三百羽 ☆ リュリュエル、根性!
「いやだし!
ケモナもみんなもくるな!
俺がこの子を止めるし!」
「仁王立ちけも!?
どうするつもりけも!?」
黒い奔流に飲まれるアーヤちゃんの爪が振り下ろされて、オオカミ少年の肩を切り裂きます!
「ぐああっ!!!」
「がううううう!」
続けて、しつこいぺろぺろ攻撃でお顔をぺろぺろ!
「ぺろぺろ〜♪」
「うっひゃあああ!?」
痛くてこそばく暴れるアーヤちゃんを抱きしめるオオカミ少年!
「大丈夫……なんにも怖いことないし……
ほら、よしよし。俺が守ってやるし……な?」
「ふぅわ!
切り裂かれた傷をものもともせずに、やさしさあふれるお顔でしっかりぎゅぎゅっとなでなでしちゃってます!」
「がうがう! がああ!」
爪を立てて、鋭い牙でがぶがぶ咬みつくアーヤちゃん!
「ぐ!?
怖いのか? 不安なんだな?」
「しつこいぺろぺろ攻撃でお顔をぺろぺろがしつこいです!」
「ぺろぺろ〜♪」
「うっひゃあああ!?
どっちも俺が受け止めてやるから全部ぶつけろし!
だから、安心していいんだ。
な?」
「ふぃわ!?
オオカミ少年さんのお体から乳白色なオーラがにじんでますよ!」
「がう? がううう……わふぅ……」
「乳白色のオーラが闇のオーラを溶かすように消えていくわ。
なにかしら?」
「ケモナもはじめて見たもな!」
「ぺろぺろうらやましいですぅ〜」
「わたしを見ないで!?
しないわよ!?
これってスキルかなにかの力?
それはそれとして、気持ちと体でしっかり受け止めて、なかなか根性あるわね」
「にいちゃんなら、きっとこうしてた。
ていうかさ、ケモナが天使の力で癒してくれるし?」
「にいちゃんを真似たからって、なかなかできるもんじゃないもな。
ミノコの心が強くてやさしいからもな。
だけど、ちゃっかりもしてるもな」
「あんた、一歩間違えてたら死んでるわよ?」
「へへへ〜。
ん? なんか目がかすむし?」
「ていうか! 出血多量で死にそうになってるじゃない!」
「あ……にいちゃんがお花畑で手をふってる……
ミノコじゃなくてかっこいい名前にしてほしかったし」
「のんきなこと言って、死んじゃうけも!?」
「ピューってあちこちから血が出ちゃってますね!
怪我を治しちゃいましょう!」
「「「エンジェルキュア〜!」」」
「集落にお住まいの獣人さんたちも巨大な食材に大注目ですね!
しっかりふるまっちゃいましょう!
みんなで給食着に衣替え!
エンジェル3分クッキング〜〜〜!
ビビンバとラザニアを使った川魚料理にしちゃいましょう!
電気うなぎ肉のビビンバ丼やかば焼きに、ピラニアお肉と爆爆小麦粉を使ったラザニアやムニエルなんていかがです!」
「やめんか!
あんた、ピラニアの鋭い牙を刻んで入れちゃいました〜!
ビリビリの素も入れちゃいました〜!
とか言うんでしょ!」
「なんで分かったんです?」
「分からいでか! 今回はケモナにまかせなさい!
ケモナったら、給食着かわいいわね!
さすが天界のマスコット!」
「しゅ〜〜〜……
かわいいはてれるもな〜。
普通に丸焼きにするもな」
「丸焼きって普通なの?
こんなにでっかいのに?
……ま、まあそれもワイルドでいいわね?
リュリュエルの料理よりは間違いなくマシだわ!」
「フィスエルの手料理でもいいんですよ?
ボク、ドキドキワクワクですぅ〜〜〜!」
「え!? わたしの手料理!?
そ、そそそ、そうね! ま、またの機会にしとくわ!
今度、機会があったり、もしも万が一、億が一にでも必要になることがあったら、とびきりおいしい手料理をごちそうするわよ!
わ、わたしの拳にかかれば料理だってなんだって一撃なんだから!
楽しみにしてなさい!(ひ〜〜〜!!!)」
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