二百九十三羽 ☆ リュリュエル、権化!

「ファインプレイじゃ!

支配の龍笛をわしに投げろ!」


「はい! いきますよ!」


スカッとミジウノ様の手をすり抜けて転がる支配の龍笛!

あわてて群がる手下さんたちのおててもスカッと!


「わしら、ゴーストじゃった!

もうなにもできん!」


「海龍なミーノ様が天井をさらに破壊して出て行っちゃいました!」


「あんたたち、ばか!?

支配の龍笛なんてものどうしたのよ!

ちゃんと回収しときなさい!」


「上の広間には海龍が外へ出るための隠れた通り道があるんじゃ!

我を失っとるし、すぐにはそこを通らんかもしれんが、もしも街に行ってしもうたら!」


「リュリュエル!

港街に行かせないように食い止める!

先に追いかけてるわよ!」


「はい! 放ってはおけないですね!

ここはいよいよボクの出番です!

ミジウノ・ハシャウ様!

大切な孫娘ミーノ様を助けてください!

エンジェ〜〜〜ルギフト!」


ミジウノ様に降り注ぐ光のシャワー!


「なんじゃこの光は!?」


「さあ! 追いかけますよ!

支配の龍笛を確保して、ボクの手をつかんでください!」


「いや、わしゴーストじゃし触れんじゃろ?

まあ一応? なんと、拾えた!?

うおおおお!?」


「うねる隠し通路を右に左に一気に盛大、大脱出!

ドッパ〜〜〜ンと、しぶきをあげて!

ミジウノ様をひっぱって海の上!

いやっほう!」


「わ、わし! 死ぬかと思った!

死んどるけど!」


「荒くれ船乗り幽霊さんたちもしっかりついてきてくれてます!

それなりに時間は経っていますが、シーバ様の王立海軍艦隊が見あたらないですね?」


「ゴーストのミジウノくんと手をつないでる!?

リュリュエル、遅い!

エンジェルフィスト百裂拳!

凶暴化した海龍相手にわたしひとりじゃ、ひきつけるだけで精一杯よ!」


「ふぃわ!? フィスエルがぼろぼろです!」


「あっちみて! かなり遠くてかすかにしか見えないけど、あれ灯台の灯りでしょ!

ミーノちゃん、もう気づいてる!

行きたくてしょうがないみたい!

なんで龍ってこう、破壊衝動の権化みたいになっちゃうのよ!

ばかじゃないの!」


ぎゃおおおおおおおお!


「ふわ!

海龍ミーノ様から強烈なプレッシャー!

なんだか危険な予感エンジェリックア〜〜〜イ!

あやふやだった称号とスキルが判明しました!

称号は<心と記憶のかけらを喪失した漂流者>に!

<大海原の落し子 忘れられし大海龍の後継者>!

スキルは、<大海龍が支配する大海流>と!

ボクが授けた<心に宝 想いが渦巻く 愛の激流 止まらない愛の渦潮>!

これは……ブレスです!

フィスエルよけてください!」


龍の顎が開かれて、渦巻く水の塊が宙に形成されていきます!

フィスエルがしっかり狙われて!

ビシュン!


「きゃあああああ!

一瞬で羽がつらぬかれた!?

いまのなに!?」


「とんでもない圧力で放たれたピンポイントな水流の攻撃です!

言うなればアクアレーザーショット!

フィスエル! 肩を!」


「これぐらいなんてことないわよ!

ま、まあ……ありがとね。

その、そんなにくっつかなくていいんだけど……」


「だめです!

しっかり支えちゃいますよ!」

「どこを支えてるつもり!?」


「お前ら、こんなときによくまあ、いちゃいちゃできるもんじゃ!」

「してないから〜〜〜!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年11月27日 11:30

はちゃめちゃボクっ娘?天然天使リュリュエルが勇者を大量爆誕!異世界無双! こい @k_o_i

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画