第19話
さらに冷はスキルである毒耐性を持っていたので、完全に毒の攻撃を克服してしまった。
[毒耐性]
毒の攻撃を弱める。
致命傷を防げる。
普通の人間では毒耐性をマスターするには覚悟がいる。
誰でも直ぐに使えるスキルではない。
膨大な毒を入れ続けて来た冷には毒の吐き出しと、耐性をミックスさせたのだった。
(毒は回ってないぞ。俺には二度同じ効果は効かない!)
ウッドポイズンの攻撃のパターンを読んだ冷は樹木部分をナギナタで叩き倒した。
さらにウッドポイズンは森に大量発生する場所を発見したら、猛烈に突っ込んで行きウッドポイズンの大量伐採となった。
狂ったようにナギナタを振り回した結果、森の木々は全滅し森林破壊したような状態にしてしまうと、冷は振り返り思う。
(ちょっと、やりすぎたかな〜〜〜)
やり過ぎたのは理由があり、今日1日で最低でも200万マリ分の素材を集めるつもりであった。
いつもと違い魔物が出現する限り倒したのであり、ネイルを欲しさにした冷の強欲さのなせる結果である。
(ネイルちゃん、待っててね〜〜〜〜〜〜)
そこへアリエルらが追いつきウッドポイズンが大量伐採されたのをみて、がく然となる。
「もしかしてこれ全部冷が倒したの?」
「うん。君達が来るの遅いから俺だけで倒した。いつもよりも多かったかなあ〜」
「多いなんてもんじゃないように見えます。それと素材を収集するのは私達なんです。こんなにもあったら持ち帰れません」
「……俺も手伝いますアリエル。何しろ資金がいるもんで、つい」
「ついって感じじゃないですが」
柳生 冷
性別 男
種族 人族
ユニークスキル スキルストレージ
職業 無職狂戦士バーサーカー
レベル1601←400アップ
体力 7009←2300アップ
攻撃力 7009←2300アップ
防御力 7009←2300アップ
魔力 7009←2300アップ
精神力 7009←2300アップ
素早さ 7009←2300アップ
剣術レベル 859←160アップ
柔術レベル 859←160アップ
槍術レベル 859←160アップ
弓術レベル 859←160アップ
斧術レベル 859←160アップ
闇の毒を覚えました。
無職狂戦士レベルが前回よりも400上がっていた。
それだけ頑張ったという証拠でもある。
闇の毒のスキルを覚えたがこれは特殊なスキルで冷が毒をしようするのは困難でありそうだ。
素材の収集をして町に持ち帰る作業は、アリエルの言うとおり1回では終わらず3往復して全部の素材を運び終えた。
やっとのことで冒険者ギルドに持ち込むと予想以上に驚かれた。
「れ、れ、れ、冷さん、ちょっとこれは。私は夢でも見てるのかな。最近疲れてるし」
「いいえ。夢じゃないです。全部俺が倒した分。マリに交換頼むよ」
「はい…………10万マリで交換します」
「10万か。とても800万には届かないなあ」
「10万でも超人的ですが」
ギルド店内は静寂に包まれる。
常識を超えた分量の素材の物量にである。
しかも俺が倒したと言ったのにも信じられない言葉であったのは、ウッドポイズンは決して大量に倒せる相手ではないのが冒険者の常識だからでである。
この少年はいったい何なんだと、興味があるのを超えて恐怖すら感じる。
「あの少年は化け物じみてるな。目があったら殺されるぞ」
「噂では魔王を倒すのを目的としてるらしいぜ」
「魔王だと!!!」
「ばか、声がデカイ。でもあの少年がどれだけ強くても魔王、それに配下の魔人らには勝てるかどうか。勝てるならこの世界にも平和が来るのだけどな」
冒険者らは冷の強さを信じはじめていて、魔人らから平和を取り戻してくれると期待していたのである。
それだけ世界はいま魔人に苦しめられているとも言えた。
まるで救世主のように見えたのだ。
ひとりガックリする冷と仲間達は宿屋に入る。
もう宿屋からもおなじみになり、店員とも親しくなっていた。
それは冷が泊まっている宿屋と知れ渡り、珍しい客が増えたから宿屋側も嬉しいのであった。
部屋にはいつもと違いテンション低めの冷。
アリエルは心配になっていて、毎晩のように宿屋では冷から恥ずかしめにあわされていたのが、今日はそんな雰囲気じゃないからだ。
奴隷商館の件が冷のテンションを低い状態にしていると伝わった。
アリエルは落ち込み気味の冷にあえて声をかけず、そっとしておく。
その晩はヤケに静かなので宿屋側も不思議に思った。
冷達が宿屋で寝静まっている頃。
町は静かに夜を迎えていた。
冷が魔物を大量に狩るので町の周辺は魔物の数が減り治安が良くなっていた。
しかしいっけん平和が訪れていた町にも暗い影が近づいていたのは、誰も知らない。
冷がいるピルトの町の隣の町、ガフの町。
ガフはピルトと大きさや人口も似ていて平和な町でも知られていた。
王都という国の首都からは離れていて、いわゆる田舎町である。
その田舎町ガフにある一行が訪れたのが、ことの始まりである。
その中心メンバーでありリーダーであるのが魔人オーク。
魔人は魔物より知性があり魔族である。
魔族の中でも特別な強さなのが魔人として呼ばれるようになったのであった。
魔人は現在複数人存在しており、この世界を魔族の支配下に置くことを使命としていた。
冷が倒したリザードマンは中でも下級魔人であり、数はかなり生息している。
一方中級となると数は大幅に減り10人以下いると国が指定していた。
さらに上級魔人となると人数は減り数人が確認されている。
中級魔人オークは配下の魔族を連れてガフの町に入ると、町の人々は恐怖で震撼した。
「オーク様、ここがガフの町です」
「まずは食料と女を奪え。女は殺すな。男は全員殺していいぞ」
「はい、オーク様。好きにさせてもらいますぜ!」
オークは王都から発表されている中級魔人のひとりであり、危険視された魔人である。
王都の騎士団でも歯が立たないと言われる程であった。
姿は半分は人間と似てはいるが、半分は不気味な魔族の姿をしていて恐怖をあおった。
またたく間に避難の指示が冒険者ギルドから発表されて人々は逃げるのであった。
しかし逃げるのも限界があり多くの女は配下の魔族に捕まってしまう。
冒険者ギルドはどうしたらいいのか途方に暮れる。
「聞いてないぜオークが現れるなんて!」
「戦うしかない。王都に応援を要請してる時間など無い!」
「オークさえ倒せれば、残りの魔族は倒せると思う!」
「町の冒険者を全て集めてオークを倒すんだ!!!」
冒険者ギルドでは逃げる選択肢は排除して、打倒するのを決定した。
冒険者は武器を持って魔族らと激しく戦う。
女を連れ戻すために必死であった。
その努力の結果、配下の魔族はかなりの犠牲者を出して冒険者側と拮抗する。
「よし、魔族は半分は殺したぞーー」
「あと少しで魔族を追い払える。頑張れ!」
冒険者達は頑張った。
特にクエストランクの上位に位置する冒険者の活躍が光った。
しかし冒険者の応戦もオークは余裕の表情で見ていた。
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