第6話:生き返ったふたり・・・っておまえ誰?
子宮道を無事抜けた俺と羅利子・・・さっそく
「でもさ、生き返ったら俺たちどの場所に蘇るんだ?」
「そんなの決まってるよ・・・死んだところだよ」
「だからおばあちゃんちだね」
「あ、なるほどな、じゃ〜安心か」
「ほい・・・この勾玉は羅利子のぶん」
そう言って俺は羅利子に勾玉を渡そうとした。
そしたら
「お前ら・・・逃げるつもりか?」
振り向くと、そこに「
「お〜い、なに?俺たち必死で子宮道抜けてきたのに、なんであいつが
先回りしてんだよ・・・意味ねえじゃん」
「あいつ人間でも妖怪でもないんだよ・・・ずっと昔から
「おばあちゃんに聞いたけど昔、安倍晴明って陰陽師さんが黄泉比良坂に来た
ことがあるんだって・・・」
「で、私たちと同じようにここに閉じ込められた人を救うため、式神を使ったんだ
そうだよ・・・それが鬼になったって・・・その鬼は夫婦で前鬼ってのが旦那で、
後鬼ってのがお嫁さんだったんだって・・・」
「で、旦那さんのほうが亡くなったあとお嫁さんの鬼だけがここに残って、
で、その成れの果てが「
「まじでおまえのばあちゃん、なんでも知ってるな・・・」
「だね」
「脂粉さんっていったい何者なんだよ」
「おや、おまえら
「飛んで火に入る夏の虫とはこのこと・・・」
「ちょうどよいわ・・・その勾玉も座敷わらしの魂も両方頂戴しようかね」
「どうせ、おまえらは・・・うんたら、ぽんたら、かんたら・・・」
「おばさん、寝ててくれればよかったのに・・・やっぱり出てきやがった・・・」
「この物語ゆるいんじゃなかったのかよ」
「少しはヒヤヒヤする場面作らないとって思ったんじゃない?」
「それにしてもあいつ、よく喋るばばあだな・・・・今のうちだ、呑気に
しちゃいられない」
俺は羅利子に勾玉を握らせておいて
「しっかり俺にしがみついてろよ・・・離れるな?」
「ばばあが講釈たれてるスキに逃げるぞ。」
「うん、大丈夫・・・コアラの赤ちゃんくらいぴったり壮太にくっついてるから」
で俺は呪文を唱えようとした。
「あれ、おや?」
「なに?」
「呪文なんだっけ?・・・あはは・・・はて?ちょっと待てよ・・・るるべ?」
俺がボケかましてたら
「ふるべ ゆらゆらと ふるべ」
羅利子が唱えた。
と、俺はそのまま気を失っていた。
「
場所に落ちた。
で、俺はほっぺたに痛みを感じて目が覚めた。
どうやら俺は誰かにビビビンってビンタをくらったみたいだった。
ハッと目がさめると俺の目の前に脂粉さんの、ばあさんのデカい顔があった。
「壮太くん、おかえり、ご苦労さん」
「あ、そうか羅利子が呪文唱えたんだ」
でその肝心の羅利子は・・・?
コアラの赤ちゃんみたいに俺にしっかりしがみついていた。
「おい・・・いつまでしがみついてるんだよ」
「生き返ったみたいだぞ」
「このまま、しがみついてたい」
「え〜い重いよ・・・子泣きじじいじゃあるまいし」
「壮太、子泣きを知ってるか?」
ばあさんがそう言った 。
「子泣きじじいも砂かけばああも知ってるよ・・・会ったことないけどな・・・」
「まあいいわ・・・なにはともあれ、ふたりとも無事でないより」
もしかしたらまたが「
俺が生き返らないと数日後には俺の葬式があげられることになるからな。
「さて、また羅利子を奪いに来られないようこの屋敷に強烈パワーの結界でも
張っておくかね」
「まだ俺にへばりついてんのかよ」
そう言いながら俺が改めて羅利子を見た・・・・え?うそっ!!
「だ?誰?・・・お前誰だ・・・・?」
「ばあ〜」
「ばあ〜じゃねえわ」
「つうか・・・羅利子か?・・・なに?、どうした?」
「さっきと違うし・・・なに?その髪・・・え?赤と黒のメッシュ?」
「しかも長いし・・・しかも顔もなんか違う・・・目がつり上がって・・・
瞼の下に赤い模様なんかあるじゃん・・・なに?」
「細かい描写ありがとう〜」
(こいつ羅利子か?・・・ま、まあ・・・可愛いいからいいけど・・・)
「生き返った勢いで本当の私に戻っちゃった」
「さっきまでの私のビジュアルは世を偲ぶ仮の姿」
「そう言われると妖怪?・・・なんとなく座敷わらしっぽくなったか?」
「本当の私の方が魅力的だと思うから慣れてね」
「壮太と私、一心同体だからね・・・もう結ばれてるのと同じ、これからは
ずっと一緒に暮らすんだから・・・」
「え〜いつからそんなことになったんだよ・・・」
「ピテカン・・・」
「二度目はインパクトゆるい!!・・・笑えんからな」
「別のギャグ考えとけよ」
「あ〜そうか、俺、羅利子に取り憑かれてるんだ・・・」
(ったく・・・まだエッチすらしてないのに?)
ふたりが現世に帰ってきた勢いで羅利子の本当の姿が明らかになった。
つづく。
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