好きだった男の子が実は男じゃなかった話
「私が秘密を知った日から、村山くんは何も変わらない。」
scene:傾き始めた太陽の差す電車の中
2人でちょっと遠出して遊んできた帰り。
並んで電車の席に座っていて、しばらくしたら遊び疲れたのか、村山くんは私に寄りかかって寝てしまった。
「私は、村山くんのことが好きだった。ひとりの、男の子として。でも、その村山くんは、男の子じゃなかった。本当は、女の子だった。私は、村山くんが女の子でも、村山くんのことが好きなのかな?いや、好きなことは好きだよ、ずっと。でも、それじゃあこの"好き"は、恋愛感情?それとも、友情?わからない。
私が秘密を知った日から、村山くんは何も変わらない。ずっとずっと、村山くんは村山くんで、男の子とか、女の子とか、そんな違いはきっとそこには無い。ただ、私の、村山くんへの見方が変わっただけだから。
「性別なんて関係ないよ。私はずっと、村山くんのことが大好きだよ!」
なんて、そんなことを簡単に言えるような自信は、私にはない。
実際私は揺らいでいる。私は、本当に村山くんのことが好きなのか?
最近はいつも、村山くんについて考えてしまっている。
何度も何度も同じ思考を巡りながら、だけど私はまだ、はっきりとした答えに辿り着けていない。」
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