第十五話 決着と新たな命
私は母后様を見下ろしました。なんというか、感情が振り切れてしまって、怒るとか憎むとかそういう感情は全く浮かびませんでした。
単に、何か汚らわしい何かがそこにあるという感じです。母后様の方は歯を見せて私を威嚇していましたけどね。
アルタクス様の母親なのですから、かつては美しかったのでしょうけど、今ではどこからどう見ても醜い婆です。性格と品性がお顔に出てしまっているのでしょうね。
「この私を断罪するですって!」
母后様は座ったまま獣のように吠えました。
「私は母后ですよ! 皇帝の母です! それを! 奴隷の分際で!」
怒り狂っておりますね。しかしながらその怒りは私には何の痛痒も与えませんでした。それどころかそのあまりにも醜い姿に、私は遂に我慢が出来なくなりました。
私は足を出して、椅子を蹴倒しました。当然ですがその上に乗っていた母后様は転がり落ちます。「きゃああ!」と意外に可愛い悲鳴を上げて母后様が床に投げ出されました。
自分が何をされたか分かっていないような、信じられないような表情をしている老婆。それに構わず、私はゆっくりと進み出て彼女を踏み付けました。ギリギリと体重を掛けていきます。
「痛い! 痛い! あ、アルタクス! 何をしているのですか! 母を助けなさい!」
母后様は悲鳴を上げてアルタクス様に助けを求めますが、彼は微笑んだまま座っています。笑ってはいますが、その目には隠し切れない怒りが踊っていました。母后様の表情が強ばります。
「誰か! 誰か助けなさい! 誰かー!」
……もちろん返事はありません。母后様の忠臣たちは既に捕えていますし、一番の忠臣であるブリュートはここで縛られ震えながら俯いています。
ようやく現実に気が付いたのか、母后様の身体が震え出します。彼女の心身に恐怖が浸透するのを待って、私は宣告しました。
「貴女はアレジューム暗殺未遂と、畏れ多くも皇帝陛下のお子を殺害した罪で裁かれるのです。皇帝陛下直々に」
そして既にアルタクス様は私に「何をやっても良い」という許可を与えています。私は皇帝陛下であるアルタクス様の代理として母后様に罰を下す事が出来るのです。
「皇子殺しは大罪です。拷問の上で縛り首。その後獣の穴に投げ込まれるのが相場ですね」
「お、皇子と言っても胎児ではありませぬか! 流産などよくある事でしょう!」
そうですね。そもそも男か女かもまだ分からぬ内でした。しかし、それが何だというのでしょう。
「アルタクス様のお子であった事は間違いないのですから、罪に変わりはありません。アルタクス様の悲しみ、アレジュームの苦しみ、そして私の怒りの責任は取ってもらいますわ」
私は懸命に衝動に耐えました。本当はこのまま、母后様を蹴り付け殴り付け、鞭打ちにしてなぶり殺したいくらいなのです。
しかしながらそんな凄惨な事を私自身がすることは、今後のためによくありません。なので我慢しましたよ。彼女への慈悲の心は全くありませんでしたけど。
「言っておきますけど、貴女の側近。事件に関わったものはさっき言った通りの刑に処されます。そこのブリュートももちろん」
私が言った瞬間ブリュートは「ヒィイイイ!」と奇声を上げた後にバッタリと気を失いました。彼女にもう用はありません。私は宦官たちに命じてブリュートをハーレムの内塀と外塀の間にある牢獄まで運ばせました。
「それ以外の貴女の女官は鞭打ちの後、刺青を入れて奴隷商人に売却します」
通常、年季が明けたシャーレは奴隷身分から解放されるものですが、そうではなく、犯罪者の印である刺青を入れた後に奴隷のままハーレムを追い出される事になります。おそらく、奴隷としての価値は落ちますから待遇は悪くなりますし、犯罪者奴隷ですから一生奴隷身分から解放される事はないでしょう。
私は女官には厳しい処分を下す一方、下働きへの罪は問いませんでした。この辺が難しい匙加減になりますが、下働きは母后様の命令に逆らう事は出来ませんから、母后様の言われた通りに毒キノコを調理した下働きなどは罪としなかったのです。
女官たちへの過酷な処分を十分に理解させたあと、私は母后様を踏みつけたまま顔を母后様の頭に近付けました。耳元に囁きます。
「部下がこのような処分になったのですから、貴女もタダで済むとは思ってはいませんよね? どうしましょうか? 四肢を切り落として生きたまま獣に喰わせましょうか? それとも馬の尻尾に結び付けて引き摺らせて帝都の大通りを走らせましょうか?」
楽しい想像です。きっと素敵な悲鳴を聞かせてくれる事でしょう。
母后様は悲鳴を上げました。泣きながら叫びます。
「助けてー! 私が、私が何をしたというのですか! 私は何もしていません! 全部ブリュートがやったのです! アルタクス! 貴方は母の恩を忘れたのですか!」
のたうちまわりながら叫びますが、私がガッチリ踏み付けていますから逃げることは出来ません。その醜態に私はちょっと溜飲を下げました。満足するには全然足りませんけど。
私はウンウンと頷いていたのですが、その時アルタクス様が立ち上がりました。……そのお姿を見て、私は全身に戦慄が走り抜けました。
私は慌てて母后様から飛び退き、アルタクス様に向けて平伏します。同時に、アルタクス様の後ろにいたクワンシャールとルチュルクも椅子から飛び降りて平伏し、私の後ろにいた女官も音を立てて額突きます。私でさえそうせざるを得なかったくらい、アルタクス様のお姿には迫力が、怒りが満ちていたのです。
「……母の恩と申されたか?」
お声も、聞いた事がないほど怖いです。平伏していて表情が見えなかった事は幸いでした。母后様も息子のあまりの迫力に硬直して声も出せずにいます。
「私は、貴女に母の恩など一つも感じておらぬ。私は貴女に母らしいことなど一つもしてもらった事などないからな」
以前にもそう仰っていましたね。
「私に母の愛情をくれたのは、乳母のシャレムだ。私を育ててくれたのは彼女だ。その彼女に、貴女は何をしてくれた?」
母后様の口からウグっという呻き声が漏れます。
「貴女は私がハーレムを出た後、シャレムをハーレムから追放したな? しかも慣例では功績により奴隷身分から解放して支度金を与えるところを、奴隷身分のまま売り飛ばした!」
……それは酷い。大方、自分へよりもアルタクス様が懐いていたのが気に入らなかったとかそういう理由なのでしょうけど。
「そのせいでシャレムは随分な苦労を強いられた。私が成人してから探し出すまでな!」
アルタクス様はシャレムをなんとか探し出し、奴隷身分から救い上げ、それからはお側に置いて出来る限り労ったのだそうです。でも、苦労が祟ったか早くに死んでしまったと随分嘆いていらっしゃいましたね。
慕っていた乳母をそのような目に遭わされれば、それは母后様を恨んでも当たり前ですね。産んでくれた恩を感じる心など吹き飛んでしまった事でしょう。
シャレムを奴隷としたまま追放した事自体は、慣例には反しているものの犯罪ではありません。ですからアルタクス様は母后様を恨みながらも罰する事は出来ずにいました。しかし、アレジューム暗殺未遂は立派な犯罪で、アルタクス様のお子が流れた事も考えれば、例え相手がお母上の母后様でも罰する事が出来ます。
アルタクス様は積年の怨みを叩きつけるように、母后様に向けて叫びました。
「貴女は嘆きの宮殿に戻した上で、一室に二度と出られないよう幽閉する! 今後陽の光を浴びられると思うな!」
流石のアルタクス様でもお母上を打ち首には出来ません。やってやれない事はないでしょうけど、母殺しの名は悪影響が残り過ぎます。
幽閉は大変厳しい処置で、貴族は牢獄には入れられないというだけで、牢獄に繋ぐのとほとんど変わらぬ処置です。場合によっては着替えも風呂も出来ずに糞尿に塗れて過ごす事になると聞いています。
「あ、アルタクス!」
母后様は叫びましたが、アルタクス様は怒りの表情を露わに母后様を睨むだけで返事もなさいません。そして私に命じました。
「ヴェアーユ!」
「はい」
「嘆きの宮殿に移すまでの処置は君に任せる。好きにせよ!」
母后様の表情が引き攣りました。私は殊更に笑顔を作って一礼します。
「承知いたしましてございます」
母后様は悲鳴を上げ、アルタクス様の足に取り縋ります。
「あ、アルタクス! アルタクス! た、助けて! 助けて下さい!」
しかしアルタクス様は無言で母后様を見下ろすだけでした。これ以上アルタクス様にご迷惑を掛ける訳には参りませんね。私は立ち上がって進み出ると、母后様後ろ襟を掴みました。
「では、行きましょうか」
私は力任せに老婆をアルタクス様から引っぺがしました。そして引きずって部屋の外へと出ます。
「アルタクス! アルタクスー!」
母后様の悲鳴を聞きながら、アルタクス様は微動だにせずに立ち尽くしていらっしゃいましたよ。
◇◇◇
私は母后様を引きずって回廊を進みました。母后様は痩せているので大した負担ではありません。ショックで動けなくなったのか暴れませんでしたしね。
暫く回廊を進むと大きな庭園に辿り着きました。ここは動物を飼っている庭園です。鳥ですとか鹿ですとか、リスとかもいますね。その奥に猿を飼っている小屋がありました。大きな木の枠に格子が掛かっています。
中には人間の腰くらいの背丈の猿が五匹ほど入っています。餌を食べる仕草などが可愛くて、シャーレには人気のある動物です。
私は宦官に猿の檻の入り口を開けさせ、そこから母后様を容赦なく放り込みました。
「貴女のお部屋は暫くここです」
檻の入り口を閉じると母后様は流石に呆然と私を見上げました。
「な、何を言って……」
「孫を殺すなど禽獣にも劣る所業。そこが貴女にはお似合いです」
私は満足してニンマリと笑いました。そして飼育係の宦官に、私が命ずるまでここからけして出してはならない事。これは皇帝陛下のご許可も得ての行動だとも強調しました。
食事の世話もなにもかも、猿と同じにせよとも命じましたね。もちろん排泄もお風呂もです。
宦官は戸惑いましたが、彼らは皇帝陛下の忠実な僕です。皇帝陛下のご許可を得た第一夫人の私の命令に逆らう事はありませんでしょう。
「大丈夫です。もう暖かいですから風邪を引く事も無いでしょうし、猿の餌は果物ですから貴女にも食べられます。それに、嘆きの宮殿の準備の出来るまでですからそう長い時間ではないでしょう」
私はそう言い捨てると清々した気分で踵を返しました。私の後ろに付き従っていた女官達は流石に青い顔でドン引きしていましたが、私としてはなかなか上手い処置が出来たと思っていましたよ。城壁に縛って吊るそうとか、噴水の池に首まで沈めて放置しようかとかこれでも色々考えたのです。
私の背後でようやく我に返った母后様が騒ぎ始めました。
「こ、この私を! この私を猿扱いに! 出しなさい! 貴女! 奴隷の分際で! 臭い! こ、こら! た、助けてぇー!」
母后様の悲鳴を気持ちよく聞きながら、私はオホホホホホっと高笑いをしつつ自分のお部屋に引き上げたのでした。
◇◇◇
母后様は私の命令通り猿の檻に一週間放置された後、半死半生の状態で引き出されて嘆きの宮殿に強制送還され、宮殿の一室に厳重に幽閉されました。
まぁ、幽閉部屋の環境は猿の檻よりは良かったと思いますよ。お風呂もありましたし、着替えも支給されました。ただし、女官などは入る事が出来ませんし、お食事も決まったものが差し入れられるだけ。自分で自分のお世話をしなければなりません。窓は格子の掛かった天窓が一つ。もちろんお散歩も許されませんでした。
母后様はそこで三年ほど、生きていらしたようですね。私もアルタクス様も、その頃には母后様の存在なんて完全に忘れていましたから、死の報告を受けたかどうかも曖昧です。
こうして母后様は完全にハーレムからご退場なさったのでした。
◇◇◇
母后様がハーレムから退場なさって直ぐくらいに、アレジュームが目を覚ましました。
「アレジューム!」
私は歓喜して彼女を抱き締めましたよ。アレジュームは長い間寝込んでいたために痩せ細ってしまっていましたが、すぐに意識ははっきりしましたし、手足に障害も残っていないようでした。
彼女はすぐに自分の子が流れてしまった事を察したようで、涙を浮かべて私に謝りました。
「申し訳ございません。大事なお子を……」
「何を言うのです! 貴女がいればお子はまた生まれます! 本当に貴女が目覚めて良かったこと」
その夜にハーレムにお帰りになったアルタクス様もアレジュームを見舞い、抱擁して彼女を労りました。
宦官の見立ててではアレジュームが普通に動けるようになるには一ヶ月は掛かるとの事でしたね。そうしたら私は、アレジュームを第二夫人に引き上げようと決心しました。あのような事に巻き込まれてなお私に忠実な彼女に報いるにはそれしか無いでしょう。
それと、他の二寵姫、クワンシャールとルチュルクも夫人にしようと思っていました。彼女達は私の派閥が危機的状況になっても私から離反せず、私に忠節を尽くしました。その事に礼を言うと、クワンシャールはコロコロと笑って言いましたよ。
「私達はヴェアーユ様に逆らうほど馬鹿ではありませんよ」
そして、事件の間私を支え続けてくれたキルリーヴェをアルタクス様に推薦し、寵姫に引き上げる事にします。彼女の冷静で賢い頭脳は重要です。これからも私とアルタクス様を支えてくれる事でしょう。
そして事件の間も私を支えてくれた女官には、母后様から没収した品々を褒美として分けました。下働きにも遠慮無くばらまきます。気前の良さだけは母后様を見習うつもりです。母后様が最後まであれだけの勢力を維持出来たのは、ひとえに気前の良さのお陰ですからね。
そういう事後処理をしている最中、私は熱を出して寝込みました。事件が終わって安心したのかもしれません。そういえば事件の最中から体調が優れず頭もはっきりしなかったのです。お陰で母后様に遅れをとってしまいましたよね。
アルタクス様も心配して下さり、私は彼のお世話を寵姫に任せて休みました。
……なんか様子が変です。休んでも薬を飲んでも微熱が取れません。
身体が怠くて眠くて仕方がありませんし、腰が痛いのと、それと時折吐き気がします。なんでしょうね。私が首を傾げていましたら、歩けるようになったアレジュームが逆に私を見舞いに来ました。
私が自分の症状を言うと、アレジュームの表情が変わりました。
「う゛、ヴェアーユ様! それはもしかしてご懐妊では! 私の時と似た症状ですわ!」
大騒ぎになりました。医者が呼ばれて診察を受けます。医者はうむむむっと唸りました。
「確かに、ご懐妊の兆候が見られます。まだはっきりしませんが、ご安静になさって下さい」
……へ? 私は呆然としましたが、女官達は既に大騒ぎです。
「おめでとうございます! ヴェアーユ様!」
噂はあっという間にハーレムに蔓延しまして、寵姫達を始め女官達が次々とベッドに横たわる私を祝福に訪れます。皆、本当に喜んでくれて私はちょっと驚きました。私はこれまでの人生、嫌われ者で通っていましたからね。
私がそう漏らすと、いつも無口なハーシェスが珍しくクスリと笑いました。
「それだけヴェアーユ様の努力が認められたという事ですよ」
そうなのでしょうか。それなら、それは良いことかもしれません。私がハーレムを掌握するために人望を望み、そのために色々頑張ってきた事が報われたという事ですからね。
私の懐妊疑いの話を報告されて、誰より驚き喜んだのは勿論アルタクス様でした。彼は私の私室に文字通り駆け付けました。
「ヴェアーユ! でかした!」
そう叫んで私を抱き締め、キスの雨を降らせました。いつも落ち着いているアルタクス様がこうまで取り乱す事はあまりありません。余程最愛の私に自分の子が宿った事が嬉しかったのでしょう。
私も彼がそんなに喜んでくれて本当に嬉しくて幸せでした。でも、まだ懐妊ははっきり決まった訳ではありません。それに妊娠初期は流れてしまう事が本当に多いのです。私が申し訳ない思いで言うと、アルタクス様は私を抱き締めて頬ずりをしながら自分に言い聞かせるように言いました。
「大丈夫だ。きっと大丈夫。他ならぬ君と私の子だ。きっと立派に生まれるさ」
アルタクス様にとって、流れてしまったアレジュームの子に次いで二回目の寵姫の妊娠です。これが流れてしまうと、アルタクス様はショックを受けてしまわれるでしょうね。愛する彼をがっかりさせたくはありません。
私はその日から、自分が妊娠しているものと考えて振る舞いましたよ。できる限り動かず、細心の注意を払って生活しました。もちろん、女官も下働きも厳戒態勢で、私がベッドから降りるだけでも三人も四人もが駆け付けて支えてくれました。
そうして慎重にも慎重に生活して一ヶ月くらい経つと、体調の変調はいよいよ明らかになり、断続的な吐き気、身体の痛みが私を苦しめるようになってきました。月の障りは途絶えたままで、医者はもう間違い無いだろうと私の妊娠を断定しました。
恐らく三ヶ月目に入った頃ではなかろうかという話でしたね。事件の時には既に妊娠していたのです。だから事件の最中にも体調がしばしば悪くなったのでしょう。本調子なら母后様にあれほど遅れは取らなかった筈です。
妊娠確定は嬉しい知らせでしたが、私の悪阻は重く、それはもう大変でした。
吐き気がして食べ物は何も喉を通りません。せいぜいスープくらいしか飲めないのですがそれも暫くすると吐いてしまいます。身体が怠くて動けず、しかも腰や背中が痛いです。噂には聞いていましたが、これは辛い。妊娠はシャーレのお仕事ですが、こんなに辛いとは思っていませんでした。
アルタクス様は心配して下さいまして、毎日朝に出仕する直前、夜は寝る直前まで私のお側にいて下さいます。これは慣例には無いことです。私に手ずからスプーンでスープを飲まして下さる事もありました。私の手を握り、頬を撫でて励ましの言葉を掛けて下さいます。身体が辛くて心細かった私には彼の気遣いが涙が出るほど嬉しかったですね。
夜は私が妊娠しているのだからと気を遣って、独りで寝ていらっしゃいましたが、私は彼を諫めて寵姫を閨に入れさせました。本当は妊娠期に彼が他の寵姫を深く寵愛して私への寵が衰える、あるいは衰えたと見られるのは怖いことでしたが、アルタクス様は私以外とも何人でも子供を作らなければなりません。それが皇帝とシャーレの正しい関係です。一人の胎が塞がっているのなら、他のシャーレの胎を使って別の子を産ませるのが皇帝の責務なのです。
そうこうしている内に私のお腹はどんどん大きくなり、お子がお腹の中で動くのが分かるようになって参りました。悪阻は治まり、歩いた方が安産になるということで、私は女官達にがっちりと守られて庭園を散歩しましたよ。アルタクス様も私のお腹を触ってそれは幸せそうに微笑んでいらっしゃいましたね。
そして、妊娠発覚からあっという間に七ヶ月以上が経過しました。いよいよ臨月です。
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