13


満足した時が人の終わりなら

一生を足りないまま生きていたい


と願ったのを思い出す。


ただの一度も

自分のものにはならなかったものを

かき集めて数珠つなぎにしてみようか。


珠一つ親指で手繰るたびに己を知るなら

何周廻って僕になるだろう。


丸め込んだ体の下から

もぞもぞと手足を伸ばして仰向けになる。


暇を潰そうにも

数える天井のシミがないから

延々珠を手繰る。


何週目に君がいるとも知らずに

深い呼吸に任せて廻り廻る。


見つけたとかここに居たのかとか、

怖気のするほど見飽きた台詞でもって

君が召喚されればいいのに。


気色悪い。

やめた。

君が何を言うかなんて

僕は知らなくていい。

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