三百九羽 ☆ リュリュエル、苛烈!
「エンジェルバッグ!
「ふぃわ!? 羽とおててに可憐で手甲な
「ふふん♪
ケモナ! いまはアルマだっけ?
いくわよ!
フィスエル流奥義! 天甲拳!」
闇をまとったケモナの獣の剣閃!
小さい体で見事なアクロバット!
暴走していても冴えわたる剣技!
柔らかくも堅固にしなる羽と拳!
可憐な籠手が流麗妙技な攻と守!
きらりと輝く手の甲による掌打!
一進一退の剣と拳の攻防!
ですが!
「闇のオーラが剣の軌道とは関係なく、まるで意思を持ってフィスエルを襲ってます!
フィスエル、ボクが!」
「きっつ! うっかりすると支配されちゃう!
リュリュエル! こっちに来ないで!
いくら防御が無敵でも、あんた精神攻撃に弱いでしょ!」
「でも! このままではフィスエルが危険すぎます!
ですがボクではポカポカしか!
リュエル!
……はい……ダメですよね?
わかってます……」
「リュエル!? なんのこと!?」
「うう〜ん。わふ?
みのこ? あーやのことだっこ?
あーやのことすき?
ぺろぺろする?」
「ぺろぺろしないし!?
アーヤ! よかった! 正気に戻ったし!
好きっていま聞くし!?」
「がう? みるくがいっぱい?」
「ああ。不思議だな。あんなに恐ろしかった黒いのがこんなにあったかく、やわらかくなるなんて。
アーヤ、あっちでケモナが大変なことになってるし。
俺とアーヤのミルク色の触手を操れるか?」
「わふ! あーや、やる!」
「よし! いっけ〜〜〜!!!」
「ふぅわ!
走り回るミノコ様に抱っこされたアーヤちゃんから伸びる無数のミルク色オーラな触手がケモナに迫ります!
ですが、獣で鋭敏な感性と俊敏な体術でかわして、ウイングソードの剣圧でミルク色オーラを払うケモナ!」
「すごいわね! 普段のケモナよりよっぽど強いわ!」
「がうぅ……ねむ。わふぅ」
「アーヤ!? 寝ちゃダメだし!」
「ミノコちゃん! そのミルクオーラでわたしを攻撃して!」
「え? わかった!
アーヤ! 起きろ! 最後に一回だけ!
あの凶暴天使を殴れ!」
「凶暴ってわたしが!?」
「わふぅ。ぺろぺろわかた〜」
「うっひゃあああ!?
いいからやってくれし!」
「わふん!」
「ふぃわ!? 殴るミルクなオーラの拳をフィスエルが受け止めて!
ミルクオーラがフィスエルの拳に収束してます!」
「やっぱり闇のオーラと同じでまとわりつくのね!
いいじゃない!
ケモナ! これで終わりにしてあげるわ!」
「ぼくの邪魔をするな〜〜〜!
獣剣秘奥義! 虎狼の修羅剣!」
虎と狼の特徴にメタモルするケモナ!
「なにこの動き!?
たまんないわね!
でも!
……我が発する言の葉は 我が力へと昇華するものなり
我が手甲の拳よ 万物に斬れぬ金剛となりて
なにものをも打ち砕く無敵の拳と成せ!
天甲拳奥義! 金剛天砕拳!」
疾風のごとく苛烈極まる虎狼たるケモナの剣戟!
踊るように舞うように刃を受け止める天甲の拳!
「強い! でもこれでおしまいよ!
ミルクに包まれた拳姫の拳を喰らいなさい!
手加減するから消滅しないで!
エンジェルミルクフィスト!」
ボディを斬り裂かれながらも、致命傷をさけて!
ケモナの顔面とおなかに突き刺さる手甲な羽と拳!
「けも!?」
ミルクオーラが闇をまろやかに中和して、穏やかな表情で倒れるケモナをフィスエルが支えます!
「ケモナが元に戻ったし!
アーヤ! 俺たちやったし!」
「わふ! みのことあーや、がんばった!」
「うわ!? だから、抱きつくなし!
寝ちゃったし!」
「とってもお似合いな仲良しもふもふカップル誕生!
ミルキーな愛とやさしさが果てしない!
ぺろぺろされすぎミルクいっぱい狼獣人勇者様! 爆誕です!」
「ふう〜! 疲れた!
ボディがもってくれてよかった!
奥義二連発きつすぎてぼろぼろよ!
もっと修行しないと!
ケモナったら、激しい殺人剣も使えるのね。
アーヤちゃんとミノコちゃんのミルクがなかったら殺られてたかも。
まさか、こんなに強いとは思わなかったわ。
ふふ。普段はやさしすぎてあんまり強くなれないのね?」
「フィスエル、強すぎです!
さすがボクの可憐で暴力なお姫様!」
「ひゃわ!? 抱きつくな!
ほめるの!? けなすの!? どっちよ!?
ま、またボクのって……
も、もう、わたし……ごにょごにょ……」
「あれれ? なんだか真っ赤で止まっちゃいました?
いまがぺろぺろチャンスです?」
「ひゃわ!?」
「争いがなんとか終わりました!
さあ! 怪我をした皆さんを元気にしちゃいますよ!
エンジェルキュア〜〜〜!」
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