三百八羽 ☆ リュリュエル、仲間!

「不意を突かれなければ大丈夫!

ケモナ! 正気に戻って!

リュリュエル、子どもたちはもういいの!?」


「あともうちょっとです!

ドピュッと神速で大喜びな大歓声です!

全員の避難は完了までお願いします!

ですが、闇があふれてまるで地獄のようです!」


「絶対、大絶叫よね!?

てふてふがいてくれたら、なんとかなるのに!」


「呪いと負の感情のコラボ!

いや、まったくおもしろいもんだ!

これは大いに研究のしがいがありそうだ!」


「勝手なこと言って! このカス!」

ピキ!

「クズのあんたを倒せば呪いが解除されるのかしら!」

ピキピキ!

「なんとか言いなさいよ! カスでクズ!」

ピキピキピキ!

「失礼極まりない。

私の呪いは私の消滅とは関係ないな。

おや? あれは?」


「見て! ミノコちゃんがアーヤちゃんに張りついてる!

ミノコちゃんも闇に支配されちゃうわよ!?」


「がああ! こわい! にくい! きらい!

ぺろぺろする♪」


「ぺろぺろはするんだし!?

黒い感情が俺の中に流れ込んでくる!

こんなにつらい思いをしてるのか!

アーヤ! 大丈夫だ! なんにも怖いことなんてないし!

俺がいるから! 周りのみんなにも怖い思いをさせたらだめだし!

俺は黒くなんてならないし!」


「ミノコ様から乳白色のオーラがにじみでてますが効果は薄いようです!

闇のオーラの勢いが強すぎます!

ですが、ミノコ様の覚悟は決して負けていません!

ミノコ様が想いをぶつけるたびに、なぜか闇のオーラがびくんと反応!

もしやこれは!

お子さまたちの避難も完了しました!

いよいよここはボクの出番!

エンジェ〜〜〜ルギフト!」


ミノコ様に降り注ぐ光のシャワー!


「大丈夫……俺はアーヤを一生大事にする。

だから怖がらなくていいんだ。

みんなと幸せになるんだし。

な? アーヤ?

うっひゃああああ!?

ぺろぺろしてるし!?」


ぶわっ!

ミノコ様からあふれて輝く、果てしなくやさしいミルク色のオーラ!


「ミノコ様のやさしさがあふれてます!

スキル<高潔な愛の魂が心を救う あらゆる闇を溶かす慈愛のミルク>が発動!

アーヤちゃんの闇のオーラに染み渡って!

輝くミルク色で無数の触手が、暴れる皆さんを次々と透きとおるように覆っていきます!」


「闇がミルク色になってく!

みんなの恐ろしい形相が穏やかになってくわ!

これなら! 争いが終わるわよ!」


ただひとり!

ミルク色の触手を俊敏すぎる獣の動きでよけるお姿!


「ぼくは最後まで戦う!

みんなをいじめるな!

ひとりにしないで!

孤独はいやもな!

仲間を奪うな!

争いが憎い!

戦が憎い!

みんな、みんな死んじゃえ〜〜〜!」


「ケモナ!?

前世の記憶が混同してるのか、闇に支配されて暴走もいいとこね。

そんなに孤独を嫌がって、仲間を思うなんて……

よっぽどつらい人生だったのね。

いいわ!

拳の天使フィスエルがケモナの憎しみを払ってあげる!」


「ふぃわ!?

仲間同士で戦うなんてダメです!

それにケモナは武器を持ってるんですよ!

拳じゃ不利です!」


「あら? そんな心配するんだリュリュエル。

武器相手に素手の心配なんて、いまさらじゃない?

でも、そうね……暴走してるとはいえ、闇をまとった本気のケモナと殺り合うんだものね?」


ケモナの闇をまとった攻撃に回避優先で防戦一方なフィスエル!


「殺り合うのお言葉が殺伐としてますぅ〜」


「道具を使うのは好きじゃないんだけど、闇の支配のこともあるし、久しぶりにあれを使うかしら?」


「あれってなんです!?」

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