姉の力
アセレラが己の力である白い炎を最大限活用して作り出した優位性でもって終始優勢で戦局を進め、最終的に勝利を勝ち取ったのと同じ頃。
「……」
「……」
剣を持ったシスが同じように、別の騎士と向かい合っていた。
「……良い、使い手ね」
「ありがとぉ」
シスは力押しを得意とするアセレラとは別で技量に誇るタイプのキャラである。
そして、そんな彼女と向かい合うのも技量に誇るものである。
「……」
「……」
互いに理解していた。
自分たちの武器は同じように技量であると。
そして、戦いはすぐに終わるであろうということを。
「すぅ……」
「ふぅー」
シスと、そんな彼女の向き合う騎士は互いに息を吸って、吐いて。
二人は腰をおろして剣を構え始める。
「「……」」
一刀。
決着はそれで決まった。
互いに抜刀し、瞬歩。
無駄のない動きで両者互いに己との距離を詰める。
両者振るわれる剣。
「……みご、と」
「ありがとう」
勝ったのはシスであった。
血糊がついた剣を握っていたのはシスであり、きれいな剣を握る騎士は力なく崩れ落ちていった。
「アセレラの方は大丈夫かなぁ?」
無事に勝利を収めたシスは己の剣を鞘の中へとしまい、己の弟を思って口を開くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます