二百九十羽 ☆ リュリュエル、舞!

「わかった!

ミーノも海賊! 大海賊ミジウノ・ハシャウの後継者だもん!

いずれは大海賊として海の覇者になるこのわたし!

ミーノ・ハシャウにまかせなさい!

悪魔の野望なんてミーノが略奪してあげる!

海の平和を守ってみせるわ!」


「まったく、神器なんてものに出くわすなんてびっくりだわ。

もちろん悪魔に渡すわけにはいかないわ!

リュリュエル、やるわよ!」


「フィスエル、がんばってください!

ボクは、ボクの秘宝を守りにいきます!」

「まっしぐら!?

あんたのじゃないわ!

いつからあんたのになったの!?」


「たったいまです!」

「いま!?

エンジェルフィストスプラッシュ!

海の中でもわたしの拳はいけるわよ!

効いてないけど!」


「仲間割れじゃないかい?

天使はともかく、ミーノとはいちゃいちゃしたいだけで、殺し合いなんてしたくないじゃないかい!

それにこの場所はわたしに不利じゃないかい?

まともにやったら勝ち目はないじゃないかい!

我が手に来れ! 泡と弾ける死! あぶくと消える泡沫の戦輪チャクラム

あわあわ堅牢の舞!」


「ふっわ〜〜〜!

長い手足でなめらかとっても魅力あふれる羽衣な舞が美しいです!

両手には死を感じる刃な輪っかがくるくると怪しくきらめいて、輪っかからたくさんのあわあわがプクッと大きくなって、猛スピードで迫ってきます!」


「スキル<心に宝 想いが渦巻く 愛の激流 止まらない愛の渦潮>!」


聖域を守る聖力が攻撃を弱体化!


「ミーノ様の谷間から発する渦を巻く大渦潮があわあわを弾きますが!」

「ちょっと! 泡がぶつかり合って壁に跳ね返って、とんでもないわよ!」

「またまたバブルがたくさんピンボール状態ですぅ!」


「以前と同じことして、ミーノはおばかさんだねぇ。

栄養がたぷんにばかり、いってるんじゃないかい?」


「やかましい! 余計なお世話よ!

きゃあ!?」


「ふぃわわわ!? 全員あわあわの牢に閉じ込められちゃいました!」


「エンジェルフィストスプラッシュ!

うわ! 弾力で弾き返されるわ!

威力がよくない!?

もしかして聖域の影響がわたしたちにも!?

とてもじゃないけど、割れそうもないわ!」


「あっはっはっは!

こいつはいいね!

バブルの中で遊んでるんじゃないかい!

わたしのミーノ、悪いけど神器はもらっていくんじゃないかい」


ピンボールな泡を避けながら、祭壇に祀られた竪琴を手にするシーバ様!


「いかん! どうしたらいいんじゃ!

ゴーストの体が憎いわい!」


「フィスエル流奥義! 天勁拳!」


「流麗な動きから、まるで威力のなさそうな掌底が、バブルにぽすんとか〜るくヒット!」


「んん! 一撃じゃ無理!

何度か殴れば割れそう! もう一度!」


「いつになったら割れるかねえ?

悪いけどこれでおいとまするじゃないかい?

悪いねえ、わたしのミーノ……ミーノ?」


「卑しい手で神器に触れるな……」

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