弓
剣聖が次々と実力者を狩り、それに負けじと力を示す姉弟の二人。
「んっ……」
ノアの傘下に最も早く入り、実力を示してきた快楽堕ち済みツンデレエルフであるリレーシアも圧倒的な活躍を見せていた。
「キリがないわな」
リレーシアの持ち武器は弓。
近距離での戦闘はもちろん、遠距離における弓を用いた戦闘でさえも圧倒的なエルフである。
そんな彼女は今、弓を用いて遥か遠くの敵をスナイプし続けていた。
狙うは敵の司令官や実力者たち。
ひたすらに弓を引き、敵を次々と倒していく中で、リレーシアはボヤく。自分が狙うべきは相手が多く、本当にキリがなかったのだ。
「……っとと」
そんな中で。
リレーシアの方面へと一本の矢が飛来してくる。
「無駄ねっ」
そんな矢へと素早く反応したリレーシアは矢をつがえ、そのまま発射。
自身の矢で確実に敵の矢も一緒に撃ち抜いていく。
「……そこね」
それと共に、自分へと向かって来ていた矢の方面へと視線を送ったリレーシアはしっかりと遥か遠くにいた敵の存在を視認した。
『……ッ!?』
見られた。
それを認知した敵が慌て始める頃にはもうリレーシアは次の行動の準備を終えていた。
「遅いわ」
リレーシアの放った矢は確実に敵を貫いて見せる。
「私に勝てるなんて思わないことね?」
圧倒的な力。
それを見せつけるリレーシアは自身満々な表情を浮かべるのであった。
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