神父への手紙


 ”神父様、相談があってお手紙を書きました。”

 ”私は今誇ることはできない職についております。人々の幸せを考える神父様にぜひ助言いただきたいのです”


「ふむ、詰まるところ盗賊や海賊かな?」


 神父はすぐに返事を書いた。


 ”もしあなたが望むのであれば、いつでも教会にお迎えします。私のもとで神に仕えるための修行を積むといいでしょう。”


 返事が来た。


 ”私は職業柄、少々こわもてですが大丈夫でしょうか。ふさわしい見た目をしていなくても神父様のようになれますでしょうか。”


 神父は返事を書いた。


 ”人は見た目ではありません。大切なのは変わろうとしているあなたの心です。安心してください。”



 数日後、神父の家にノックの音が響いた。


「おや、この前の手紙の主かな?」




 神父がゆっくりドアを開けると、そこには真っ黒な布をまとい大きな鎌を背負った、骨だけの"それ"が立っていた。





ー完ー

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