくないく、高レベルにすることが可能となった。
ドラゴンブリザードは氷が空気を引き裂くようにして冷を狙い迫る。
(今度は氷の攻撃か、色々忙しい野郎だな)
氷の塊は大きさは冷くらいの大きさで、直前に来たらナギナタで塊はを一撃。
まるで野球のバットでボールを打つのに似ていた。
まさかのナギナタで打ち返すというやり方にオークは予想もしていなかった。
「嘘だよな、ドラゴンブリザードを打ち返すなんて出来る者がいるわけないいいいい、ぐわああああ!」
氷の塊はオークに向かっていて、自分に跳ね返ってきたのはどうすることも出来いままぶつかった。
ドラゴンブリザードの効果は与えられた者は一瞬で全身を凍らせてしまう威力があり、オークが一番その凄さを知っていた。
オークの全身は見事に氷漬けとなり果てていた。
(見事なスウィングだったな、俺ってプロ野球でもいけそうだな〜)
柳生 冷
性別 男
種族 人族
ユニークスキル スキルストレージ
職業 無職狂戦士バーサーカー
レベル3101←1500アップ
体力 14009←7000アップ
攻撃力 14009←7000アップ
防御力 14009←7000アップ
魔力 14009←7000アップ
精神力 14009←7000アップ
素早さ 14009←7000アップ
剣術レベル 1339←480アップ
柔術レベル 1339←480アップ
槍術レベル 1339←480アップ
弓術レベル 1339←480アップ
斧術レベル 1339←480アップ
無職狂戦士レベル3101に上がりました
斬鉄斬りを覚えました
フレイムバーンを覚えました
ドラゴンブリザードを覚えました
破滅の剣を拾いました
魔族の鎧を拾いました
デビルブーツを拾いました
中級魔人を倒した事による経験値は、ケタ外れの多さで無職狂戦士レベルが3101 まで上がる。
さらに3つのスキルを覚え、収穫は大きかった。
(魔人を倒すと大幅にレベルが上がるようだな)
中級魔人オークを倒すとリリス達がどうしてるかが気になった。
(戦いに夢中になってて、リリスやミーコのこと忘れてた。早く行ってやろう。死んでないことを祈る)
冷は大急ぎで3人の居場所に向かった。
魔族等はまだ残党が散らばっていたので、拳を食らわす。
(ここらへんに居るはず……)
冷の予感は的中する。
「お〜〜い冷! ここだよ〜」
アリエルの声であった。
「おお〜生きてたか〜。良かった3人とも無事のようだな。もしかして死んだんじゃと……」
「そう簡単に死にますか。ただ危ない場面もあったけど、冷に教わったように戦い魔族を倒したわ」
「良くやったな。褒めてやろう!」
(こういう時は褒めてもいいだろう)
冷は3人の頭を撫でてあげる。
「でも服を脱がされたけどね……」
「なに!! ミーコ、それは本当か?」
「私とアリエルが脱がされてしまった。魔族ってエロいみたい」
「アリエルまでもか。許せないな魔族。俺以外にアリエルとミーコの裸をみるのは許せない」
(魔族の野郎、俺の大事な物に手を出しやがって)
「裸なんかいいからさ、重大なのは魔人なんだけどさ。オークは?」
リリスがアリエルとミーコを差し置いて言う。
「オークなら俺が倒した。強敵ではあったが倒せない相手ではなかった。君たちに頑張れとか言っておいて俺が死んだらダサいだろう。そこはキッチリと勝負をつけてきました」
「中級魔人を倒したと!!!やるなお前は!」
「町のみんなが避難してるだろ、だから早くオークを倒したと報告しないとな。みんな心配してるだろうし
」
「正直言って私は無理だと思ってましたのよね、中級魔人は下級とは段違いの強さであるから。それは神族としてわかっていたこと。残酷だけどそれでも冷に戦ってもらう必要があった。こんなに早く中級魔人と接するとは思ってなくて、勝てて良かったわ」
「アリエルは俺が中級魔人と戦うには早すぎるってか。残念ながら俺は違った。すでに中級魔人をもりょうがする程までに成長していたんだ。まあ俺の潜在能力が高いのもあるだろうがな」
(この世界に来た時点ではオークには勝てなかったよ)
「自分を褒めすぎるのが冷の弱点です」
「いいだろう勝ったんだからよ!」
ひとまず中級魔人オークを倒すのに成功し、ほっとした。
ピルトの町に戻ることに。
冒険者ギルドに到着後、生き残った人々がお酒を乾杯する。
「冷! よくぞオークを倒しました。私は死んだと心配したわ」
「心配しなくていいって言ったろ」
アリエルは嬉しそうに語ると、リリスとミーコも笑顔で迎えた。
オークに勝てて嬉しいが冷はひとつ気になることがあり、聞いてみたかったのがどこからともなく聞こえた声についてだ。
アリエルなら知ってると思えた。
「戦いの最中に変な声が聞こえた。俺のバアちゃんだと言ってた。幻覚だったにしてはリアルに感じた」
「あ、やっぱり」
「心当たりがあると」
「ナギナタを神物想像で造ったさいに、ついでと言ったら何だが冷の家系の死んだ古い魂を召喚して合成しておいた。まあサービスだな。普通はしないがここは一兆個の中で最悪の地だろ、ほんの少しサービスしておいた。きっとその声は家系の死んだ人だろう」
「魂を召喚してとかまでできるのか、でも死んだ人に見られてるようで気になるかもなあ」
改めてナギナタを見ると不思議な感じに思えた。
((気になるだと、まるでわしが邪魔くさいみたいじゃないか))
(いやいや、違うって。でもおかげで倒せたよ、バアちゃん)
((言ったろ、柳生一族には魔人をも倒せる力があると。それとそのバアちゃんは何とかしろ。困った時にまた会おう))
ナギナタに向きあって対話するのはな変な気もするが、感謝していた。
新たに仲間?を加えた冷と三人の女の子はギルドで恐ろしいことになっていた。
中級魔人をも倒したのが原因であった。
ユズハ店員が冷に声をかける。
「冷さん!!!!!!!今回の活躍はどう受け取っていいのかわからない程の衝撃的な事件です。あの中級魔人であるオークを倒した件は王都に報告しました。王都も度肝を抜かれるでしょう。大事件です」
「そんな大事件起こしたつもりはないんだけどなあ」
「ピルトの犠牲者は中級冒険者が数名程度で済みました。人々は無傷でしたのは正に奇跡といっていいですよ。皆さん冷さんに大変な感謝をしてます」
「いやいや照れるから」
「もちろんオークを倒した分の報酬は出ます。王都から報酬が出るでしょう。何しろ王都でも中級魔人は手を焼いてまして、恐れていましたから」
「報酬は嬉しいです。他にも中級魔人は暴れてるのですか」
「はい、下級魔人は倒せても中級魔人は倒すのは困難です。他の中級魔人の動きが不気味ですが冷さんがいてくれれば安心です」
「任せてください、俺なら町の為に体を張ってまもりますから!!!」
(ユズハさんに褒めてもらえるなら、どんな魔物でもかかってこい)
ギルド内にいる全ての人に聞こえる声で宣言したのだが、本人はというと別の事を考えていたのは実は知られていなくて、それは。
(奴隷商館のネイルちゃんを守るためなら、俺は頑張るぞ〜〜〜)
この調子である。
これが中級魔人から救世主だとは、正直困ったものである。
「なんて、頼もしいの!!」
ユズハ店員は冷に笑顔でウインクした。
ウインクされた方はあまりの可愛さで心臓が一瞬止まった。
(危ねえ、心臓止まったぞ今の。こりゃ店員さんの方が魔人より危険だな〜〜〜〜)
「おいアレが冷だそうだぜ。なんたってオークを倒したらしい。オークもだがそれ以上に化け物だぜ」
「逆らったら終わりだろう。殺されるぜ」
冒険者ギルドに居合わせた冒険者は冷の活躍っぷりを会話する。
まだ新人なのに中級魔人を倒した結果に驚がくした。
「それだけじゃない、隣にいる女の子も普通の女の子じゃねえ」
「誰なんだよ」
「アリエルってのは何と神族の女神らしい」
「なに!!! あの女神が……………どうしてここに!」
「そしてリリスってのは魔族で淫魔だとか」
「はああああっ!!!」
「そして背の低いのがいるだろ。アレが勇者の血を引く者らしい」
「なんだそのメンバーは。確かに普通のメンバーではないくらいレアだな」
冒険者らは冷のメンバー全員をみて末恐ろしくなっていた。
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