圧倒的
「良いね」
各方面。
剣聖も、主人公たち姉弟も、リレーシアも、その他多くの有力者も、そのすべてが抜群の力を見せて敵の実力者の悉くを撃退している。
特に剣聖の働きが目覚ましく、たった一人で敵軍を崩壊されるのではないかという勢いで大暴れしている……彼女を自軍に引き入れておいて良かった。
一部の実力者以外、一般の兵士たちも彼女たちに負けじと活躍を続けており、多くの場所で敵に被害を出してその侵攻の手を止めさせていた。
完全に返り討ちとして敵を壊滅状態にまで追い込んでいる部隊もある。
やはり、敵がこちらのことを大きく侮っていてくれたのは大きかった。
相手は連携も、補給線もなく突っ込んできてくれている……それがあまりにも致命的だった。
恐らく相手で最も多い死因は餓死であろう。
「……クソっ、こんなに強かったのか。こいつは」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「クソったれが……せめてこちらを見やがれ」
そんな風に周りの活躍を見て僕がご満悦となっている中。
自分の周りにも多くの敵が集まってきていた。
まぁ、それも当然だろう。
僕は初手で王族の一人に率いられていた相手の軍勢を丸々壊滅させてみせたのだ。
そんな敵を放置していられるわけがないだろう。
「弱いな」
だが、僕の元にやってくるものたちは自分と戦うにはあまりにも力不足であった。
「な、何をっ!?」
「……くっ」
自分の周りにいる五人。
彼ら、一人一人がリレーシアクラスの実力者ではあるが、それでも今の僕にはまだ届かない。
「せめて、辺境伯家の当主クラスを引っ張ってこない限り無理だな」
僕は世界でも屈指の実力者であると自負している。
そんな僕と戦うのにあくまで一貴族に仕えている騎士の中の最強というレベルでは足りない。
敵国の進軍を単騎で止めてしまうような真正の怪物。
例えば、大国の辺境で敵国がいきなり攻めてきてもいいように配置されている辺境伯家の当主クラスでもなきゃ足りない。
まぁ、辺境伯家の当主が自分の職務を捨てて僕の殺害の為に動かないであろうことなどは既にもうわかっているけど。
「……クソがァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!」
「無駄な足掻きは辞めることだな」
僕は自分の元に集まってくる敵のほとんどを圧倒的な魔法で粉砕。
その悉くを撃ち落としていく。
自分の周りにいた面々が全滅するまで十分もいらなかった。
「さて、と……僕は僕で援護射撃の続きをしていきますかぁー」
敵を全滅させた僕は気を取り直して、地上で戦う自軍の援護の為に魔法を撃ち続けるのだった。
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