整理

 無事に土地神の引き抜きを成功させ、そのまま彼を移送。

 街全体で喜びの歓迎会を開くと共に信仰の儀を執り行った。


「やりすぎじゃないかしら……?」


 それを終えて満足し、更に別の人を探しに行こうとしていた僕へとリレーシアが制止の声をかけてくる。


「……そうかな?」


 僕は彼女の言葉に首をかしげる。


「どこから見つけて来たのかもわからない訳アリの人たちや、目ぼしいエルフたちは粗方取り入れたわよ?いい加減、もう統制を取りにいかないとヤバいんじゃないかしら?お義父様はあまり力に優れていないのでしょう?」


「……確かに」


 迫害の恐怖を知りながらも博愛を貴ぶエルフやゲームに出てこれるほどには良識のあるメンツならともかくとして、大量に雇い入れている弱小傭兵団や少し強いだけのごろつきの対応なんかはかなり厳しいところがあるかもしれない。


「……そろそろ満足しておくか」


「そうするべきだと思うわ。というか、その土地にとって大事な土地神まで引き抜いてまだ満足してなかったことにびっくりだわ」


「いやぁ……所詮はただの少し強いだけの魔物だし。周りへの被害を考えれば対処出来なくないよ」


「……貴方の場合は本当に対処出来てしまいそうなところが怖いわね」


「それほどでも」


 僕は自分の頭を掻きながら彼女の言葉に照れながら言葉を告げる。


「それじゃあ、多くの人員整理を進めていこうか」


 リレーシアの忠告へと素直に耳を傾け、頷いた僕は自分の領地の中心地へと戻るのだった。


 ■■■■■


 本格的に増えた部下を統率し、整理していくことに決めた僕は。


「弱小の傭兵団はそのまま中隊もしくは小隊に回して、ごろつきたちは地域ごとにバラバラにしていこう。派閥ごとで固まれても厄介だからね。それで、他に相性が良さそうなのは……」


 サクサクと手際よく軍隊における配置決めを決めていっていた。


「エルフたちはもういっそのこと別班として扱った方が良いな。暗躍が得意な人たちはどれだけいたっけ?」


 僕は今、自分の前で模擬戦してもらっている多くの人達を眺めながら思考を回していく。

 

「元いた人たちへの反発を抑え込めるのが大変やな。適当にごろつきを混ぜてて、ボコさせて発散させるか。ごろつきも現実を知れるしちょうどいいでしょ」


 そして、どんどんと計画表が出来上がっていくのだった。


 

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