二百八十七羽 ☆ リュリュエル、創造!

「「教えてほしい(んじゃないかい)!」」


「ボクも知りたいです!」

「まあせっかくだから?」


「そんなら話してやるわい。

お前らが言うとる秘宝とはの……

七つの異世界の海に隠されたという、七柱の神が創りし創世神器のことじゃ」


「ふわ! なんだかドキドキワクワクですぅ〜〜〜!」

「創世? それって世界を創造する創世のこと?

創世神話のことかしら?

教科書にもあんまり詳しくは載ってない話じゃない」


「正直、わしも詳しくは分からんがの。

海、大地、空、火、光、理、生。

それぞれの神器に、司どるエネルギーが秘められとるという。

七つすべての神器を使うことでいくつかの世界を創造したと、レリーフには刻まれとった。

問題はここからじゃ。

この神器はのう、世界を破壊することもできるようなんじゃ。

そんなもんを世に出すわけにはいかん」


「教科書に載ってる話とは違うわね?

異世界っていってもいろいろあるみたい?

たしかに人魚の秘宝<海荒れる 凪そよぐ 調べ>は海のエネルギーを利用して、大平原を海びたしにするくらいの破壊行為をしていたわ。

でも、世界を破壊っていうほどじゃないと思うけど?」


「おそらくじゃが、正しい使い方をしとらんのじゃろ?

もしくは七つそろって効果を発揮するとかかのう?

いずれにしろ危険なものには変わらん」


「ミーノ、そんなお宝いらないよ!?

おじいちゃんの宝ってもっとドキドキワクワクするものかと思ってたのに!」


「ミーノや、ドキドキワクワクするわしの宝なら、ほかにちゃんとあるわい」

「ほんと!? ミーノ、そっちが欲しい!」


「そんなことは知ってるじゃないかい!

さっさと神器のありかを吐くんじゃないかい!」


「だから教えんと言うとる!」


「ところでリュリュエル。

いかにも寝ちゃいそうな話なのに、珍しく起きてると思ったら壁をあれこれ何やってるのよ?」


「ん〜〜〜?

なんとなく気になるんですよねエンジェリックア〜〜〜イ!

ふぃわ!?

これは何やら複雑巨大なスライドパズルな予感!

崩れたレリーフを戻して、こっちのレリーフを右に、あれを上に、これを右に右に右に下に……」


「なにをしよる!?

壊れたって言ったじゃろ!

こらやめんか!」


「シュパパッと高速早解きです!」


「やめんか! やめろというとんじゃ!

スカッとすり抜けて止められん!

ミーノ! やめさせるんじゃ!

って、なにを期待あふれる顔で応援しとる!?

手下どもも応援なんぞすな!」


「え? ワクワクなロマンが止まらないんだけど!」

「右に同じじゃないかい!」


「ごめんなさい! わたしもドキドキしてる!

でもこれって、直接介入もいいとこじゃない!?

……なんかいろいろ今さらな気がするけど、気のせいってことにしてもいい!?」

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