二百九十四羽 ☆ リュリュエル、連続!

「とんでもない攻撃がまだまだ来るぞい!」


ビシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!


「ふぃわわわ!?

連続アクアレーザーショットの嵐です!

回避がぎりぎりすぎて危険です!

エンジェ〜〜〜ルウイング!

ドピュッと神速で逃げ切ります!」


垂直上昇に急下降!

右に左に急旋回に!

華麗にスピンにぐるぐる、ぐるっと!


「攻撃がしつこい! リュリュエル、追いつかれちゃうわよ!」

「目が回る! わしの手を離さんかい!」


「離しません!

とってもピンチです!」


「ちょっと! ミジウノくんが手にしてる支配の龍笛は結局だめなの!?」

「ミジウノ様!」

「よ、よし! ……両手が使えん!」

「しょうがないわね! わたしがミジウノくんを支えるから!」


ミジウノ様の腰ベルトをつかむフィスエル!


「吹くぞ!」


ピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!


「ピクッと反応しましたが、アクアレーザーショットが止まりません!」

「逆鱗のせいじゃ! 興奮しすぎて耳に届いとらん!」


「どうやら、少しおとなしくなってもらう必要がありそうですね!

ミジウノ様! さっき授けたギフトです!

頭に浮かんだスキル名を叫んでくださ〜〜〜い!」


「ギフトじゃと!? よ、よしわかった!

スキル<幽体なのに実のある聖なる愛 海魂が召喚する聖なる幽霊大海賊団>!」


ピッカ〜〜〜!


「空から光がさして、闇夜の海上に立ち込める山のような白い霧!

そこから現れたのは!

光り輝く聖なる幽体な空飛ぶ幽霊海賊船がいっぱい並んでいます!

荒くれ船乗り幽霊さんたちも乗り込んじゃってますよ!」


「こりゃミジウノ大海賊団じゃ!」


「ミジウノ様! 手下の皆さんに号令をどうぞ!」


「号令? よし!

わしのかわいいミーノを助けるんじゃ!

野郎ども! かかれぇ!」


雄叫びあげてそれぞれ武器を掲げる手下さんたち!

幽霊海賊船からの、光る砲弾が海龍ミーノ様に集中砲火!

雨のような光り輝く弓矢の攻撃!

縄梯子や甲板から鉤爪付きのロープを投げつける手下さん!


身をよじっていやがる海龍ミーノ様がアクアレーザーショットを放ちますが!

幽霊海賊船も手下さんにもすり抜けるだけで無傷です!


「ふぃわ!?

甲板から飛び出した海賊さんたちが、空を走ってます!

さすがゴースト!

海龍ミーノ様にとりついて、硬いうろこにサーベルなどが振るわれてます!」


「刃が刺さってるのにミーノちゃんを傷つけてないわよ!?」


「どういうことでしょうエンジェリックア〜〜〜イ!

ん〜〜〜? どうやら物理攻撃ではないようですね?

砲弾も武器もすべて!

精神攻撃のようです!

しかも相手からは触れられないのに、こちらからは触り放題な都合のいい幽体な実体のようですね!

大海原の幽霊大海賊団、霊界から海を守る海賊船長勇者様! 爆誕です!」


「勇者!? わし、死んどって、幽霊なんじゃが!?」

「なによそれ!? ほとんど無敵じゃない!」

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