2月22日

 今朝の東京は雨。駅まで徒歩2分だからといって傘を差さないでよいとは言えないほどの降り具合。たたんだ折り畳み傘をケースに仕舞ったと同時に、大井町線のドアが開いた。


 駅から会社への道すがらのマクドナルドで朝マックをしてから出社するのが、ここ最近のマイブーム。都心の店は同じメニューでも少し高いけれど、冷たい菓子パンを頬張るよりも、QOLは高いと思う。


 特に仕事に夢を見ていないので、降ってきた仕事を何となく躱し続け、気づいたら夜。関西に帰る新幹線が満席だという上司に、大変ですねと相槌を打ちながら、会社を出る。


 高速エレベータから降りて外へ出ると、降ってくるのは霧雨。傘は差さなくてもよかったものの、眼鏡が気になる程度には濡れた。ビニール傘の中で肩を寄せ合いながら歩くカップルの横を、身をかがめながらすり抜ける。


 レンズの水滴と、霧雨ゆえに靄がかった空気のせいか、今日の東京は、何もかもが霞んで見えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る