第11話食糧

人々の主食は様々な栄養素を含む植物を工場で栽培していた。

工場生産される農作物は、何回か切り分けて使うほど、実が大きく、ビタミン、ミネラル、鉄分、亜鉛、タンパク質がバランスよく採れて、民族の生まれ育った地域による味や食感の好みの違いも表現していた。

θ星原産種に、こだわりを持ち、農産物を生産することも自由で農業生産の盛んな地方では度々、市場を開催している。

トウモロコシ、豆、米、小麦、芋などを持ち寄り、酒類や米粉やパスタ、醤油や味噌の発酵製品や豆腐などの加工品と交換している。

年2回、農業祭を開催して民族の親交を深めている。

農業祭中はカラフルなテントが辺り一面に広がり、珍しい香辛料や果物やドライフルーツ、ナッツなどなど…大勢の人々が思い思い持ち寄り、交換している。

広大な牧草地では乳牛が放し飼いされている。

牛乳は濃厚で草原の風味が特徴で人気がある。

バターやチーズも美味しい。

鶏も放し飼いされていて、たまごの卵黄に針を刺しても崩れない。たまごは貴重な食材で大切に扱われている。

酪農や鶏卵生産は誇り高い事業であり、価値が高く、どんな農作物とでも交換することが出来た。

特に酪農や鶏卵生産地域近郊はスイーツ人気の街がたくさんあり、スイーツ通りには、クレープ店やケーキ屋さんやパン屋さんから、キャラメルソースやチョコレートの甘い香りに誘われ、人々が楽しそうに歩いている。

人気のケーキ屋さんのショーウィンドウを覗くと、タルトやシュークリームやミルフィーユやチーズケーキやたくさんの果物を盛り付けたヨーグルトムースにジュレがかかっている…

人工冬眠から目覚めた世代は惑星での食生活の名残で食肉を好んでいた。

2世以降は食肉は減っていき、バターや乳製品などの動物性製品や、たまごなどの動物性食品や植物由来の原料の食品やお酒を好むベジタリアンと完全菜食主義のヴィーガンが大半を占めていった。

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