第16話 ロッククライミング協会

マイナス30℃の極寒冷地帯では、〝ゴーゴーヒューヒュー〟凄まじい風斬り音のブリザードが吹き荒れる…惑星の心臓部まで永遠に続く直径1,000mの柱がそびえ立っている。

柱の周りを、とり囲むように9,000m級の山岳地帯が辺り一面広がっている。

底なしのクレパスがあちこちに不気味な口を開けている。

厚さ3,000mの氷の大地は海岸まで続いている。

氷山が崩れると〝ドーン〟と爆音を轟かせて海水面が大きく波打つ。

氷の大地には親シロクマが漁のやり方を子シロクマに教えている。

海岸はペンギンが群れで、スイスイ泳いでいる。

イルカも群れで泳いでいる。

マイナス90℃まで耐える極寒冷モードを起動させたスーツで標高9,000mの山頂を目指しているロッククライミング団体がいる。

ロッククライミング協会は絶大な人気で会員は3,000万人を超えている。

協会は北極派と南極派に分かれて活動しているが、4年に一度、北極派と南極派のトップアスリート世界一を決める大会が開催される。

今大会の本戦開催は南極だった。

大会期間は10日間で、大会本戦初日の3日前から三日三晩は、北極派と南極派がお互いに素晴らしい光景やベスト記録などを披露する自慢大会が繰り広げられる。

会員は普段は、分かれて活動している北極派と南極派の違う極派の中継で、4年に一度の出会いの場出もある。

…ある大会3日目のこと…

『久しぶり!元気にしてたか?』とチェスター・ベケット

3D画像のピーター・バーナードがチェスターのソファに座って話しかけている。

『ああ義兄さん』とピーター

3D画像のチェスターもピーターのソファに座って話しかけている。

『キャサリンは何日目の登頂になる?』と、チェスター

キャサリン・バーナードはピーターの妹だ。

『南極大会予選2位通過だったから最終日だよ。』ピーター

『どころで義兄さんは?』と、ピーター

『北極大会予選1位通過だよ。』と誇らしげに話すチェスター

『君たち兄妹は凄いや!兄妹対決になりそうだね。』と、両手を広げて話すピーター

『ピーターのおかげだよ。』と、チェスター

『キャサリンはクライミングのこと以外何も出来ないから。』と、首をかしげるチェスター。

『そんなこと器にしていないよ。』と、ピーター

『義兄さんに似て優しい人だよ。一緒にいると楽しいよ。』と、ピーター

『そう言ってもらえると嬉しいよ。』と、チェスター

『山岳地帯のふもとの街に引っ越しするって言ってたけど。』とチェスター

『大会終了後に引っ越す予定で、申請出しているよ。』と、3D画像のキャサリンが現れ、ピーターと目を合わせてから、手を繋ぐ。

『本当に仲が良いなー』と、チェスター

『義兄さん、引っ越したら一度おいでよ。』と、ピーターとキャサリン

『大会が終わったら、引っ越し手伝いに行くよ。』と、チェスター

『有難う!じゃあね。』とピーターとキャサリン

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る