第6話 再会
「それでね。A市からB市に国道〇〇号線走っていると一本橋って地元の人がよんでいる橋が見えてくるの。その橋の手前に国道から東に入る道がある。たぶんナビでも大丈夫と思う。その道を進んで行くとすぐ左手に廃墟となったドライブインがあるんだって。そのまま道をまっすぐ三十分くらい山を登って行ったところに龍の滝というのがある。名前は立派だけど小さい滝らしいのね。滝は、すぐ見つけることができると思う。そこを少し行ったところに道が分岐するところがあるらしいの。一つは山へ登っていく道、もう一つは海の方に下っていく道。下って行く道の方に行くの。三十分ぐらい行ったところに集落がある。名前はよくわからないけど水……なんとかいう集落があるそうなの。もう人は住んでいないらしいけど、以前そこへ行った都内の大学生が行方不明になったらしいの」
「こわーい」
「今度の土曜日、行ってみようよ」
マリが微笑みながら
「え、そんなことがわかってて行くんですか?」
哲也が呆れたような口調で言う。
サークルのマリが有紀さんも一緒に行くからといって強引に知恵と泰子を誘う。さらには、女子だけでは危ないから男子も必要だと、哲也とアキラも連れていかれることになった。
哲也が京介に声を掛けるとマリが「それはいい」と言って京介も参加させられることになった。マリが微笑みながら京介のところにやってくる。
「早速、恐怖の心霊スポットツアーに参加ね。車二台で行くのよ」
「え、なんか危なくないですか」
いきなりそんなところに行くのかと戸惑う京介にマリはピクニックにでも行くように、
「大丈夫よ。
哲也が少し驚いた表情で、
「え、葉山さん来てくれるんですか?」
「まあ、これから頼んでみるんだけどね」
「行くなんて言ってないわよ」
教室に入ってきた女性を見て京介は驚いた。年末、商店街の書店の前で出会った巫女の女性だ。
「あ!」
驚く京介。
「あら、あなた。え、と京介君だったっけ」
葉山も驚いた顔で京介を見る。
「はい」
「え、二人は知り合いなの?」
マリが驚いた表情で二人の顔を交互に見る。
「まあ、知り合いというか、顔見知りというか。改めまして、私はこの大学の四年。
「あ、京介です。
「よろしく」
葉山が微笑む。
「なんだ、葉山さんと知り合いなの?」
少し不満そうな顔で哲也とアキラが京介を見る。どうやら、葉山はこのサークルの中で人気の女性らしい。
京介はこのサークルが一気に好きになってしまった。
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