13
満足した時が人の終わりなら
一生を足りないまま生きていたい
と願ったのを思い出す。
ただの一度も
自分のものにはならなかったものを
かき集めて数珠つなぎにしてみようか。
珠一つ親指で手繰るたびに己を知るなら
何周廻って僕になるだろう。
丸め込んだ体の下から
もぞもぞと手足を伸ばして仰向けになる。
暇を潰そうにも
数える天井のシミがないから
延々珠を手繰る。
何週目に君がいるとも知らずに
深い呼吸に任せて廻り廻る。
見つけたとかここに居たのかとか、
怖気のするほど見飽きた台詞でもって
君が召喚されればいいのに。
気色悪い。
やめた。
君が何を言うかなんて
僕は知らなくていい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます