第15話恐竜保護地区
広大な恐竜保護地区は平和の象徴だ。
地上30m付近まで伸びた濃い緑のシダや背の高い針葉樹のある広大な森には、かつての地球の白亜紀の大型恐竜・アルゼンティノサウルス・竜脚類が辺り一面にドン…ドン…地響きをたてながら、ゆっくり歩いている。
今日は砂漠地帯から、ご馳走のシダを食べに遠征している。
上空にはプテラノドン・翼竜が幅7mもの翼を広げて滑空している。
後頭部の、とさかを少し傾け、空中旋回をしながら昆虫を捕食している。
恐竜保護地区は30℃前後に調整されていて、しかも二酸化炭素濃度は他の地域より、7〜8倍も濃く、針葉樹やシダ類や地面を覆う被子植物などの生育に適している。
重力は0.8Gに調整されている。
たまに立ち止まっては長い首をまわして、葉っぱをガブッとついばみ、モグモグ、モグモグ…地上8mの胴体から長ーく伸びる首、長い尻尾までいれると、全長35mを超えている。
大きな背中に3人家族と4人家族で恐竜ツアーをしている。
その近くをずんぐり体型で、体長10mのテリジノサウルス・チェロニフォロミス・獣脚類が長さ2mの前肢から伸びる70㌢の長い積めて腐葉土の落ち葉をかき集めて
モグモグお食事だった。
地上には、全身がダウンのような羽毛で覆われた体長1.2mのシノサウロプテリクス・羽毛恐竜が餌を求めて駆け回っている。
スーツをステルス・無臭モード・酸素調整モードにしている。
ステルス・無臭モードのおかげで、恐竜たちは、親子ツアーに全く気づかない。
3人家族のベイカー家の長女メアリーがアマンダにテレパシーで語りかけた。
母親と長男はアマンダに深々頭をさげていたが、アマンダは気遣いしないでと、両手でジェスチャーをした。
少女は、幼いかんじの可愛らしい子だった。
思考「アマ…ン…ダに会え…てうれ…しい。」メアリー
アマンダは特殊偏光モードの照準機能を少女の顔に合わせた。
すると可愛らしい声の主の顔が、はっきり見えた。
読み取れない思考…「まだ幼そうだからテレパシーをうまく使えないのね。」アマンダ
『そう言って頂けて私も幸せよ。前から行きたかった恐竜ツアーに参加したの。恐竜の背中って凄く大きくて、ゴワゴワしているのね!』と、アマンダは話しかけた
。
『私もいつかアマンダみたいになれると、いいな。』と、メアリー
『…そんなに大したことないわ。』と、アマンダ
『誰にも1番難しいのは、平等な気持ちを持ち続けることだと思うわ。』と、アマンダ
大型恐竜・アルゼンティノサウルス・竜脚類の下に話し声を聞きつけた全長1.7mで2足歩行の肉食恐竜・トロオドンが群れで見上げて大きな目をキョロキョロ、首をかしげている。
群れのボスがキァーキァーと、声をかけている。
恐竜管理事務局から頭の中に業務連絡が入ってきた。
「アマンダ総長、肉食恐竜・トロオドンが話し声を聞きつけたようです。これ以上接近すると危険です。」
アマンダは慌てて会話をきりあげた。
思考… 「肉食恐竜が寄ってきたみたい…またね。」アマンダ
思考「…うん。」メアリー
恐竜管理事務局から親子ツアー客全員の頭の中に業務連絡が入ってきた。
「本日の親子ツアーはトロオドンの接近につき、危険なため終了します。」
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