奴隷
特に意味もなく高い金を出して買ってしまったゲームのヒロインであるリレーシアをとりあえず僕はメイドたちに預け、汚かった彼女を綺麗にするよう命令を出した。
「おぉ、随分とマシな見てくれになったじゃないか」
僕は奴隷商の元で汚れた状態で放置されていたエルフがメイドたちの手によって綺麗になり、しっかりとメイド服を着こなしている。
見てくれはかなり良いだろう。鼻ピアスが凄まじく気になるが。
「だが、露出が少ないな」
メイド服を着ていることは良い。
だが、そのメイド服事態に問題がある……あまりにも布が多すぎてかなり動きにくそうだ。
身軽さを武器とするこのエルフとこのメイド服の相性は最悪だろう。
「ろ、露出って、……やはり、人間の男は何処までもゲスイっ!そんなにも、女の身体を欲するというのか、この、ゲスめがぁっ!」
僕の言葉を聞いたエルフは自分の体を庇いながら言葉を吐き捨てる。
「あほか。僕の体くらい見ろ。こちらは五歳児だぞ。そんなことできるわけもなかろうて」
そんなエルフに呆れながら僕は答える。
未だ勃つことすらない。
「……そ、そうなの?人間の発育具合はイマイチわからないから。二十で出来るようになるのも、五で出来るようにもなるのも大して差なんてないじゃない……たった十五年の差じゃない」
「貴様ら長命種基準で考えるな。年増処女エルフが」
「んなっ!?エルフだったら百歳超えても処女なんて普通よ!むしろ、貞操観念が高くて喜ばしいほどよ!」
「でも、まぁお前は何しても許される奴隷の立場に落ちたのだが。このまま僕が適当な娼館にでも売ればお前は晴れて処女喪失だ」
「……くっ、殺せ!」
くっころやん。
目の前で見ることになるとは思わなかった。
「まぁ、別にそんなことをしても僕の得にならないからしないが。せっかく戦えるのだし、そっち方面で役立ってもらうさ」
せっかく主人公のヒロインといて活躍できるほどの戦闘力を持ったユニットを手に入れたのだ。
特に価値もない男どもの性処理をさせるよりは戦闘方面で役に立ってもらう方が遥かに良い。
「……戦闘、面でだ」
「まぁ、そのつもりだ。かといって、今のところどう使うかもはっきりしていないが。なんで僕は買ったのだろうか」
「な、何なのよ」
買ったはいいけど、本当に使い道がないな。
まぁ、でもゲームのヒロインではあるのだ、何かには使えるだろう。僕が成長した際、自分の性処理に使ってもいいし。
「とりあえず、エルフ」
そんなことを考えながら僕は彼女を呼ぶ。
「何よ」
「僕は本を読むからマッサージでもしてろ。久しぶりに街を歩いて足が疲れたのでな。丹念にマッサージを頼むよ」
「……はっ?」
僕は自分の足をエルフの方に突き出しながらメイドたちに集めさせた自分の求める情報の書かれた幾つものある本の一つへと手を伸ばすのだった。
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