第5話暗黒時代
ヴィルス種族はまるで宇宙病原体のように周りの種族に暗黒意識を植え付けていく。
革新派と保守派に分断しても、単にそれは増殖して元の勢力に成長して…更に分断を永遠に繰り返していく。
武力があれば相手を制圧できる…
制圧するには、たくさんの武器を調達しなければ…もっと強力な武器があれば…
武器を調達するには…強力な武器を作るには…惑星間戦争に膨大な資源やエネルギーが費やされる。
惑星が攻撃を受けて消滅する瞬間も憎しみの深い井戸から抜けられない。
銀河連邦に垂れこめた憎しみの連鎖は永遠に続く鎖となり縛り付けて、どんなに、もがいても、憎しみの鎖は決して外れなかった。
種族とは恐ろしい生き物で、一度憎しみの檻に入れられると最後、同じ檻に居る種族が死に絶えるのを見届けないことには死んでも死にきれなくなってしまう。
相手をどうしたら殲滅させられるか、しか考えられなくなる。
ヴィルス種族が開発した人工知能内蔵の自立型機械兵は2足歩行で軽々と、どんな障害物も避けたり、飛び越えたり走り回ることができて、1本の腕には刀剣を内蔵して、両腕には器用に動き、何でも掴む大きな指が5本出ている。
自立型機械兵の特殊鋼は銃弾が貫通しないし、レーザー攻撃も効かなかった。
唯一の対抗手段は、特殊鋼の刀剣で機械兵より疾く刀剣を振り抜いて、機械兵の頭を切り落とすしか、方法がなかった。
小さな頭には人工知能のチップが埋め込まれていて、左右に動くセンサーアイに映った生き物や物体が攻撃対象かどうか?を数値のみで判断して、攻撃対象と判断すると、躊躇なく攻撃する。
自立型機械兵は凄まじい疾さで特殊鋼の刀剣を振ると、どんなに分厚い装甲も真っ二つ。
永遠に敵の潜伏先を探し続けられ、しかも疲れしらずだった。
無惨な攻撃任務に、何も疑問も持たない。
惑星を征服するために漆黒の自立型機械兵が数百万体と放たれる。
自立型機械兵は攻撃目標が定まると、青色のセンサーアイが赤色に変わる。
赤色の目に睨まれたら、死ぬまで追っかけてくる。
ヴィルス種族の冷酷な自立型機械兵に蹂躙されて、戦意喪失していく。
自立型機械兵には21キロトン原子爆弾が自爆用に内臓されていて、頭部を素早く切り落とさないと、頭部からの自爆のカウントダウンを止めることができないように、なっていた。
深淵の宇宙まで裏切りや憎しみや欺瞞が蔓延していく…7,000年という永い時間をかけて。
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