三百一羽 ☆ リュリュエル、覚悟!

「なあ、もう大丈夫か? 怖くないか?」


「わふ? わふ〜♪

 ぺろぺろする〜♪」


「うっひゃああああ!?

それはもういいから!?

にっかり笑ってるし、大丈夫みたいだな(かわいいし)」


獣人さんたちと楽しむワイルド丸焼きバーベキュー。

食材とビリビリの素はゲットです!



狼獣人な二人、川の水面スレスレにせり出した、太い樹の枝の上に並んじゃってます。


「そろってエヴァーナル川にもふもふしっぽをたらしちゃってますね!」

「狼獣人同士、あの二人ってなかなかお似合いじゃない?

またぺろぺろして騒いでる。

ねえ? 魔王の卵はほんとに大丈夫かしら?」


「様子を見るもな。

ミノコの気持ちも大事にしたいもな」

「……それもそうね」

「なにかいい方法を探すもな」

「でもいざとなったら……覚悟は必要よ?」

「もな〜」


「いっそのこと覚醒しちゃってもいいんじゃないです?」

「「いいわけあるか(もな)!」

「ん〜〜〜? ボクもお魚釣りに行ってきます!」




ぱたぱたふわふわ大河の上で釣り糸をたらすボク!


「なんでケモナをえさにするけも!?」

「かわいいケモナで大物が釣れそうです!」

「やめろもな! ケモナは戻るもな!」

「残念ですぅ〜」


「飛べるっていいな。

釣りポイントに行きたい放題だし!」

「わふ?」


「リュリュエルのことだから、どうなるかわかんないわよ?」


ばっしゃ〜ん!

ばっくん!


「ふぃわわわ!?」

「ほら。ラザニアに丸呑みされてる。

えさね、えさ」

「平和もな〜。

ケモナは逃げてよかったもな」


「仲間が食われてるのにいいの!?

川の中に潜っちゃったぞ!?」

「「あんなのお約束よ(もな)?」」

「わっふ〜♪」


「お約束って!?

ケモナの仲間っておかしいし!

しっぽにヒットの感触!

かかったし! そりゃ!

ラザニア! けっこう大物じゃん!

しっぽ釣りは俺の勝ちだな!」


「ボク、大復活です!」

「口から出てきた!?」


「わっふ〜♪ ぺろぺろ〜♪」


「うっひゃああああ!?

顔をぺろぺろ、なめるなし!

なに!? すごいって言ってるの!?

うわわ!? 魚! 魚が逃げるし!」


「すっかり気に入られてるもな!」


「さっきの怖い感じがうそみたいだし!

そういや、まだみんなの名前、ちゃんと聞いてないな?

なあ、俺はミノコっていうんだけどさ……」


「みのこ? かわいい♪

よしよし♪ なでなで♪」


「かわいいはほっとけし!

そういうお前の名前は!?」


「わふ? あーや」

「アーヤか! かわいい名前じゃん!」


「ボクは10級見習い天使のリュリュエルで〜す!」

「わたしは拳の天使フィスエル、7級よ」


「ケモナもみんなもいい名前だし!

俺も略称なんかじゃなければ良かったし!」


「あら、アーヤちゃんだって略称よ?

暗黒フェンリル闇魔獣からリュリュエルがつけたのよ」


「マジかし!」


「略称でもかわいくていい名前じゃない」

「アーヤちゃんにミノコ様!

お二人がそろうとなんだか、そこはかとないですね!」


「ちゃん付けしないでほしいし!

俺、女の子じゃないし!

ところで、肉ってまだ焼けてなさそうだし?」


「すんすん♪ みのこ、い〜におい〜♪」

「うわ! だから、抱きつくなし!」

「わふ! けもなもい〜におい〜♪」

「おい! 二人いっぺんに抱えるな!」

「もな〜」

「ぺろぺろ〜♪」

「「うっひゃあああ!?」」

「ぬくぬく♪……ねむ〜。

ふわぁ〜……くぅ」


「アーヤ、寝ちゃったし。なんだか俺も眠くなっちゃったな」

「追加の魚肉が焼けるまで一眠りするもな?」

「「くぅ」」


「なにこれ? もふもふ三人がからまって寝てるわ。

かわいいがすぎる!

くんくん。陽だまりみたいないい匂い。

抱き枕にしたら気持ちよさそう……」


「いいですね!

ボクたちもいっしょに寝ちゃいましょうか!」

「それもいいかも。

ひゃわ!? ぺろぺろしようとしないで!?」

「じゃあ、してください!」

「するか!」


アーヤちゃんたちにひっついて、ほんの少しのお昼寝タイム♪

もふもふやわらか♪ 陽射しがぬくぬく気持ちいいです♪

起きたら、みんなで焼けたうなぎさんでお昼ごはん♪


「それで? あんたはどういう種族なの?」

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