第6話 登場人物の集結
ビールをゴクリと飲んでいた。ラジオからは「あ~納得しただから安いんだ~」そう川端さんが笑う。
今日はゲストとして大工の郡谷さんが来ているらしい。
郡谷さんは俺の師匠だった人だ。今は我ながら立派になり、現場監督として働いている。
「スイミーは赤いから左」「あーこれは思想が強いレオレオニですね。ではまた来週~」
いつものよくわからないギャグで締めくくった。
少しすると電話が鳴った。
「もしもし、郡谷だけんども~榛原君かい」電話越しにさっきまで聞いていた人の声がする。
「どうしたんですか」という俺に夜遅くにごめんだけれど、と話しかけてきた。俺は「『人間クエスト』聞いてたんで大丈夫っすよ」と言ってみた。
後ろの方から聞き覚えのある声がする。
「榛原さんこんばんは~」その声はソラくんだった。「えぇ俺ぇファ、ファンなんですぅ」緊張してか口から出た声は子供の戯言のようだった。
「あははは」そう笑う彼女は川端さんだ。
「えぇ川端さんも、いるんですかぁ」という声に反応するように「こんばんは~」なんて笑うものだからビール缶を倒してしまった。
「だ、ふぁ、だ。ファンなんであ」もう言葉にならない。すると郡谷さんが落ち着けと笑った。
なぜ俺に電話したかというといろいろな書類を見ていたら現場監督として俺の名前を見つけたらしい。
もう五年前のことなんて覚えてませんよと言いつつ二人に会えるのだろうと思い話をすることにした。
郡谷さんからここに集合と昔よく言っていた喫茶店に入る。
すると彼らがいた。
俺は発狂寸前でただ、色紙とマジックペンを渡して土下座することしかできなかった。
よく見ると俺を含めて7人いる。
誰だろうと思っているとソラ君が話を始めた。
「ではよろしくお願いします。進行を務めさせていただきます。新海芸能事務所タレントの水溜ソラと」「駒込放送アナウンサーの川端美羽です」彼女も続けて言うものだからまた俺はテンションが上がり発狂寸前だった。
彼女の横にいる男の子が言う「えっと俺はゴミ箱泥棒こと丸軸務です」
すると次は郡谷さんが言う。「大工の郡谷五浦ですぅ。よぉうしくお願いしぃますぅ」やはり貫禄がありカッコいい。
俺も「えー『人間クエスト』のファンでこの家の現場監督をしていました榛原修二です」と言った。
俺の隣に座るメガネの男性は言う。「はい。えっと山北大学で音の研究をしています。佐賀真司ですよろしくお願いします」
ソラ君の隣に座る女性は言う。「えっとーはい、私は、あのーこの家にね、住んでたあのー、動物の大量虐殺、の時の、事件をねー、担当してたあのー、えっと、弁護士の瀬能美佳っていいます。はい」
こんなひとまで連れてこれるなんてどんな番組なんだと思いつつ俺も主人公の一人として楽しもうと誓った。
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