二百八十四羽 ☆ リュリュエル、察知!

「というわけで!

海底神殿の最深部に到着です!」


「待って! 大冒険は!? 謎解きは!?

転移魔法陣からここまでのロマンはどこにいったの!?」


「住みついてる海の魔物を撃退したり、崩れる天井を回避したり、ちゃんと大冒険したわよ?

ミーノちゃんたら転移してすぐ、荒らくれてそうなのにニコニコ笑顔な船乗りゴーストにほっぺやおしりをなでられて気絶しちゃったんじゃない」


「みゃあああああああって、すっごい顔でしたよね!」

「ほら、ミーノちゃんのたっぷんな胸の谷間から、船乗りゴーストの顔が飛び出てるわよ?」


「みゃあああああああ!?」


「あら。また気絶して……わたしのミーノをお姫様抱っこできるなんて、シーバうれしい!」


「ねえリュリュエル。な、なんでわたしまでお姫様抱っこしてるのよ!?」

「シーバ様を見習ってみました!」


「ミーノのくちびるを奪う大チャンス!

眠り姫にキスしちゃおうじゃないかい♡」

「ボクはフィスエルの真ん中を!」


「「するな!!! 死んでしまうわ!」」


「シーバ殺す!

は!? お姫様抱っこ!?

いやだ〜〜〜! おろして〜〜〜!」


「腕の中でジタバタ大暴れもかわいいじゃないかい!

パンチが心地いいじゃないかい♡

くすん。残念♡」


「わ、わわわ、わたしもおろして!」

「残念ですぅ〜」


「キスを感知して復活するなんて、なかなかの察知能力ね?

それにしてもミーノちゃんて、海の中でも息ができるのね?

まさかのアンデット?」


「みゃあ!? ミーノをゾンビといっしょにしないで!?

フィーちゃんたちだって、海の中でも平気じゃない!」


「まあ、天使だから?」

「理由になってなくない!?」


「シーバ様はスキルで作ったバブルアーマーで快適そうですね!」

「まあねえ。天使様からもらったスキル<泡であわあわ したい させたい バブルにはじける泡泡天獄>のおかげじゃないかい」


「ねえ! 神殿の雰囲気が変わったわよ!」


「ふぃわ!?

海底が隆起したんでしょうか!?

海底神殿の壁があちこち崩れて、暗い深海が丸見えです!」


「海底神殿の謎発光のおかげでけっこうしっかり照らしてくれてるわね?」


「おやまあ。ずいぶんと神殿の階層が深かったけど、ほんとに海の底まで来ちゃったんじゃないかい」


「熱っ! 海水が熱い!

ミーノの白くてキレイなお肌がゆでだこ真っ赤になっちゃう!」


「これは確かに熱いねぇ。だいぶ熱湯がすぎて先に進めないんじゃないかい?

泡なら大丈夫か試してみるんじゃないかい?」


「海底火山が活発に活動してるみたいね?

あちこち熱水が噴き出してるわ」


「あれ? なんだか熱さが和らいでない?

ミーノ、熱くないよ? ていうか寒くない?」


「バブルアーマー越しでも、ぶるぶるするほど寒いんじゃないかい!?

熱水があんなに揺らいでぐつぐつしてるのに、おかしいんじゃないかい!?」

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