天空の鳥籠 大海の笹舟

菜の夏

prologue



それはきっと、あまりにも白いキャミワンピースのせいだ。


 仕事、仕事、仕事。


毎夜薄暗いオフィスでパソコンと睨めっこだとはどういうわけだ。勝手に責任者に指名されて喜ぶとでも思っているのか、ここの連中は。気が重いことこの上ない。


だからフロアに出た時、その少女の身を包む清冽な白が、天使の衣のように映ってしまった。



まさしく天使が具現化されて目の前に降り立ったかのように。



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