洗脳
流石にやりすぎだった。
人間の限界ってどこなのだろうか?そんな些末ないたずら心も持っていた僕がエルフを一か月間も飲まず食わず、寝ることもなくフルで働かせ続けてしまったのが悪かったのだろう。
エルフは完全に壊れてしまった。
「お疲れ様。よく頑張ったね」
「……ありがとぉ、ありがとぉ!うぅ……ノアぁ」
今のエルフはすべての元凶である僕が耳元でその頑張りを認めて労いの言葉を囁いてあげるだけで泣きながら感謝の言葉を繰り返すばかりになっていた。
「名前、名前を呼んでほしいのぉ」
「うん、わかったよ……リレーシア」
「ふぇぇぇ」
こんなところで壊れてしまっては困る。
いつも、僕がぐっすりと眠っていた豪華な寝室へとリレーシアを招き入れてベッドに寝かせ、そのまま彼女に優しい言葉を投げかけ続けていた。
「ノアぁ、ノアぁ、ノアぁ」
一か月間誰にも合わせず、精神を壊すほどに課された労働は元々あったリレーシアという存在のアイデンティティーを完全に崩壊させた。
個性が崩れ去っていく労働の中で、僕がエルフに対して繰り返し述べていたお前は奴隷なのだという刷り込みによってリレーシアは新しい自分を確立してしまう。
「大丈夫だよぉ、君はしっかりと役に立っているから」
完全に洗脳やな、これ。
「捨てないでぇ、呆れないでぇ、奴隷である……私を」
「うん、うん。大丈夫だから。捨てないから」
どーっすかなぁ?
ここまでしっかりと自分の奴隷に仕立て上げるつもりはなかったのだが……まぁ、洗脳は永続的なものじゃないし。
いつかは解けて元に戻るやろ、今はサクッと洗脳でもなんでもいいから立ち直ってもらおう。
次からは流石に仕事をセーブさせないとな。
「……私の、体。私の体を」
そんなことを考えながら、僕がリレーシアを甘やかせていた中で、彼女は唐突に自分の服を脱ぎ始める。
「おねがぁい。捨てないでぇ、私の体を……体を、求めて」
「いや、別に
全裸となりながら懇願の言葉を告げるリレーシアに僕は思わず素へと立ち返って冷静に言葉を返す。
「……嫌ァァァァァァ!お願いぃ!私をっ!私をっ!」
だが、そんな僕に対してリレーシアは発狂で返してくる。
「……」
奴隷商の中で奴隷とは性的暴行を受ける。受けられなければゴミのように打ち捨てられるとでも教育されたのか?
性での罰則に異常なほどの執着を見せるリレーシアに僕は呆れかえりながらも受けいれる。
ここまで来たら彼女の訴えを聞いてやったほうが早いだろう。
「触れるよ」
「あんっ!?」
「そのまま、大丈夫。体から力をゆだねて……そう、すべてを僕に任せて」
「あぅあぅ……ばぶぅーっ!」
「……ッ、な、なんで幼児に、単純なこいつな性癖、かぁ?……はぁーい、パパでちゅよ。気持ちよくなりましょうねぇ」
「あぁんっ!」
体の成熟的に僕はどう足掻いても快感を得ることが出来ない。
そんな相手に性を求め続けるリレーシアに対して、僕は何をしているのだろうか?とも思いながら手や舌でしっかり彼女を昇天するか如き快楽を与えてやるのだった。
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