二百八十二羽 ☆ リュリュエル、やきもち!

「なぜか次元の裂け目の出口がここでしたね!

見渡す限りエンジェリックア〜〜〜イ!

と〜〜〜ってもだだっ広い!

大海原のど真ん中ですね!

ん〜〜〜? かろうじて陸地が見えそうで……

見てください! しぶきをあげて、なにかがこの島に向かってきますよ!」


「やった! 宝島はっけ〜〜〜ん!」


「海をざぶざぶとかき分けて!

海のギャング、巨体な白水晶シャチのオルカちゃんに引っ張られて空を飛ぶヨットな小さい海賊船!」


「さすがミーノ! ここにおじいちゃんのお宝があるのね!

オルカ! 着水するよ!」

「きゅきゅ〜!」


ざっぱ〜〜〜ん!

着水して砂浜に!


「オルカは待っててね! ん〜と、地図はっと」

「きゅ!」


「海賊帽子に眼帯に海賊ファッション!

女海賊勇者様、ミーノ船長! お元気そうですね!」

「んん? 誰だっけ?」


「ふぃわ!?

ミーノ船長の手下、10級見習い天使リュリュエルですぅ〜!」


「あっはっはっは!

冗談だから! ちゃんと覚えてるよ!

こっちの女の子は? やっぱり天使?

ミーノっていうの! よろしくね!」


「拳の天使フィスエル、7級よ。

眼帯っていうけど、目が丸見えじゃない。

リュリュエル……もしかしてこの女の子もあんたの勇者って言うんじゃないでしょうね?

昇級試験のときとかさ、いっぱいいろんな勇者と出会ったって、男の子たちの話は聞いたけど?

そのあとも、わたしがいっしょにいたとき以外の女の子エピソードは一度も聞いたことないわよね?」


「ピ〜ピピ〜ピ〜♪」

「口笛吹いてごまかすな!

もしかしなくても黙ってたわね!

ほかにも女の子なかわいい勇者がいるんじゃないでしょうね!?」


「なんのことでしょ〜?」

「こんの〜〜〜、エンジェルフィスト!

ほんの少しは効いてほしい!」


「あはは! もしかしてやきもち?

フィスエルって、リュリュエルの彼女な天使さん?」


「ひゃわ!?

やきもちなんて焼いてないし!

か、かかか、彼女って……彼女!?

彼女ってあれよね?

彼氏がいて彼女がいて……え?

彼女がいて彼女がいる?

手をつないだり、ちゅ〜したり……

ちゅ〜……真ん中……(真っ赤)」


「にへら〜って顔して、もじもじぶつぶつ言ってる……かわいい♪

別に女同士でもミーノはいいと思うわよ!

それにリュリュエル! ミーノは勇者じゃなくて海賊船の船長よ!

聞いて! 宝の地図を解読し直したの!

とうとうおじいちゃんの秘宝を見つけたと思うの!

絶対、この島のどこかにあるはずなの!」


「そうなんですね!

南国無人島をぐるっとエンジェリックア〜〜〜イ!

ふっわ〜おぅ!

どうやらこの島の地下には隠された海底神殿があるようです!

島の中心に遺跡な石柱群と転移魔法陣があります!」


「……前回も思ってたんだけど、そういうのってさ。

あれこれ謎を解いてから、やった〜! 見つけた〜!

っていう、苦労からのよろこびっていうロマンがあるんじゃないのかな!?」

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