二百八十三羽 ☆ リュリュエル、お嫁さん!

「そういえば、でっかい鯨に食べられて大丈夫だったの!?」

「はい! とっても元気です!」

「にこにこだもんね!」


「でっかい鯨ってなに?

知らないとこで、まためちゃくちゃしたの!?

ミーノちゃん、目的の場所がすぐに見つかって良かったんじゃないの?」


「もじもじフィーちゃん、復活してるし。

ロマンのかけらがなさすぎて、ミーノは悲しいの!」

「もじもじフィーちゃんてわたしのこと!?」


「そこで悲しんでる、わたしのミーノ!

なぐさめてあげるから、この王立海軍艦隊司令官、シーバ・ブルキール中将の胸に飛び込むんじゃないかい!」


ドーン!


「ふぃわ!? 今回もシーバ様の人間大砲です!

砂浜にドッカンと着弾してからの、すかさずミーノ様に抱きつき攻撃!

口から煙をだして黒こげです!」


「けほ! ミーノを抱きしめるしあわせじゃないかい♡」


「この色ボケ女!

シーバってほんとに人族!?

頑丈すぎ!

うまく巻いたと思ったのに!

またミーノの邪魔する気ね!

おじいちゃんの秘宝は渡さないし!

離れないと殴るわよ!」


「もう殴ってるし! 邪魔だなんてシーバ泣いちゃう!

秘宝を見つけるのは王様に命令されたシーバの任務だからねえ。

ミーノがわたしのお嫁さんになってくれたら、引き換えにあげてもいいんじゃないかい♡」


「シーバの嫁なんかになるもんですか!

ていうか、あんた女でしょ!

ミーノは永久に海賊なんだから!

フィーちゃんはお嫁さんになってもいいんじゃない?」


「わたし!? だ、だだだ、誰に!?

女同士でもよかったんじゃないの?」

「相手にもよるでしょ!?」


「シーバ様がシクシクしてますね!

とっても大きいガレオン船が五隻!

他にも中くらいのや小さいのと、以前よりも立派な王立海軍艦隊がぷかぷか浮いてます!

前回、ミーノ様のスキルで壊滅状態でしたが、増強復活したんですね!」


「その代わり、あのとき見つけたお宝の山はなくなったけどねぇ。

そんなことよりも天使様が二人もいるじゃないかい。

今回もわたしのミーノに同行するのかい?」


「お宝ワクワク、もちろんです!」

「まあ、他にやることもないし?

楽しそうだし? いいんじゃない?

……なんかリュリュエルのいいかげんさがうつってない!?」


「ふ〜ん、そうかい。

またギフトでももらえるなら楽しみだねえ!

お前たちは船で待機してるんじゃないかい!」


「このでっかい美人もあんたの勇者なの!?」


ビシッと敬礼な軍人さんに船乗りさんたち!


「オルカも自由にして待っててね!

リュリュエルみたいな変なもの食べちゃダメだよ!」

「きゅきゅ〜」


「ミーノ様、ひどいですぅ〜。

さっそく転移魔法陣にレッツゴー!

その前に!

給食着に衣替え!

エンジェル3分クッキング〜〜〜!

南国パラソルなトロピカルジュースをどうぞ!」


「「おいしそう(じゃないかい)!」」


「わたしはおすすめしない!

絶対! 口にしない方がいいわよ!」


「そうなの? これ飾り? キラキラ光り輝くつぶつぶのついた葉っぱがかわいいし、すっごいトロピカルでおいしそうだし……」

「「いただきます!」」


「わ! さわやかな香りにすっきり甘味に、ちょっぴり塩味がおいしい!」

「ごくごくいけちゃうんじゃないかい!」


「熱い南国に冷たくておいし……んん?

さぶっ!? か、体が凍る!?」

「凍えてくるじゃないかい!?」

「「さ、寒すぎ!!!」」


「鼻水だらだら、真っ青!

体がカチカチ凍りついてる!

だからおすすめしないって言ったのにね。

さ! 行くなら行きましょ!」

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