第3話(お香)

「…えっと……」

忠政と同じように赤面しているお香。何を言えばいいのか分からなくなった。

「…やっぱり、少し待ってくれ。でも少し見えたけど、君が家族の近くに居たら危険だ。お江戸で暮らしてくれぬか?金や宿は渡すから」

「…あ、はい…」


K藩は広い。お江戸に近いところならば江戸に10日で着くが、遠いところなら1ヶ月半ほどかかる。

お香が住んでいるところは、江戸に遠いところだ。しかも、お香の身分はあくまでも「農民」。「町民」ではない。

しかし、K藩よりお江戸の方が豊作だ。

あのにっくき家族もいない。

なんとか生活できそう?だとお香は思った。

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