第十二話 私の願いアルタクス様の願い

 アルタクス様に他の女性を近付けるなんて、本当は嫌でした。私はアルタクス様の寵姫時代、私以外の女官がアルタクス様に触れるが嫌なあまり、彼のお世話の全てを独占したくらいなのです。


 しかしながら今やアルタクス様は皇帝で、私は第一夫人です。アルタクス様にはたくさんの子孫を作る必要があり、ハーレムはそのために存在します。そして私は皇帝陛下に寵姫を斡旋すべき第一夫人なのです。


 第一夫人が皇帝陛下を独占して他の女を近付けないなどという事は許されません。もしも私がアルタクス様の正式な妃であり、神前で誓い合った妻であれば許されるのかもしれませんが、私はいかに愛されていても所詮はシャーレ、女奴隷であり、第一夫人は職位に過ぎません。


 私は内心で何日も激しく葛藤をしましたが、私の周囲の女官からの要請、そして母后様との勢力争いの決着を着けるにはこれしかなかった事もあり、結局私はアルタクス様に寵姫候補を紹介する事に決めました。


 寵姫候補は私に忠実な者から三名を厳選しました。私が西方出身であることから、私の側近はどうしても西方出身が多くなります。なので三人とも西方人になりました。アレジューム、クワンシャール、ルチュルクの三人です。


 いずれも私に非常に忠実で、それでいて意思表示がはっきりしており。話が分かり易くて面白い、まぁ、アルタクス様がお好みになりそうな女官でした。献上してきたのが有力貴族である事も重要で、アルタクス様の支持基盤である地方の太守達が献上してきた者から選びました。


 赤髪のアレジューム、茶色い髪のクワンシャール、銀髪のルチュルクのいずれも美しい少女です。しっかり教育されているのでアルタクス様にご迷惑を掛ける事はないでしょう。


 その彼女達を、私は断腸の思いでアルタクス様の前にお出ししました。お食事の給仕を手伝わせ、入浴の手伝いをさせ。お召し替えの時に手伝わさせたのです。何もこれまでは私一人で独占していた事でした。


 アルタクス様にこの意味が分からぬ筈はありますまい。自分の身体に触れるような仕事を任された女官達にアルタクス様は驚き、次に不快そうなお顔をなさいました。お世話を拒否される事はありませんでしたが、アルタクス様は結局この日も私のみをご寝所に伴いました。


「どういうつもりだ!」


 ご寝所に入るなりアルタクス様は珍しく私に向けて声を荒げました。私は身がすくんでしまいます。


「私は君以外必要ないと言っただろう! 浮気などせぬ。そもそも君は浮気を一番嫌い、恐れていたではないか!」


 誠実で真剣なセリフに、私は心が暖かくなります。彼は私がかつて王太子殿下に裏切られて心に傷を負っている事をよくご存知で、その傷を労って下さっているのです。


 しかしながら、皇弟と寵姫の頃ならばそれで済んだ私とアルタクス様の関係も、夫人と皇帝陛下になった今ではそうもいかないのです。


 でも、こうまで誠実に自分を愛してくれる男性を、必要があってでも他の女性の所に行かせるのは悲しく悔しい事で、そういう思いが盛り上がってしまった私は、結局我慢しきれずに涙を両目から盛大に溢れさせてしまいました。


「わ、私だって、私だって本当は嫌です! アルタクス様を独占して、他の女などに触れさせたくはありませんとも! 絶対に、絶対に私一人の貴方でいてほしいです! でも! でも……!」


 私はうわーんと泣いてしまい、慰めるように抱き寄せて下さったアルタクス様の胸の中で延々と泣き続けたのでした。


 ……その後、私とアルタクス様は話し合いました。アルタクス様だって皇帝陛下の義務はご存じですし、有力貴族から献上されたシャーレに手を付けない事が政治的によろしくない事も理解なさっていました。


 母后様との争いで、私が推薦した女官だけを寵愛するという事が決着のための決定打になることも理解して下さいました。


 結局、アルタクス様は渋々ですが、私の推薦した三人の女官を寵愛する事に同意して下さいました。了承を迫ったのは私ですのに、アルタクス様が頷いた瞬間、私は自分の足元が崩れ落ちるような錯覚を覚えましたよ。


 そんな私をアルタクス様はギュッと抱き止めて下さいました。


「案ずるな。私の愛は常に君の下にある。これは生涯変わらぬ。どんな事があってもだ」


 私は泣きながらウンウンと頷くしかありませんでした。信じなければ、彼の事を信じなければと思いながらも、膨れ上がってゆく不安に押し潰されそうになります。


 アルタクス様は痛いくらいに私を抱きしめながらこうも言いました。


「こうなったら、一刻も早く君は私の子を、出来れば男子を産まねばならぬ。それしか君の立場を守る方法は無い」


 確かに、寵姫の方が私より早くにアルタクス様のお子を産むような事があると、私の地位は大きく揺らぎます。お子がいる寵姫よりも子がいない夫人の方が上であるなんて許されません。


 私がアルタクス様の一番で居続けたいなら私は誰よりも早く彼の子を宿し、産む必要があったのです。


  ◇◇◇


 アルタクス様が私以外の女官を寵愛なさった事は衝撃を持ってハーレムのシャーレに迎えられました。


 あれほど頑なに私以外と交わらなかったアルタクス様ですからね。それは驚くでしょう。私への寵が衰えたのではないかと考える者も多かったでしょう。


 しかし、アルタクス様は、寵姫を一人閨に入れたら、次の日から数日は私と閨にお入りになるという形で、私への寵愛はいささかも衰えていないのだという事を示されました。


 私はアレジューム、クワンシャール、ルチュルクの三人を寵姫に任命し、オレンジのドレスを与えました。アルタクス様のハーレムにおける最初の寵姫の誕生です。


 私付きの女官から寵姫が出た事には重要な意味がありました。相変わらずアルタクス様は母后様からの女官の推薦は断っておりましたからね。こうなれば、アルタクス様からのご寵愛を賜るには、私の紹介からしかルートが無いのだという事になります。


 大貴族から献上され、皇帝陛下の寵姫となる事を期待されているシャーレは次々と私の派閥へと鞍替えしました。均衡は崩れたのです。私は頃合いを見て寵姫を増やし、その内その中から第二夫人第三夫人を決める予定でした。


 第二第三夫人が私の側近から出れば、夫人付きの女官も私の派閥から出る事になります。そうなれば女官の数は私の派閥が圧倒する事になりますね。そうなれば母后様派は完全に力を失うでしょう。


 母后様は焦ってしきりにアルタクス様に自派の女官も寵愛するようにと訴えていますが、彼は一切聞き入れません。それどころか「これ以上煩く言い立てるのなら、母上が私の私室に立ち入る事を禁じますよ」とまで言って一蹴しました。


 一方私はアルタクス様に相変わらずベッタリと愛されています。母后様への塩対応が浮き彫りになる構図です。これで完全に潮目は変わりました。何人もの女官がこっそりと私の所にやってきて母后様派からの寝返りを打診してきました。


 私は裏切られるのが嫌いです。自派の拡大のためとはいえ、母后様を裏切るという女官達には到底好意的にはなれなかったのですが、そんな事はおくびにも出さないように気を付けましたよ。


 感情を押し隠したという意味で言えば、アルタクス様へ紹介した寵姫達への不快感も必死に隠しました。なにしろ自分が紹介し、自分の派閥の拡大に役立てるためにアルタクス様の元へ送り込んだのです。不快感を表に出し、彼女達と不仲になるような真似は絶対に避けなければなりません。


 アレジューム、クワンシャール、ルチュルクの三人をアルタクス様はほとんど平等に寵愛なさいました。お呼びになる頻度が最初はほぼ同じだったのです。


 しかし次第に赤毛のアレジュームを呼ぶ頻度が増えました。どうも彼女のはっきりした性格。歯切れの良い話し方がお気に召したようですね。


 ですので私はアレジュームへの嫉妬心を懸命に押し殺しましたよ。彼女と対立するような事があっては、彼女を寵姫に推薦した意味がありませんからね。


 でも、寵姫が呼ばれて私がご寝所に呼ばれない夜は本当に辛かったですね。アルタクス様のお優しい声や眼差しや、温かい手が私以外の女性に向けられている。私以外の女性がアルタクス様に悦ばされていると考えると気が狂いそうでした。


 我慢と忍耐の甲斐あって、三寵姫と私の関係は良好でした。なんでもアルタクス様は三人に「ヴェアーユに楯突くような真似をしたらハーレムを追放する」と仰ったそうです。それで三人も私へ遠慮し続けたという事ですね。もっとも、最初から私と一番波長の合う者を推薦してもいましたから。


 私と三寵姫がアルタクス様の周囲を囲み、母后様の派閥のシャーレは陛下の私室に入ることもだんだん難しくなっていきました。下働きでも私や寵姫が信用出来ないものは皇帝陛下のお世話には使いませんからね。下働きも私への忠誠を明らかにし、母后様のお世話は後回しにするようになりました。


 母后様は怒り狂っているようですけど、こうまではっきりと趨勢が明らかになってしまえばもう負け犬の遠吠えというものです。母后様の派閥はついに崩壊し、残るのは根強く私に反感を持つ者だけになっていました。


  ◇◇◇


 私はアルタクス様の寵姫になってからもう一年以上が経過していますが、その間彼の子を身籠った事はありませんでした。


 アルタクス様が鳥籠の皇子時代でしたら、妊娠したら面倒な事になるなと思っていたので、妊娠しなくてほっとしている部分は確かにありましたね。


 しかしながらアルタクス様は皇帝陛下になられました。皇帝の第一義務はとにかく子供を多く作ることです。皇子を作り帝国を継承させる事です。そのためにハーレムという特殊な組織があるのですから。


 そして第一夫人になった私の役目も、アルタクス様のお子をなんとしても産む事に変わりました。


 なにしろ私はアルタクス様のご寵愛を独占している第一夫人なのです。三寵姫が任命された後も、十の内確実に七はアルタクス様のご寝所を私が独占していました。他の誰よりアルタクス様と夜を共にしているのなら、私には彼のお子を誰よりも早く誰よりも沢山産む使命があるのです。


 しかしながらお子が出来るかどうかは大女神様の思し召し。そうそう人間の思い通りになるものではありません。アルタクス様が即位してもう半年になるというのに、私に妊娠の兆候はありませんでした。


 この事は母后様の格好な攻撃の的になりました。


「この女は子供が産めぬではありませんか! こんな石女を寵愛しても無駄ですよ! アルタクス!」


 などとアルタクス様の前で私を嘲ったのです。もちろんこれは逆効果で、アルタクス様は激怒なさいました。その時は母后様は数日、皇帝陛下の私室への入室を禁止されたものです。


 ただ、私は焦りましたよ。何とか子供を授かりたくて、妊娠し易くなる体操をしてみたり、効果があるお茶などを飲み、大女神様の聖地に向けて真剣に礼拝しました。


 なにしろ既に事は三寵姫との競争にもなっています。アルタクス様は三寵姫と交わる時は非常に淡白で、一度しかなさらないそうです。一方私とはその、気が済むまでなさいます。そういうところでも差を付けて、何とか私に先に子を宿したいと考えていらっしゃるのでしょう。


 アルタクス様の期待にはお応えしたいですし、私が皇子を授かれば、私は「皇子の母」となり将来の皇帝の母として母后様に匹敵する存在になります。そうなれば母后様との勢力争いは私の完全勝利です。そういう意味でも私は何としてもアルタクス様のお子を授からねばなりませんでした。


 ただ、この妊娠問題以外は大体、私の思い通りに事が運びました。だんだんとハーレムは私に制圧され、平和になっていきましたね。下働きも女官もほとんどが私の派閥に入り、私に忠誠を誓いましたからもう母后様が怒ろうが喚こうが私は何の痛痒も覚えないようになりました。


 涙を飲んで寵姫を推薦した甲斐があったというものです。私は派閥の維持に努め、昔のように癇癪を爆発させて配下の者達を傷付ける事を慎重に避けました。


 ただし、事がここに至れば、もう私は女官達に遠慮をし過ぎる事もありませんでした。つまり、少し以前なら母后様派に鞍替えした者は「去る者は追わず」と放置し、戻ってきた場合は素知らぬ顔で迎え入れ、変わらず厚遇しました。


 しかし、母后様派を勢力争いで圧倒した今、裏切りや日和見には厳正な対処が可能になったのです。


 私の扱いに不満を持ち、母后様に秋波を送った事が分かった女官を、私は即座に遠ざけました。


 下働きの居住区スレスレ小さな部屋に居室を移動させ、何の役目も負わさずに放置したのです。つまりこれは「貴女は下働き落ち寸前ですよ」という警告になります。


 大貴族から献上された女官であっても絶対に下働き落ちしないわけではありません。まぁ、その場合は献上してきた貴族に、私かアルタクス様から一筆断りの手紙を入れる必要はあるでしょうけど。


 その女官は震え上がり、私に平伏して許しを乞いました。しかし私は容易には許しを与えませんでしたよ。何度も繰り返しますが、私は裏切りが大嫌いです。事情があって寛容でなければいけなかった頃ならともかく、ハーレムの絶対者になった今、もう遠慮や容赦をするつもりはありません。ビンタをかまさないだけでも昔の私にくらべれば随分穏当な対応なのです。


 移動させられた事で不貞腐れたり、本格的に母后様派への鞍替えを図った者は本当に下働きに落とそうと思っていたのですが、流石にそこまで愚かな者はいませんでした。私はそこから心を入れ替えて懸命に頑張った者はきちんと評価をして引き上げましたよ。


 同時に私は配下の者への施しも忘れませんでした。食事や衣服の下げ渡しや、宝飾品の下賜。それと私が重視したのは外の世界との触れ合いをシャーレ達に与える事でした。


 シャーレ達はハーレムの高い塀の中に閉じ込められっぱなしです。平均で七から八年の年季が明けるまではここから出られないのです。ですから彼女達はハーレムの外の事が何も分かりません。


 そういうシャーレが外部の空気と触れられるのは、商人がやってきた時です。ハーレムの大外塀と外塀の間には広場があり、そこには商人が入ってきて物品を販売する事が出来ます。もちろん、許可が出た時だけですけどね。


 そこへシャーレは行って買い物を楽しんだり外の情報を商人から集める事が出来るのです。シャーレには給料が出ますからね。服ですとか宝飾品ですとか、お菓子お茶お酒、香辛料やお香、それ以外の用具などをここで手に入れます。


 もちろんですが私もここで買い物は出来ますよ。ただ、ここには男性の商人も来る事がありますので、夫人や寵姫は代理の女官に買い物を任せるのが普通です。


 ここでシャーレは、買い物だけではなく情報も集めます。彼女達が最も熱心に集めるのは結婚相手の情報です。


 シャーレは年季が開ければハーレムを出る事が出来ますが、何年もハーレムの中で籠の鳥をやっていた女奴隷が、いきなり解放されたからといって、一人でちゃんとした生活を送れるほど帝都の社会は甘くありません。騙されて身包み剥がれて路頭で野垂れ死ぬか、また奴隷として売られるのがオチです。


 それを避けるために、シャーレは大体年季が明けてもしばらくはそのままシャーレとしてハーレムに残ります。そして商人が来た機会に結婚相手の斡旋を依頼して、いい相手がいたらハーレムを出て結婚する事を目指すのです。


 商人の中には物品の販売以外にも、こういう結婚相手の斡旋を請け負っている商人が少なくありません。実は教育を施された元シャーレは、富裕層の嫁候補として人気があるのだそうです。ですから、余程の事がない限り、結婚相手には困らないのだそうですね。なにしろ美人でなければハーレムには入れませんし、みんな貯金もあるのですから、それは人気にもなるでしょう。


 ですけど、これまでは商人が来る機会はそれほど多くはありませんでした。年に二、三度というところでしたね。私はこれを、毎月呼ぶようにしたのです。これはシャーレ達に大好評でしたね。毎月なら商人と緊密に連絡を取り合って、良い相手を早く見つける事が出来るからです。


 ただ、これをやると、ハーレムからシャーレがどんどん減ってしまうのですけどね。その分補充しなければいけないのですが、ハーレムに入宮出来る女奴隷の基準は厳しいですから、補充は簡単ではありません。


 しかしながら私には狙いがありました。年季が明けてもハーレムに留まっているシャーレ、つまり年嵩のシャーレは母后様派に多かったのです。私を嫌っている者達ですね。


 それが、母后様の勢力が減少していたせいで焦っていたのです。つまり、このままだとその内、母后様はハーレムを追い出されて自分達を庇護する者がいなくなってしまう。そうすれば私からの苛烈な復讐が待っているに違いない、と考えたのでしょう。


 そこで彼女達は商人の出入りが増えたのを良い機会に、熱心に婚活を行い、次々と結婚を決めてハーレムを去っていきました。年嵩と言ってもせいぜい三十歳前後です。十分まだ子供も産めるでしょう。結婚してハーレムの外で幸せになる分には私も文句は言いませんよ。


 こうして、私は母后様の周りでうるさかった古株の女官達の排除に成功したのです。


 こんな風にして私はシャーレからの人気取りと、母后様の勢力を削り取る事を同時に進めました。もちろん、全てが上手く行ったわけではありませんよ。


 私は性格が憤激し易いですから、礼を逸した態度を取った女官に対して怒り狂ってしまい、その側近の女官と溝を作ってしまった事もありました。


 そういう場合は何とか気持ちを収めた後は謝罪をして、なんとか彼女の心を繋ぎ止めるべく頑張りました。以前の私なら謝罪など出来ませんでしたから、随分成長したのだと思って下さいませ。とにかく、人を率いるには一に我慢二が忍耐。三が自重で四が愛想です。まったく、私には不向きですよ。たまには昔みたいに好き勝手に振る舞ってみたいものです。


 そうして、何とか順調にハーレムの統率をしていた私でしたが、アルタクス様ご即位から一年。もうすぐアルタクス様の盛大な即位式が行われるというタイミングで、大きな衝撃に見舞われる事になります。


 ___アレジュームに妊娠の兆候が表れたのです。

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