5日目、逆襲の蟻

 「帰ったぞー」


 「カチカチカチカチ⋯⋯!!」


 女王蟻は白狼の帰宅を嬉しそうに全部の足で地面を駆けて白狼の体を掴まえると、頭を撫でるよう要求した。

  

 「うん、わからんが段々とこの光景に慣れてきちゃった自分がいる」


 (最初はアレだったが、今では蟻が可愛く見えてきてしまった。非常によろしくない)


 何故ならこれから、魔物であるこの子達を殺してしまうかもしれないわけなのだから⋯⋯こういうのはよろしくない気がするわけだ。


 「かといってこんなウッキウッキな瞳で見られても困ってしまう」


 「カチ?」


 (うーん⋯⋯どうしよう)


 すると、白狼の前にウインドウがまたも現れる。



 [クイーンアントとの親交度が最大になりました]


 [種族:アントとの親密度がMAXになった事により、新しい項目『称号』を追加しました]


 [運命粒子のポイントが1000を超えました]


 [業績:数日で魔物に好かれる人間を達成!]


 [ポイントを5000差し上げます]


 

 「なんだ突然」



 [アントのステータスを参照することが可能になりました]


 

 「まぁ、見てみるか」


 何気なく白狼はそのウインドウ覗くが、この時、この街を支配する事になるようになるとは⋯⋯この時白狼自身も理解していなかった。


 

 【魔物:クイーンアントlv3(未成熟)】


 魔力100

 攻撃力30

 物理防御力250

 魔法防御力100

 知能3(1歳児程度)


 弱点属性(火)


 <スキル>

 ・産卵

 ・毒針lv1

 ・自己因子分裂


 『運命粒子6700』




 「すげぇ⋯⋯こんな数値化して魔物を見れるのか」


 拓海に言われていたステータスを感嘆としながらマジマジと見つめる白狼。


 その中でも、白狼の目には運命粒子の項目に目が行く。


 「これは⋯⋯なんだ?」 


 (そうだ。結局このポイントの表示が出たのは今回が始めてだ)


 「結局どう使えばいいのか、あんま分かってないんだよな」


 するとステータスの他にもウインドウが。



 [運命粒子]


 [様々な物事に介入する力。使用すれば二度と手に入れた使用分は戻ってこない。アルドネの法則を人為的に改変する事が可能である]



 「物事に介入する力⋯⋯法則の人為的改変⋯⋯」


 (イマイチピンとこないな⋯⋯)


 そう思っていると、次に現れたウインドウに白狼の表情が一変する。


 「⋯⋯ん?」



 [アントとの関係値を確認。]


 [運命粒子を使用しこのモンスターに対して運命を改変することができます]



 ジッと数秒見つめた白狼は、やっとこの意味を理解し唇が釣り上がる。


 「なるほど⋯⋯!」


 

 [運命粒子を6000ポイント使用します]


 [クイーンアントの基本ステータスが書き換えられます]



 [弱点属性を変更]


 [弱点属性無し]


 [知能が10(中学一年生の平均値)に上昇]


 




























 [クイーンアントのレベルが20に上昇]

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