廃坑奥の休憩所に残されたメモ
/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\
Yより
神との戦いは近い
この地下水路の奥に鳥居と社がある
多分、そこに神はいる
神を殺して元の世界に戻れるか
正直解らない
今から書くのは俺の私的な事だ
読み飛ばしても構わない
前のメモにも書いたが
俺は母子家庭で育った
正直貧乏だ
だが母さんは立派な人で、こんな俺を育て、高校にも行かせてくれている
なのに俺は、そんな母親が嫌いだった
忙しいことを理由に、授業参観に来てくれなかった
借りている家がぼろくて家庭訪問も嫌だった
パートから帰ってきた際の音がうるさいと隣から怒られ、頭を下げる母さんを情けなく感じた
挙句の果てには親ガチャ失敗したと言いふらす始末だ
でもこの狂った世界で過ごしていると母親の事ばかり思い出した
如何に愛されていたか
如何に俺が酷い事をしていたか
本当に自分が情けない
もしここから出る事が出来たら高校を辞め、母さんを楽させるために働こうと思う
ここでの力を外へ持って行けたのなら、肉体労働で稼げるはずだ
スタントマンなどもいいかも知れない
不思議と裏切った奴らの事はどうでもよくなっている
いや、恨みが無いわけじゃない
でももうアイツ等に無理して合わせる必要も一緒に居る必要も無いんだと
アイツ等に評価されるために生きなくて良いんだと
清々しさを感じている
もし俺が神に敗れてもただでは死なない
深い傷を負わせるまで噛みついてやる
そしてそれが、貴方の助けになればいい
もし俺が死んでいたら学生証にある住所に遺品を頼みます
そして「親不孝な息子でゴメン、馬鹿な息子は最期の最後で目が覚めました、今までありがとう」と伝えて下さい
お願いします
\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます